早稲田大学交響楽団(通称:ワセオケ)のヨーロッパツアーに同行、各地で「日本太鼓とオーケストラのための[モノプリズム](作曲:石井眞木)」を演奏する旅で、全9公演中すでに4公演まで終了。
非常に濃厚で楽しい旅の真っ只中でありますが、この旅のレポートはまた次にということで。
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ドイツに発つ1週間前、ひさびさに東北(宮城〜岩手)へと運転一人旅に出た。
コロナ禍を挟み、長らくご無沙汰している東北各地の「大切な人達」との再会を果たすためである。
(南三陸・歌津地区の港)
まずは気仙沼へ。
東日本大震災の翌年、かりん(25絃箏・うた)と東北各地を訪問した。
気仙沼港からほど近い旧・中心街の一角にあるお茶やさん(震災で1階は完全に浸水)の店舗を借りてライブを行った時に出会ったのが[太鼓楽舎・ね]のSさん。
Sさんは地元のみなとまつり「打ちばやし大競演」を主導、気仙沼の太鼓シーンを牽引されている方で、出会い以後 幾度となくライブやワークショップの開催に力を貸してくれている。
ランチしながら互いの近況を話した後、彼の地の太鼓秘密基地「猫の穴」へ移動、[ね]のメンバーさんたちと稽古した(そこそこ濃厚なプチワークショップになってしまった 笑)。太鼓に向かい一緒に汗を流すことで数年間の空白が一気に埋まってしまうのだから、不思議なものだ。
(太鼓基地・猫の穴にて 左がSさん)
つづいて石巻へ。
現地のミュージシャン・四倉由公彦氏と再会。
2016年に石巻のライブハウス「ラ・ストラーダ」での鈴木亜紀(女子シングル自由型ピヤノ弾き語り)とのライブに来てくれたのが最初の出会い。
地元の郷土芸能と深く関わりながら独自の音楽活動を展開している人で、彼の音楽制作については以前から興味があり、いろいろ話を聞きたいと思っていた。今回ご自宅のスタジオにお邪魔し創作のプロセスを見せてもらったり、太鼓の話から芸能談義、さらに話題は合気道まで飛び、美味しい地酒をいただきながら夜更けまで話し込んでしまった。
近いうちに一緒に何か作ろう!と盛り上がった。石巻でか、はたまた静岡でかはわからないが、今後の展開が楽しみ!!である。
(石巻 四倉氏と。昔の相方◯田と似てる⁉)
そして最後は、ワタクシの東北のベースキャンプ・花巻の『銀河の里』へ。
『銀河の里』は、独自の理念に基づき障がい者・高齢者と[共に暮らす]里の構想を次々に実践・実現されている社会福祉施設である。
ここを運営されているMさんには、10年以上前から一方ならぬ応援をしていただいており、コロナ禍で仕事がぷっつり途切れていた期間も、こちらの様子を気にかけてくださっていた。
昼過ぎに到着。里のワーカーさんやお年寄り向けの太鼓を使ったレクリエーションに参加し、夜はスタッフさん達向けにミニライブ。その後、太鼓を用いた里の取り組みに関して、自分なりの意見・提案などをさせてもらった。
(里の施設長・Mさんと)
ここに来るといつも、利用者さん達もスタッフさん達もみんな心穏やかで(単におとなしい、とは違う)、自然体で、でも一人一人はっきりと「じぶん」を持っていて、それを互いに認め合っているのを肌で感じる。そんな空気に触れているうち、ふと気がつくと「自分には何ができるんだろうか」と考え混んでいる自分がいる。
里のために、誰かのために、自分のために…
そうして、お土産にいただいたお米とワイン(里で作っている)を車に積み、なにか漠然とした「宿題」を胸に、帰路につくのであった。
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東北には大好きな人がたくさんいる。
この十数年の間に何度も訪れる度、たくさんの恵みをいただき、たくさんのことに気づかせてくれた。「何かお返しをしたい」などと考えるのはおこがましいとも思いつつ、少なくとも次に訪れる際には必ずなにかしらの足跡を残せるよう、ひとまわり成長していなければ…と、自分を奮い立たせてくれる、
そんな、大好きな土地なのである。
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約50年前、当時英哲師匠が在籍していた鬼太鼓座が行なった「ボストンマラソンをメンバー全員で走り、完走後に太鼓演奏する」という前代未聞のパフォーマンスを小澤さんは現地でご覧になり(小澤さんはボストンシンフォニーで指揮を振っておられた)いたく心揺さぶられたようで、「オケと共演できる曲があると良いね」ということから、懇意にされていた作曲家・石井眞木さんに依頼し誕生した曲が、和太鼓とオーケストラのための『モノプリズム』である。
この曲が1977年に尾高賞を受賞し、世界各国での上演の度に聴衆を熱狂させ大好評を得た。日本の太鼓が「民俗芸能の楽器」という領域を飛び出し、世界に通用する「独特の音色とパワーを秘めた異色の打楽器」として認められるきっかけとなった曲だ。
以来、国内外の作曲家によって数々の[和太鼓とオーケストラのための曲]が生まれているが、その中でも群を抜いて異彩を放つ「マスターピース」であると、常々師匠は仰っている。
この曲を引っ提げ、来週から早稲田大学交響楽団とともにドイツ〜オーストリア3週間の演奏の旅に出る。
ワセオケとのツアーは6年ぶり(学生オケだからメンバーは総入れ替えされてるはずだが)。
『モノプリズム』で舞台に上がるときは毎回「挑む」という気持ちmaxになる。
この曲誕生のきっかけを作ってくださった小澤さんへの追悼の気持ちも込め、若い団員のみんなとともに精一杯努めてこようと思う。
振り返って、先月末からのフランス・ナントの旅のレポートをば。
5年ぶりとなる、ナントでのビッグなクラシック音楽フェス[ラ・フォル・ジュルネ]への参加。
現地に足を踏み入れ胸を満たしたのは「ただいま!」の気持ち。
会場の雰囲気が、懐かしき現地スタッフ達のウエルカムな笑顔が、そして客席の熱気がそう思わせてくれるのだな。
アウェイ感ゼロ、なんと居心地の良いことか!
