南米前夜

本日の学校公演は、170名ほどの小規模な小学校で、アットホームな雰囲気の中とても楽しい時間が送れた。

長距離運転の疲労もあり、子ども達の元気(勢い)に押され、演奏も体験コーナーも若干乗り切れずな部分があったようにも思う。反省。


さて、いよいよ明日から南米だ。
思えば、一月前はドイツにいたのだな。なんだかすごく前のような気がする。


話は木曜に遡る。
久しぶりに西荻「音や金時」での土井さんとのデュオライブだった。

土井啓輔氏、やはりスゴイ方である。
あの音楽的センス、即興のクオリティの高さ、その場で自ら「何か」を起こすアグレッシブなセッション。どれをとっても「すごい」の一言。

振り返れば10年くらい、年に1〜2度金時でご一緒させていただいている。
この1日1日の積み重ねが、どれほど今の自分の糧になっていることか。

俺は林英哲の弟子であり、「土井道場」の塾生だ。
この2点は、誰にでも胸張って言える。

そうして自分が得てきたものを自分なりに消化し肉体化してきたものを、新たな仲間/後輩とのアンサンブルの中で、発揮していこう。


今回の南米ツアーのメンバーは、初顔合わせである。
どんな旅になるか、ワクワクでいっぱいだ!!

 

四国へ

一泊三日(初日車中泊)で四国に行ってきた。

来年三月に、愛媛県今治市の「来島水軍狼火太鼓(くるしますいぐんのろしだいこ)」の20周年記念公演に「ようそろ&かりん」でゲスト出演することになっており、その際のフィナーレ曲『興郷楽(こうきょうがく:はせみきた作曲)』の指導である。

金曜の夜教室を終えた後、楽器を積み込み掛川で岡田氏と合流。夜走りで新東名→新名神→山陽道と乗り継ぎ、最後は5,6年前に『海の豊穣(林英哲作曲)』の指導/演奏で通い詰めた「しまなみ海道」で瀬戸内海を渡り、8時間(4時間ずつ運転交代)で無事到着。

今治城。美しい城郭だ。

しまなみ海道は、サイクリングロードとしても人気らしい。確かに絶景の宝庫だろう。

我々をゲストに読んでくれた「来島水軍狼火太鼓」とは、『海の豊穣』でご縁ができた。
現在レギュラーメンバーは7〜8名(1名のぞき皆女性)。ものすごく音楽的にきっちり構築された楽曲を演奏する方達だ。

『興郷楽』には、彼女らが教えている小中高生も参加する。


自己紹介代わりに見せた「ようそろ囃子」に目を丸くして、目を輝かせながら『興郷楽』に取り組んでくれた。

夜の食事会に加え、とってくれた宿に翌早朝見送りに顔を出してくれ、名産「今治タオル」のお土産までいただいてしまった。手厚い歓迎に感謝。

帰りは香川経由で帰ることにした。


途中見かけた「讃岐富士」。


高松の港の一画に「北浜Alley」という場所がある。
古くからの倉庫を改装し、雑貨、カフェ、美容院、レストランなどに生まれ変わった、大変オシャレなエリアだ。

お昼時。若い人達で賑わっていた。
ぜひここで、ライブをやりたいと思った。
四国。魅力溢れる土地だ。もっともっと、知りたい。


本場讃岐うどんを食べ、帰路を急ぐ。
夜8時過ぎに掛川到着。今夜は岡田邸泊。
明日は掛川で学校公演、戻ってあさってから、いよいよ南米だ。



東北へ

10/19〜10/22で、仙台−花巻−陸前高田−気仙沼と車で旅してきた。
英哲風雲の会として、20日花巻「銀河の里」で、21日「陸前高田全国太鼓フェスティバル」への出演のためだ。
それぞれのイベントに関することは後述するとして、旅で目にした被災地の光景について、少しレポートしたいと思う。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

震災後、初の東北への旅。

昨年2月下旬に、福島白河を訪れて以来だ。

金曜日東京でリハーサルをし、その足で仙台へ。
週末の夜の仙台中心部、ものすごい賑わいだった。
震災前より凄い気がする。「去年の暮れあたりがピークだった」とお店の人。

翌日の早朝、市街地から車で40分ほどの「七ヶ浜国際村」まで行ってみた。
舞台背面のガラス張りの窓から雄大な海を臨めるホールや、水盤に浮かぶ野外ステージなど、この仕事に就く前からの憧れの場所であり、師匠のツアー作品「若沖の翼」に初参加したのもここ。思い出深く、大好きな場所だ。

丘の上の施設は、無事だった。
が、海沿いは全く姿を変えていた。

堤防の一部が欠壊し、道路が寸断され、建物はなく基礎のコンクリが地面を区切っていることによって、かろうじてそこに家があったことを知る。

かつて建物だったがれきが高台のホール施設の横に積み上げられている。その真下に運動公園があり、サッカーの練習に励む子どもたちの背後でショベルカーが休むことなく働いていた。


何度もテレビで目にした光景。だが実際に360度その光景に囲まれ感じるということはこんなにも違うのか。



陸前高田は、規模が桁違いだった。



何もないのだ。

がれきの撤去が一段落つき、すっかりきれいな更地になっていた。
初めて訪れたら、新しい埋め立て地かと見間違えるかも知れない。

前回の陸前高田太鼓フェスティバルに出演したときのホテル。今は廃墟。脇の堤防は、一部決壊どころか、完全に無くなっていた。


そのすぐ近くにあったガソリンスタンドの看板(赤)は、下半分がベコベコになっていた。まさかあそこまで波が来たのか?