前述の『モノプリズム』と同時に誕生した太鼓楽曲『モノクローム(石井眞木作曲)』を演奏。
今回の音楽祭のテーマが「ORIGINE(起源)」ということで、この曲はまさにうってつけ、どストライクと思えた。ヨーロッパの聴衆ならではの、じっくり聴き込みともに高まり一体化して音楽する感じをビリビリ肌で感じ、鳥肌が立った。
3公演中の中日では、カーテンコールで師匠のバースデーを一緒に祝い、師匠も感激の様子だった。
オフ日には現地の舞台監督・モクタールがナント市内の観光案内をしてくれ、これまで知らなかったナントの名所・名物を知り、ますますこの地が好きになった。
(ナント旧市街のお城にて 日本/フランスの舞台監督2ショット)
遠き地を訪れ、そこをどれだけ好きになるかは、風景や食・イベント、利便性などいろいろな要因があるが、つまるところやはり「ひと」なんだなと、つくづく思う。
次回は、そんなことを再認識させてくれた[一人旅東北編]について、書こうと思います。
【ライブ チケット販売&ご予約 絶賛受付中!】
◆ 4月12日(金)和太鼓デュオLIVE「小泉謙一×はせみきた」
吉祥寺スターパインズカフェ
18:30開場/19:00開演
全席自由 前売¥4,000(+1drink)
◆ 4月25日(木)はせみきた 和太鼓ライブ@熱海
(ゲスト:朱鷺たたら)
熱海起雲閣 音楽サロン
13:30開場/14:00開演
全席自由 前売¥3,000
≫詳細・お申し込みは はせみきたHP https://www.granbeats.com/
]]>新年明けましておめでとうございます。
元旦から大変な災害に見舞われ、現在も辛い日々を過ごしておられる方々を思うと胸が苦しく、己の他愛もない発信をすることもためらわれた。とはいえ自分にできることといえば僅かながらの募金をするくらいしかなく、今は目前のやるべきことと真摯に向き合い、せめて、人々の活力を呼び覚ますような元気な音を届けられるよう、精一杯活動していこうと自分を奮い立たせている。
被災地の皆様が、早く平穏な日常を取り戻せますように。
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元旦恒例の、地元のショッピングセンター・サントムーンでの「新春和太鼓Live」では、同郷の太鼓打ちであり40年近くのクサレ縁(親友)でもある「土屋智明」と7年振りのデュオ演奏をば。例年に増してたくさんの方がご来場、大いに盛り上がった。
知人も大勢駆けつけてくれ、あれこれ差し入れもいただき感謝感謝。幸先の良い新年のスタートとなった。
さて「2024は精力的に動いていきます!」という年末の意気込みを実行に移していこうということで、今後のスケジュールをご案内させていただきます。
次の日曜日は、静岡・リバティーリゾート久能山にて静岡教室生とマルシェイベントに参加。
フード/アクセサリーほかいろいろな出店がある模様。我々はステージ演奏+太鼓体験コーナーを実施予定。久しぶりの冬の野外演奏、気合い入れてくゼ!
少し先になるが、4月には2本のライブを予定している。
まずは4月12日(金)、スターパインズカフェにて小泉謙一氏とのデュオライブ。すでにご予約受付中ですのでどしどしご連絡下されたし!
和太鼓Live[小泉謙一×はせみきた]
出演 はせみきた 、小泉謙一
[日時]2024年4月12日(金)
18:30 open / 19:00 start
[場所]吉祥寺スターパインズカフェ
[料金]前売4000円/当日4500円(別途1drink)
【チケットご予約・お問い合わせ】
公式HP「お問い合わせ」フォームからもお申込みいただけます
そして4月25日(木)には、熱海の起雲閣にてライブします。
この日はソロと、ゲスト朱鷺たたら(横笛)女史とのデュオをお送りします。
まもなく詳細発表しますので、しばしお待ちを。
来週からはなんと4年振りの海外!
コロナ前に3年連続でお声がけいただいた、フランス・ナントの音楽フェス「La Folle Journe」に英哲カンパニーとして参加。
帰国してすぐ学校公演、2月11日には熱海のACAO FORESTにて日本一の早咲きと言われる熱海桜をバックに[BOK・SUI]の相方・朱鷺たたら女史と野外演奏。
さらに2月末からは5年振り?の早稲田大学オーケストラとのドイツ〜オーストリアツアー。
今回は風雲7名で石井真木作曲「モノプリズム」をオケと共演。久々の海外長旅、楽しみ!(でも今年は彼の地が極寒らしいのと物価高騰&円安による大出費がコワイ…)
というわけで、ここから春まで一気に駆け抜けていきますぞ。
SNSやブログでなるべくマメに状況発信していきますので、どうぞお楽しみに。
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ところで。
このところ、毎年書き初めをしている。
心落ち着けて真っ新な半紙に向かうのはなかなかに清々しく良いものだ。真剣に筆を持てば、我ながらまあまあの出来にはなる(あくまで自画自賛)。
今年の文句は[不苛愉萬]。イラつかず万事を楽しもう!との気持ちで。書いてひと月、初心はすでに破られまくっているが(笑)。
その昔習字のならいごとはキライだった(道中わざと硯を割ってボイコットしようとしたこともある )。
今思えば、もっと真面目にやっとけばよかった。。。
はせみきた Official web site
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ようやく長きにわたるコロナの呪縛から解き放たれそう…と思いきや、あれやこれやの流行り病が飛び交い、海の向こうでは諍い・戦が頻発。我らが日本も物価高騰やら政治のスキャンダルやらで生活への不安が尽きず、なんとなく、せいせいと精力的に活動する気になれず…年の後半は自主企画のライブ等を一切行わずじまいとなってしまった。
とはいえ7月の豊洲コンサートをはじめ、沼津市制100周年記念公演や静岡での釜山芸術団とのコラボなど、大きな仕事にも数々取り組ませていただき、そこそこに忙しく過ごせたことは大変ありがたく、関係各所には感謝!感謝!です。
心機一転、来年はライブもたくさんやっていこうと絶賛計画中ですので、どうぞお楽しみに!!