そのあと訪れた気仙沼も同様の光景だった。




ただ町が密集しているためか、被害の大きかった港近くにもプレハブ作りの仮設の商店が建ち並ぶ光景が見られ、人々の生活の息づかいが感じられた。
パッと見の違いはあるが、陸前高田も、他の町もきっとそうなのだろう。
みんなそこで生きているのだ。


多くのものを背負いながら、少しでも暮らしを良くしていこうと、生まれ育った郷を再び興そうと、頑張って生きているのだ。

(下の写真は陸前高田。海沿いの更地に残る廃墟を背に、作業をする人達。手前の黄色い花は、おそらくここで無くなった人のために手向けられた花。広大な更地のところどころに、痛々しいほど可憐な花壇が作られていた)





「旬」逃すまじ

本当に

本当に、めっちゃくちゃ忙しい。

目前に迫ってくる公演。そして旅。
10/20  花巻福祉施設でライブ[英哲風雲の会]
10/21  陸前高田・太鼓フェスティバル出演[英哲風雲の会]
10/25  西荻窪「音や金時」でライブ 土井啓輔さんと
10/26〜 愛媛へ 来島水軍狼火太鼓さん指導[ようそろ]
10/29  掛川市小学校で公演[ようそろ]
10/30〜 国際交流基金南米ツアー 小濵明人さん、森川浩恵さんと

これらすべて内容の違う事柄の準備に、はたして俺の脳ミソは対応できるのだろうか・・・?
すでにビミョーに破綻をきたしている気もする。 
 
そんなこんなで、ここ最近 お礼やお祝いの手紙を出したい人にも出せておらず、義理欠きまくりだ。。。

森◯さん、写真ありがとうございます(まだゆっくり見れてません 泣)
◯時 渡辺さん、アルバムありがとうございます(まだ見れてません 泣)
ファミリス◯川さん、届いてます!ありがとうございます。
◯絵さん、ほんとおめでとう!みんなにもメールしとくな。


このブログに書き留めておきたいことも、たくさんあるのだ。
三島バルのこと、新ユニット構想のこと、ある「曲」に関する壮大なプロジェクトの構想・・・。

旬を逃し通り過ぎていってしまうことも多い。
それは、自分自身の「旬」にも関わるかもしれない。

その時その時が大事だ。
踏んばるべし!!



おもしろドイツ

早いもので

ドイツより帰国して1週間。
ようやっと日本も秋の気配が漂ってきた感じだ。

今月は13日に三島/裾野で、今度南米ツアーを共にまわる尺八・小濵氏との初ガチンコ共演、翌週は震災後初めての東北訪問、さらに翌週は愛媛県で指導と、北から南へ大移動。
やるべきことがたまりにたまり、しばしばボーゼンとしてしまう。

とにかく1個1個、片付けてくしかないのにね。


記憶が薄れる前に、ドイツで撮ったお気に入り写真をば。

<乗り物・交通編>



まずは信号。
横断歩道用の信号のマスコット、有名だそうですな。
カワイイ。

ライプツィヒの中心街(旧市街地)へは、トラム(路面電車)で来るのが便利らしい。
新しい車両からかなり古いものまでが、朝から夜かなり遅くまで大活躍している。


次は自転車。
さすがヨーロッパ。自転車文化ですな。
駐輪場/道も整っているし、マナーも良い。
この文化を東京で定着させるのは難しいだろうな。
自転車ナンバー制、やるんですかね。


ん、これどうやって乗るんだ?


そう、ベビーカーを牽引するのだ。
ここではフツーなのだろうが、ちょっとびっくり。
赤い旗をつけたこの「赤ちゃん牽引チャリ」が、けっこう走っているのです。。。


このバイクのセンス、いかがなものか・・・。
ちなみに車体は、多分ヤマハTZRと思われる。


最後に標識。
ここ、フツーのビルの2階でっせ。
この2mそこそこの絨毯敷き廊下を、フォークリフトが行き来するのだろうか・・・?

ちゃんちゃん♪







オーケストラ

あっという間に、3公演が過ぎ去った。
連日の大盛況&大好評、嬉しい限りだ。

エアフルト、ズールとまわり、最終公演はライプツィヒに戻り、クラシック界ではヒジョーに有名な、ゲバントハウス。( ↓ 写真は夜のゲバントハウスの外観)



250年の歴史を持つオーケストラのホームグランドだそうだ。
本日は朝8:30入り。朝の冷気が心身を引き締めてくれる。
ホールへのリスペクトと気負いを込め、スーツで会場入り。



 ↑「夜景モード」で撮ったら、ユーレイみたいになってしもうた(苦笑)。

ハコの大きさ、音の広がり感、客席から感じるステージとの距離感、どれも本当に素晴らしい。





自分のポジションは舞台最奥、最上手から2番目(左隣はティンパニ)。
ホーンセクションの皆さん、そういう楽曲だとはいえ、1メートルと離れてない背後で放たれる大爆音、大変失礼しました(汗)。
今回共演したオケは、結成18年の「若い」楽団。皆さんこの楽曲にとても熱心に取り組まれているのが感じられた。


今回、自分が出ない楽曲のリハーサルをどの会場でも極力客席で聴くようにしていた。
そうして「生」で彼らの演奏に触れているうち、オーケストラというものは「生き物」だなと、強く感じた。



弓を弾く波のような動き、ホーンセクションの息づかい、打楽器の音は閃光の瞬きのようだ。
それらの音が、指揮にあわせてうねり、ささやき、哮り、うたう。
「生きた音」に浸る、本当に贅沢な時間だった。


今回は、とても多くの発見があった旅だったように思う。
今後の自分の演奏業の中に、うまく昇華して活かしていければと思う。


「しかし、ドイツのビールはやっぱうめーな〜!」
 ↓初オケデビューを果たし、活き活きを取り戻した後輩・ツジ。


 







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太鼓奏者・はせ みきた

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