振り返れば25年、なんとか「演奏家」としての道を歩んでこられたことには、我ながら「よく粘ったもんだ」と半分呆れながらも感心してしまう(笑)。
10代後半に「太鼓を打つ」という行為へとモーレツにのめり込んでいき、そこから今に至るわけだが、そんな当時の私の心に火をつけた一人が、前回紹介した「マサキ君」だ。
そしてもう一人。
“土屋智明”
愛称“ツッチャン”。地元沼津の『黄瀬川太鼓』の同期である。
小学〜中学と同じ。高校からは別々、太鼓の嗜好も少し違っていた。ツッチャンは「盆太鼓」「斜打ち」に目覚め、俺より一足先にそれらの腕を磨くため裾野、伊豆さらに東京へと武者修行に出歩いていた。そして高校卒業と同時に上京、太鼓のプロ業界へと足を踏み込んでいった。
少し専門的な話になるが…
「斜打ち」「盆太鼓」というと、小粋なバチさばきや華やかな振り・見栄切りといったところに注目が集まりがちだが、その基本的な打ち方・体の使い方の習得方法(メソッド)はとても理にかなっている。助六太鼓〜大江戸助六太鼓〜そこのスタープレーヤー達によって確立されていったと思われる「斜打ちのメソッド」は、様々な太鼓の打法を身につける上でも共通して役に立つスグレモノだと自分は思っている。
俺は高校卒業後大学に進学し、ひょんなことから寮の仲間達と『龍韻太鼓』というサークルを立ち上げた。
ツッチャンはちょくちょく静岡まで遊びに来て、俺やサークルのメンバー達に「斜打ち」を仕込んでくれた。彼に教わった「斜打ち」の基礎は、自分の演奏でも、教室生への指導の上でも大いに役立たせてもらっている。
そんなに頻繁にではないが、折々で声を掛け合って共演の機会を作って、互いの無事と近況を確認してきた。
そしてきたる2024年元旦、恒例となっている地元のショッピングセンター・サントムーンでの「新春和太鼓ライブ」を、ツッチャンとのデュオでやることとなった。
二人で作った曲、黄瀬川太鼓時代の曲のアレンジなど、この二人でしかやらない曲満載のステージとなる。
出所は同じとはいえ、長年にわたりタイプの違う太鼓をお互い突きつめている訳で、ノリの違いや音楽的な解釈の違いがあったりして、そこを互いに「歩み寄る」という作業がリハーサルでは必要になってくる。とはいえ「ケツの穴を見せ合う」に等しい仲だったヤツとのひさびさの手合わせは、やっぱり手放しに楽しい。
二人ともおっさんになって、やれ膝が痛いだ肩が痛いだ言いながらも、結局しっかりハードなパフォーマンスになってしまうのだから笑ってしまう。
普段見ることのできないハセミキタを見られるかもしれない「新春和太鼓ライブ」、お近くの方はぜひお越しくださいませ。
「サントムーン柿田川 新春和太鼓ライブ」
日時 2024年1月1日 10:00〜/11:30〜(時間は目安です)
出演 はせみきた 、土屋智明
会場 サントムーン柿田川 セントラルコート
入場無料
そして、ツッチャン所属のバンドのライブが南青山MANDALAで開催されます。こちらもぜひ。
↓
「Le Chiacchiere Live vol.28」
12月24日 17:00open / 18:00start
入場 ¥5000(1drink、パン付き)
配信 ¥2500(2週間のアーカイブ)
詳細はこちら
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あっと言う間に秋が駈け抜けて突然の冬到来、という感じだが、我が活動のほうも忙しくあちこちで演奏させていただいた。
伊豆の某中学校にて久しぶりの学校公演。
「講話」が中心の苦手なパターン(苦笑)だったが、
「意外と知られていない太鼓のはなし」や、太鼓奏者となるまでの歩みを振り返る話などを演奏を挟みながら。
インフルエンザのまん延防止対策のため急遽1年生と3年生はリモート配信となり、画面を通しての演奏や拙い話で生徒さんの心に響くものがあったか…心配(汗)。
11月に入っての3連休は石川県白山市へ。
毎年恒例の「太鼓エクスタジア」にチーム英哲として出演。
風雲の会は『七星』を、師匠は藤舎呂悦先生/貴生さん、麿赤兒さんと『海はかうかうと空に鳴り』を熱演。
各チームの演奏もさることながら、太鼓芸能の変遷・進化を順を追って味わえる構成や前日の講演/シンポジウムと、例年に増して主催者さんの意気込みを感じる中身の濃さであった。
そして、実に20年振りとなる沼津「郷土ふれあい太鼓」に出演。
市制100周年記念公演のために集まったスペシャルユニットで『長浜城 一の曲輪(いちのくるわ)』を演奏。
各チームの熱演、素晴らしかった。
さて、この公演終了後に驚きの「再会」があった。
30年振りの「マサキ君」との再会である。
…高校時代。太鼓へののめりこみがMAXに上がり、でもいろんな情報を集める術も知らずただ闇雲に楽器に触る時間を少しでも増やしたかった俺は、所属していた[黄瀬川太鼓]の会長に沼津市内の某他団体へ「出稽古に行かせてほしい」と申し出た。
ありがたいことに両団体から許可が下り、約半年間にわたって市内の東のはずれから西のはずれへ片道45分、自転車をかっ飛ばして稽古に押しかけていた。
そこで出会ったのが、一コ年下の「マサキ君」である。
身長は自分と変わらないが骨太のがっしりした体格。
太鼓の前に立った時の「収まり具合」が絶妙に良い感じだった。
そして、上手い!
めちゃくちゃ上手いのだ。
「三宅」や「屋台囃子」をやらせたら30〜40代のオトナ達にもひけをとらない、というか群を抜いて“光って”いた。
俺なんか足元にも及ばなかった。
(そう、ワタクシにもこれらの曲を何の知識もなく見よう見まねで必死でコピーしていた時代があるのです、オハズカシイ。。)
俺の中では彼は、当時沼津、いや県東部で3本の指に入る打ち手だった。
(そのエリア外はほとんど全く無知だった。
それでもって自分もギリギリ5本の指になら入れるんじゃないかと密かに思っていたのだから、これまた本当にオハズカシイ。。。)
リズム演奏もさることながら、とくに「打ち込み」が凄かったなあ。
自分は「吸収したい、目立ちたい、負けたくない」一心で、目を血走らせながら彼や周囲の人に負けじと食らいついてたのだが、彼はそんなのどこ吹く風で、激しい打ち込み稽古をさらりとこなす傍ら、どうやったらさらに良くなるかを一人静かに「研究」しているかのような様子だった。そして、勝手にライバル視して熱くトゲのある視線を送っていたであろうに俺に対しても、敵意で返すでもなく偉ぶるでもなく「ごく普通」に接してくれた。
そう、イイ奴だったのだ。
そんな彼が、眩しくてまぶしくて仕方なかった。
やがて高3の夏が終わり、いよいよ受験にむけて尻に火が付き始めるとともに出稽古にもいけなくなった。
進学して生活の拠点が静岡市に移り、マサキ君も進路を進め沼津を離れ… と、いつの間にか会うことがなくなってしまった。
…声を掛けられた時、すぐには誰か分からなかった。
マサキ君だと認識した途端、30年前の記憶がぐわっと湧き上がってきて、思わず彼の手を握りしめていた。
「あんたがいなかったら、俺は今ここに居ないよ!」
本心だ。本当にそう思う。
「ありがとう、なんだかわからないけど本当ありがとう!」と、溢れ出る感情を止まらない俺に「いやいや、そんなおおげさな」と、傍らに息子さんを連れて苦笑していた彼。今は神奈川県で暮らしているが、毎年のように「郷土ふれあい太鼓」は見に来ているそうだ。
来年また会えるといいなあ!
10代の、血がたぎり沸き立っていたあの時期に、幾人かの切磋琢磨し合える仲間、ライバルがいたというのは、本当に幸運だったなと思う。
そしてもう一人、そういう存在がいた。
それが、「土屋 智明」である。
(つづく)
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「まつり」は、たのしい。
闇の中 煌々と灯る明かりに群がるムシの如く、明るく賑やかな場所に引き寄せられ、知ってる人も知らない人も一緒になって「なんだかめでたい」などと言いながらやんややんやと浮かれ、羽目をはずす。束の間そこに集まった人々は貧富や優劣など日頃縛られている“鎖”から解き放たれ、同じ喜びを共有している「一体感」に包まれ、幸福に感じる。冷静に考えるとなんとも不可思議な「人の営み」であるが、世界中どこを見渡しても「まつり」は存在するわけで、我々の暮らしにはまつりというものが不可欠なのだな、とつくづく思う。
車もインターネットもなく「村社会」が生活の全てだった時代は去り、人々の行動範囲が国単位・さらには地球規模まで広がってきた現代。自分の住んでいるごく狭いエリアのコミュニティへの依存が薄れる中、“村”単位での「小さなまつり」が、存続の危機に立っている。
何年も前からその必要性を問われていた地域の小規模なまつりが、コロナの禍中 数年にわたって中断し、そのまま復活することなく消滅していくという現象は、全国規模で見て決して少なくないはずだ。
確かに「まつり」は、それを司る/運営する側に立ってみると、これほど煩わしいものはない、と感じたりもする。
何日も前からいろんな準備をしなければならない。よく知らない人たちと分担し、調整しながら役割を果たす。日頃からのコミュニケーションが薄いと、大した仕事でもないことに多くの時間を割かなければならなかったり、昔からのしきたりや「通例」という非合理的な手順に従うことに、時にはバカらしさを覚えたりする。
しかし、である。
歳をとり、免許も返上し遠くまで出かけられなくなったとき、何万という人波に揉まれなくとも、提灯の火が灯る神社までちょっとがんばって歩いたら祭囃子が聞こえてきて、いくつかの露店をひやかし、余興を楽しみ、10分足らずでも間近の頭上 夜空に咲く大輪を拝んだりできると思ったら、なんだか嬉しくないか。ひと昔前 共にまつりを回す側で働いた懐かしい顔に出くわし、互いの近況を語り合ったりできたら、幸せではないか。
一方で、
… 車や電車でちょいと時間をかけて出かければ、華やかで豪華な山車が出て有名人がパレードをし、夜には何万発もの花火が上がる「派手な」まつりがあるじゃないか。わざわざ自分らで時間と金を費やしてショボいものをやらなくとも。神社もあちこち統合して有名どこにまとめて合理化すれば …
このような考えも以前から自分の中にあって、いまでもふた通りの考えが頭の中で逡巡して、立場をはっきりさせられないでいる。
今年たまたま地域の役員の仕事が回ってきて、まつりや地域の行事の運営の端っこにかかわっていること、そして同じくたまたま、今年そういった「小さなまつり」に呼んでいただき演奏する機会が多かったこと、親や付き合いのある人たちがだんだんと高齢になってきたこともあってか、自分の「老後」についてもボツボツ思いをはせつつ、こんなことをフト考えてしまう、秋の夜である。
都会で暮らす人や、一つの土地に根を張りそこに骨を埋めることに頓着しない人にとっては、いまいちピンとこない話かもしれませんね。
昨今 国内各地で頻繁に発生しているクマの問題や、世界的な地域紛争の問題と同じく、他所の人間がとやかく口を挟むことがはばかられる、デリケートな一面もあり、、、
ナカナカムズカシイ問題である。
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この夏〜秋は、地元の大小のイベントやお祭りに数多く声がけいただき、有難いかぎり。
先週は三島・楽寿園での「セセラキ祭」にて大リスペクトのドラマー/音楽家の佐藤正治さんと共演。10/9には静岡市民文化会館にて「日韓文化交流公演」に出演、釜山芸術団(サムルノリ)との共演も控えている。“ミュージシャン筋肉強化期間”真っ只中である(笑)。
さて、先月の『沼津市制100周年記念公演 Special Art Stage 〜 響宴』での演奏が大変好評だったということで、本年の沼津芸術祭『郷土ふれあい太鼓』公演に急遽出演し、『響宴』で上演した「長浜城 一の曲輪(くるわ)」を、10月29日に再び沼津市民文化センターの大ホールで演じることとなった。
市制100周年の今年、沼津芸術祭は50回目の開催となり、『郷土ふれあい太鼓』は第21回目からだそうだから、今年で30回目か!と思いきや、第47/48回がコロナ感染拡大防止のため文芸以外の芸術祭が開催中止となったため、今回が28回目だそうだ。
まだ10代の頃。
地元の「黄瀬川太鼓育成保存会」でお世話になっているときに、『郷土ふれあい太鼓』がはじまった。
まだ「太鼓フェスティバル」的なイベントが決して身近ではなかった当時、同じ市内で活動していても横のつながりが薄かった各太鼓団体が一堂に会して、ともに一つのステージを構築しながら技を競い合う場というのは、とても“刺激的”だった。自分は世間知らずの若造でただ打ち手として参加し楽しむだけの無責任な立場であったが、市の文化協会からの提言を受け各団体に声かけをした我が「黄瀬川太鼓」の森田会長はじめ、初期にこの公演の成立成功のために多大にご尽力された各太鼓団体の親方衆たちのご苦労は並々ならぬものがあったはずと今になって思い、感謝しきりである。沼津の芸術活動の柱の一つとして[太鼓]が広く認められるようになったのは、この“芸術祭への参加”が大きいと、自分は思う。
そして個人的には、中高生の頃から太鼓にのめり込んでいき、他グループに出稽古に出かけたり作曲に挑戦したり、グループ内の練習も積極的にリードするようになっていた時期だったので、芸術祭への参加は自分にとって年に一度の、いろんな意味での“成果発表の場”であり、劇場の舞台で演奏する気持ち良さ難しさに気づくことができた、貴重な経験だった。視野を広げ、たくさんの縁を繋いでくれた。この場がなければ、ひょっとしたら[太鼓奏者 はせみきた]はいなかったかもしれない。
そんな『郷土ふれあい太鼓』への出演は、なんと20年振り。
プロの演奏家という立場になってからは芸術祭に参加することはなくなったのだが、2003年、静岡県での国体開催にちなんだ「スポーツ芸術」という催事の総合プロデュースを自分が仰せ付かり、沼津の太鼓団体の演奏を主体とした公演内容を構成したご縁で、その年のふれあい太鼓公演にゲスト出演させていただいたのだ(いや懐かしい〜)。
プロと自称し駆け出しもいいところだった自分のなんちゃってプロデュースに付き合ってくれ「スポーツ芸術」イベントの成功に大いに力を貸してくれた上、芸術祭の場に“プロのゲスト”として自分を迎え入れてくれた20年前。
今回「芸術祭50回目」という節目に再び、縁あってゲスト出演させていただけるというのは、本当に感慨深い。
おこがましくも「地元への恩返し」という気持ちを込めて、精一杯努めさせていただこうと思う。
あくまで主役は各出演団体・そして「郷土ふれあい太鼓スペシャルユニット」のみんな。
彼らの勇姿を、ぜひ見に来てください!!
第50回沼津芸術祭『郷土ふれあい太鼓』
出演:愛鷹太鼓保存会、白隠太鼓、和楽器操り団“音三昧”、和太鼓「新」
はせみきた&郷土ふれあい太鼓スペシャルユニット
[日時]10月29日(日) 12:30開場/13:00開演
[会場]沼津市民文化センター 大ホール
[料金]全席自由 300円
《チケット問い合わせ先》
沼津市民文化センター 055-933-2059
または はせみきたHP「お問い合わせ」よりメールにてご連絡ください
その他 はせみきた出演情報の詳細は
]]>朝家を出ると爽やかで涼しい空気が漂っていて、稽古場へ向かう山道を窓全開で快適ドライブ、なんて日もちょくちょくあったりして、少しずつ秋の気配が近寄ってきてるのを感じて嬉しくなってくる。
前回投稿の「ネガティブ波」がだいぶ遠ざかってくれたので、なまった体とココロを鍛え直そうと、新しい稽古メニューを考案、稽古場に上がる度に必ずはじめに取り組むことにした。
まだまだ暑い日が多いので、長時間の稽古は集中力が切れてしまう。短時間で、とりわけ[左手強化]に重点を置いたメニューをギュッと凝縮、20分そこらでできるように詰め込んだ。
自分で組んでおきながら、なかなかハードである。
できないことをやってるのだから当然か。
今の若い打ち手たちはよく手も回るしパワーもあるし、これくらいのことは朝飯前にできてしまうのかもしれないな〜。
まあ他人と比べても仕方ない。俺は俺。ひと月でもふた月でもつづけて、そのうち鼻歌交じりでサラリとできるようになれば…と淡い期待を胸に、地味〜に頑張っている。
(特訓メニュー、アップアップしながら取り組んでる動画をYoutubeにアップしました。ヒマな方は冷やかしに見てください 笑)
さて、来たる9月1日に大きな舞台が待っている(もう明後日だ 汗)。
本年、沼津市の市制100周年を記念した『Special Art Stage 〜 響宴』という舞台に、メイン出演者の一人として参加する。
[フラメンコ]久保田晴菜、[クラシックバレエ]芹澤創、[和太鼓]はせみきたの三本柱。
太鼓の独奏に加え、地元チームからの有志[郷土ふれあい太鼓スペシャルユニット]との演目、フラメンコの晴菜さんとのデュオ、そしてフラメンコバンドとのセッションシーンもある。なかなか見応えのある内容になりそうだ。バレエとの絡みはなし。
久しぶりに、沼津の太鼓愛好家の方たちと一緒に演奏する機会を得たのは、とても嬉しい。
幅広い年代の[仲間]と接点を持つことができた。この縁がまた新たな展開につながればと、淡い期待を持っている。
今回は運営面でも、地元で長年にわたり芸術祭等を通して市の文化活動の支柱として貢献してこられた舞踊教室の先生方に混じって、実行委員の一人として関わらせていただいたことも大きな経験となった。
前日(つまり明日)から会場入り、仕込み〜リハ〜ゲネプロと重ね本番に臨む。
ここ数日は、前述の「特訓メニュー」からの『響宴』の稽古をみっちり重ねてきた。
ひとり稽古は割と好きな方で、共演者のおとや動きを想像しながら音を紡ぎ出していく作業は、なかなか楽しい。
積み重ねてきたものがいよいよ、かたちになる。
ゾクゾクしてくる。
はせみきた Official Web Site
]]>お暑うございます。
酷暑そして台風…「強烈」がひっきりなしに襲ってくる日々。「今日を乗り切る」ことで精一杯になっているのは、自分だけだろうか。
東京豊洲でのコンサート『海、たうたうと』を終え早ひと月。皆様への報告・ご挨拶を急がねばと思いつつも、なかなか筆が進まない(すでに死語か?)日々が続きまして。。。というわけで、まずはその辺りから。
⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐
コンサートにご来場くださった皆様、ありがとうございました。
シンプルな構成の中に、今持てる技量を結集させて、やりたい表現・伝えたいメッセージを割とストレートに発信できたのでは、と思っております。
各方面よりお褒めの言葉もいただき、ほっと胸をなでおろす次第。
素晴らしきゲスト、小濱・小山両氏と煽り煽られの熱演。ホール空間を満たす豊かな響きを、そしてその響きを客席/ステージの垣根を超えて共有する幸せを分かち合えたことが、なによりも嬉しかった!
支えてくれたスタッフのみんな、開催に向け協力・ご支援くださった方々に、心より感謝。
(コンサートの模様が HPギャラリー でご覧いただけます)
⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐
さて、ここからは公演後数週間に渡る裏話。
[演奏家・はせみきた]と[個人事業主・ハセガワ(本名)]が入れ替わり立ち替わり現れ、心情をぶちまける(苦笑)。
みっともない「ネガティブみきた」をさらけ出しますので、ご容赦くださいませませ。
いわゆる「自主企画」の公演を行うにあたっては、背負うものも多く、重い。
[はせみきた]の場合、公演開催の前も、そして後も、日々の暮らしに及ぶ負担は決して少なくない。ヒラタクイエバ、オサイフノハナシネ。
豊洲公演を終え、はせもハセガワも、かなり疲弊していたようだ。
ぶっちゃけ「もういいかな…」という心境が数週間、胸を占めていた。
「しんどい、もちこたえられないかも」「周りに迷惑かけどおしだわ」(ハセガワ)
「もう、やりきっちゃったかも」「次のイメージが湧いてこない・・・」(みきた)
「やる意味あんのか??」(ハセガワ)(みきた)
これはもう、タチの悪い持病みたいなもので、不規則な周期を持って襲ってくる「ネガティブスパイラル」だ。何度となく食らってきたから「また来たな」と冷静に受け止めてる自分もいるが、今回はどうにも抗えずどっぷりと浸ってしまった。
そんななか、風穴を開けてくれたのが「インプット」だった。
・師匠が「面白いぞ」とオススメしてくれた、Youtubeの動画。
・たまたま見た、テレビ番組(山下洋輔さん、コロッケさん)。
・先日師匠の道場に遊びにこられたドラマー・堀越彰さんと尺八・小濱氏のユニット[Lotas Position]のライブ(アーカイブ映像)
・盟友・小泉謙一の出演していた対バンライブ『わっしょい』の、出演者各氏のパフォーマンス。
・教え子・堀越唯人(三宝会)の期せずして訪れ意地でやり遂げたソロパフォーマンス(ビデオ)。
上記の動画や生のパフォーマンスが、「おぉー」「やっぱすげぇ」「う〜ん」「え、なにこの〇〇!」「これは使えるかも」「そっかーこういう見せ方(聴かせ方)が…」「なるほどねえー」「うわっはっは」「いけーがんばれぇぇ」と様々に心を動かし、「あれ試してみたい」「俺だったらこうやる…かな」「くっそーかなわねえ」などと、お尻がムズムズする感覚を思い出させてくれた。
少なくとも[みきた]は、これらのインプットによってかなりモチベーションを取り戻している。
[ハセガワ]はまだ「おいおい、また同じ轍を踏むつもりかよ」と苦虫噛みつぶした面しているが(笑)。
ありがたいことに夏〜秋にかけて大小バラエティに富んだ演奏仕事の依頼をいただいているので、
一つ一つの仕事にしっかり向き合い、真摯に取り組んでいこうと思う。
次なる自主企画のアイデアも、じわりと湧いて来た。(実現できるかは全く未知数だけどね)
そんなわけで[ネガティブみきた]はほぼ脱却、なるべく日を置かずして演奏情報&レポートやノーテンキな日々を発信して行きたいと思います。
どうぞ皆様、見捨てずお付き合いくださいますことを。
「インプット」、本当に大事ですわ。
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舞台道具の準備、グッズの手配、プログラムの原稿作成、衣装のチェック等、あれやこれやの作業や取りまとめで毎日バッタバタである。
先週16日に、ゲストお二人/スタッフも集合しての舞台リハを自宅からほど近い裾野市民文化センターにて実施。
皆で全体の流れを確認、本番へ向けての追い込み気分が一気に高まった
翌17日は、三島のライブハウス[ぐらBar's]にて、小山豊氏とデュオライブ。
当日稽古場でのパパッとリハのみで臨んだライブだったが、いやあ楽しかった!
豊くんのスキルの高さ、対応力の凄さに脱帽。ますますコンサートが楽しみになりましたぞ。
ところで今回のコンサート、セットリストを眺めてみると、10年前にリリースしたアルバム『オトダマ』からの楽曲が多い。CDとは微妙にテイストが変わってたりすると思うので、良かったら久々にCD引っ張り出して、ご一聴ののちコンサートに臨まれるのも一興かと。
『この三年余り、私たち「舞台表現者」は多くの活動の場を失い、淀みに漂う
水泡のようでした。
それでも世の中は、とどまることなく移ろい変化していく…。
空間を満たす音楽とその場の熱量を「共感」できる喜びを。
胸張って「自分のおと」と言える表現の追求を。
すばらしきゲストのお力添えを賜りながら、豊洲の舞台で 皆様とともに。』
コンサートチラシに、この公演に寄せて書いたメッセージだ。
今回上演する演目一つ一つに、そして公演全体を通して、ここに記した思いを詰め込んである。
「自分のおと」の追求は、あいも変わらず試行錯誤と挫折の繰り返しであるが、時おり求める姿の全貌がおぼろげに見え隠れしているような気がしていて、その片鱗を一瞬でも皆様にお見せできたらいいなと思っている。
これまでのコンサートの中で最もシンプルで、どストレートな内容かもしれない。
それでは、豊洲でお会いしましょう!
はせみきた Official Web Site
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ちょっと特殊なワークショップの依頼をいただき、先週の金曜に実施してきた。
さる企業で新規プロジェクトチームが立ち上がり、そのチームビルディングの研修の一環として太鼓に取り組みたい、というオファーである。
ワークショップはこれまで数えきれぬほど行ってきたが、基本的には「太鼓をやりたい」「ハセに習いたい」という姿勢で集まってくる人向けに行うのが常だ。
今回は、参加者13名で全員未経験者、おまけに太鼓に取り組むということも知らずに来るらしい(笑)。楽器も多数必要な上、3時間弱という限られた時間の中で簡単な曲に取り組み、参加者の皆さんが達成感を得られるようなところまで持っていかなければならない。
この困難なミッションをやり遂げるための相棒は、言わずと知れた[小泉謙一]一択。
前日にズミ氏と合流、事前の打ち合わせ/準備を念入りにすませ、沼津の名店「豊亭」で英気を養う。(メニューは餃子、手羽揚げ、野菜炒め、レバニラしかないがどれも絶品!例によって写真撮り忘れた)
当日。
会場は伊豆「ラフォーレ修善寺」。
朝イチに入り、大急ぎで搬入・準備。
9時からの3時間、あっという間だった。
内容は企業秘密だが、我ながら良い仕事をした(笑)。
こちらとしても相当にチャレンジングな仕事であったが、参加者の皆さんはとても熱心に、メンバー同士和気藹々と楽しみつつも協力しあって、このハードなミッションをやり遂げてくれた。ポーランド人の社長さんも参戦。普段から雰囲気の良い会社なのだろうなと感じた。
日を置かず、とても嬉しい感想が届いた。
『はせさんと小泉さんの、元気で、明るく、礼節がある、わかりやすいご指導のもと、短い時間にもかかわらず、メンバーで力を合わせて”チームサウンド”を作り上げることができました。
楽しい雰囲気で、全員が主役となる曲作りでは、チーム内で程よいコミュニケーションが可能となり、チーム内では一体感が生まれました。最後に出来上がった曲を全員で演奏した時は、達成感がありました。「すごく楽しかった‼」「良い経験ができた‼」「太鼓って、格好良いよね」など、
研修前まではあまり会話がなかった間柄でも、太鼓アクテビティをきっかけにコミュニケーションが生まれています。』
我々にとっても、本当にいい経験となった。感謝!
この日は夜に三島教室があり、以前の教室生・ギルバートが5年振りにベルギーから来日、顔を見せに来てくれた。うちの教室で太鼓を始めて以来、ベルギーに帰ってからも彼の地のTaiko Schoolに通い続けているそうで「近い将来 HASEセンセイを呼びたい!」と言ってくれている。
自分を求めてくれる、頼ってくれる人がいることの幸せ!!
これこそが太鼓稼業を続けていける原動力であり、生きていく糧なんだなあ。
2日後の日曜日には、沼津市内の太鼓チームからの有志たちが三島の稽古場に集結。秋に行われる大舞台に向けての稽古を行った。間も無く情報公開できるので、お楽しみに。
東京・豊洲のコンサートまで、あとひと月。
https://www.granbeats.com/schedule/
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マジで忙しかった。
前回投稿の「裾野市文化協会 総会講演」に始まり、
翌週は昨年の「秋の叙勲」で受賞された、沼津の保護司さんの叙勲お祝い会でのソロ演奏、
その翌週は津軽三味線・山中信人さんにお声がけいただき「山中信人vs.◯◯奏者」への出演、
さらに翌週は「日本刀×和太鼓×Breath」のユニット[錬磨]での音楽フェス『関西音酒場』への出演、
と言った具合に、全く内容の異なるパフォーマンスの連続だった。
教室の方も4月から新シーズンがはじまり、各教室共に新曲や新規レッスンプログラムの組み立て/準備におおわらわ。さらに7月の豊洲コンサートに向けての打ち合わせ・楽曲準備に資料作り・プロモーション活動もやらねばならず、息つく暇もなくあっという間に毎日が過ぎていった。
そしてGWは、英哲師匠と金沢/東京でのクラシック音楽メインのビックイベントに出演。
大曲「モノプリズム」「レオナール、われに羽賜べ」「若冲の翼(LFJ2023バージョン)」と超濃厚なプログラムのオンパレード。既存のレパートリーだがどれも新しいアレンジが加わり、稽古/リハ/本番とも緊張が続き、面白かったがなかなか大変だった。。。
コンサートまであとひと月半。
内容も固めなければだし、チケットも売らねばならない。
一人でも多くのお客様に、興味と期待を持って豊洲に足を運んでもらいたいと思い、コンサートに関連した5つのテーマに沿ったトーク動画を撮り編集、Youtubeにアップしました。
コンサートのサブタイトル「海、たうたうと」に込めた思い、会場のこと、ゲストについてなど、つらつらと喋ったものを10分くらいにまとめてます。ご高覧いただけましたらありがたし。
思いを言葉に変換し、簡潔にまとめ、伝わるように話す…というのは、本当にムヅカシイ。
今回の動画しかり、先月の講演しかり、先週の土曜に出演した、ラジオのトークもしかり。
本当に伝えたいところになかなかたどり着けなかったり、いつの間にか脇道に逸れてしまったり、適切な言葉が浮かばず誤解を招くような表現になってしまったり。
終わった後に、たいてい落ち込む(演奏でもよくあるが 苦笑)。
でも、こういう作業を通して、漠然とした自分の考えが少しクリアになって、活動の方向性が定まったり、曲作り/舞台構成のヒントが見えてきたりもして、「ああ、大変だけど大事なことだな」と思う。
先日、ゲスト二人との第一回のリハーサルを敢行。
イメージが音に、形になっていく。
今度のコンサートは、奇をてらった演出などは極力控えて、シンプルに一曲一曲の世界観を味わってもらおうと思っている。
「むずかしいことをやさしく やさしいことをふかく ふかいことをゆかいに」
井上ひさし氏の言葉、俺の座右の銘だ。
是非とも多くの方に、会場にお越しいただきたいと思ってます。
ご家族ご友人お誘い合わせの上、そして多くの方にご吹聴いただき、豊洲に足を向けていただきたく。
なにとぞよろしくお願いします。
(来月、三島の「ぐらBar`s」にて小山豊氏とのデュオライブも急遽決定。こちらもお楽しみに!)
はせみきた 公演情報の詳細は こちら(公式HP)
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桜が満開、春爛漫。
そして、新年度のスタートである。
年度の切り替わり、日記調に綴ってみた。
(3月31日)
久しぶりに丸一日、稽古場に篭りきりとなる。
うれしい悲鳴ではあるが、このところ直近の仕事に追われつつ夏/秋口に向けて長期で取り組むべき案件も複数抱えていて、あれもやらねばこれも詰めねばとワタワタするばかりでどれも片付かない日々が続いていた。終日外部との接続を断ち創作作業・稽古に没頭することで、かなり仕事もはかどり脳ミソの中も整理できた。こういう環境を持てる幸せを噛みしめる。
(4月1日)
地元・裾野市の文化協会の総会にて「和太鼓〜郷土芸能から舞台作品へ」というタイトルで実演を交えた講演をさせていただいた。
(人前で喋ることについて、周囲からは得意だと思われているようだが自分では決して得意とは思っておらず、人知れずかなりの時間と労力をかけて準備とシュミレーションを重ねております、ハイ 汗)
世界の太鼓と比較した「和太鼓」の特徴、およそ50年ほど前「和太鼓」という呼称が用いられるようになる以前の「日本の太鼓」の概要、新興の「和太鼓文化」の良い側面と危惧すべき側面…などについて、師匠から学んだことと実体験・持論を交えてお話しした。
日頃から地域の文化振興に寄与されている人たちを前に、少々エラそうな物言いに聞こえる部分もあったかと思うのだが、参加された方々みな熱心に聴き入ってくださり、ことのほか好評だったようで、ホッとした。
(4月2日)
昼間、柄にもなく、近所の写真館に「家族写真」なんぞ撮りに行く(笑)。
夕方、ドラマーで作曲家の「佐藤正治」さんのソロライブを聴きに、自転車で三島に向かう。
(ライブ会場の三島・ぐらBar`s)
行きはずっと下り。8.5kmもなんのその。
正治さんは伝説のバンド「ヒカシュー」のドラマーで、作曲家・プロデューサーとしても第一線で活躍されている。三島出身で現在は熱海にお住まい。自分のような若輩者にも気さくに声をかけてくださる、尊敬する大先輩である。
圧巻のドラムソロに加えギター弾き語り、雅楽の笙の原型と言われる「ケーン」やウェーブドラム、エフェクトを効かせたヴォイスなど多種多様な音を操って繰り広げられる正治ワールドに、どっぷり引き込まれた。曲間にさりげない口調で語られるMCの中にも、今の自分の心に響く話がいくつかあって、本当に「聴きに行ってよかった」と思えるライブだった。
正治さんの音楽の「器」の大きさ!
ドラムソロの「うたごころ」!
表現する音から体から放たれその場を満たす「自由」の幸福感!(ん〜うまく表現できない!)
音楽と、楽器と、とことん向き合い遊び尽くしてこられたからこその、表現なのだと思う。楽しさも苦しさも全てが昇華された先に生まれる、幸福の音楽…?
正治さんのようなプレイヤーになりたいと、心から思った。
打ち上げにも混ぜていただき、8.5kmひたすら上りの帰路も、幸せいっぱいでペダルを漕ぐ(腿と尻はパンパン!)。
帰宅後、坂本龍一氏の訃報を知る。
ライブで相席となった絵本作家の「宮西達也」さん(『おまえうまそうだな』の作者!)が、ご自身の作品映画化の第3作目の音楽を坂本氏が担当されたという話を伺ったばかりだったので、呼吸を忘れるほど驚いた。
ゆく川の流れは絶えずして しかももとの水にあらず
淀みに浮かぶうたかたは かつ消えかつ結びて 久しくとどまりたるためしなし
世の中にある人とすみかと また音楽も、かくのごとし。
心からご冥福をお祈りします。
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先日ライブをやった、小濱明人・小山豊両氏をゲストに迎える。
スターパインズカフェでのライブは本当にゴキゲンだった。
長年にわたり共演を重ねてきた小濱氏の尺八本曲はさらに深みを増し、オリジナル楽曲の端々にもその片鱗が現れていた。
小山氏とは初の共演。軽妙なトークとともにさらりと奏でる津軽三味線、その音色の良さ!パンチの効いたオリジナル曲はライブとなるとプレイのあちこちに遊び心が散りばめられて、翻弄されながらもめっちゃくちゃ楽しかった。
このトリオで、いまや定番にもなりつつある[ 太鼓・尺八・津軽三味線 ]という組み合わせをさらなる領域へと引き上げ【新時代のあたらしい邦楽スタイル】の確立に挑みたいと思っている。
すでにチケットの先行販売も始まってます。
お求めはぜひお早めに!詳細はホームページをご参照ください〜。
さて、昨日 20年来の友人であり変人(笑)の造形作家・白砂勝敏氏の個展「再生のムジカ〜漂流する音〜」に呼ばれ、ライブイベントに参加。
静岡の海岸に流れ着いた漂流物(ゴミ)たちが、楽器に早変わり!
晴天ポカポカ陽気の広場に、4人の奏者が奏でる大小様々なプラスチックの残骸や金属・工具の放つ意外な音色が響き渡り、たくさんのお客様が熱心に聴き入ってくれた。
何を打っても「和太鼓に聴こえる(見える)」とお褒め?いただきましたが、それはワタクシが「それしかできない」からであります(笑)。
元[ようそろ]相方の岡田寛行との数年ぶりの共演も実現。
最後は弟子の片岡亮太、白砂氏と4人で大セッション。楽しいひと時だった。
このセッションライブ、3月21日(火・祝)にもう一回やりますのでお楽しみに!
PM2:46には東北に想いを馳せ、会場の皆で黙祷を捧げた。
過去数回のツアーで知り合った福島・宮城・岩手の皆さん、お元気ですか?
今年こそは数年ぶりに、皆さんに会いに行きたいと思っとります!
(写真は2016年の東北ツアーにて、気仙沼「太鼓学舎・ね」の皆さんと)
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今年は自分は年男。
50になる前にフルマラソンに挑戦しようかな〜と、特に理由もなく漠然と思い立ち、年末から長いこと遠ざかっていた「長距離ジョギング」を復活。週一で7kmからはじめ、翌週は10km、次週は12kmと少しずつ距離を伸ばしている。
いまのところ呼吸系の苦しさよりも、ひざ関節周りの筋へのダメージが思った以上で、寄る年波を実感して凹んでいる(苦笑)。
さて、本職の演奏について。
新年一発目は元旦、コロナで3年のブランクをおいてようやっと開催された、地元のショッピングモール・サントムーン柿田川での「新春和太鼓ライブ」。
小泉謙一とのデュオ演奏に多くの人が買い物そっちのけで見入ってくれ、大いに盛り上がった。
昨年末からズミ氏とのデュオが活発で、来月にも埼玉でのライブが控えている。
ライブをはじめ様々な現場を踏んできたズミ&はせの安定の演奏・そしてバリエーションに富んだパフォーマンスに、ファンも増えてきている模様。今年は二人でライブツアーなんぞしたいなあと思っております。
そして今年は、この「トリオ」にも、ご注目いただきたいのだ!
はせみきた(太鼓)/小濱明人(尺八)/小山豊(津軽三味線)
きたる2月26日、吉祥寺スターパインズカフェにてこの3人でのライブ『音魂夜会`23 冬ノ陣 〜打 吹 弾 独奏合戦』を開催します。
小濱氏とはこれまで数々のライブ・コンサートで共演を重ねてきた。
落ち着いた佇まいから悠然と立ち上る古典本曲の世界、そして時折姿を表す若獅子のような躍動感あるアドリブ演奏。
会う度に広がりと奥深さを感じる彼の音楽世界。ひさびさの共演、非常に楽しみだ。
小山氏とは度々現場でお会いしているものの、共演は今回が初めて。
津軽三味線の一大流派・小山会の三代目でありながら、その背負っているものの重さを感じさせない自由奔放な音楽活動。
それらの現場で培った「音づくり」へのこだわりが、打ち合わせの会話の中でもビシビシと感じられた。
今回のライブでは、三者の純度の高い音楽を味わってもらうため「独奏」シーンをふんだんに盛り込む予定。
小濱・小山両氏には伝統スタイルと革新スタイルの両側面を垣間見れるような内容をリクエストしている。
自分は久々の「トビウオ(独奏)」と大太鼓曲で挑もうと思う。
この3人での共演は初めてなので、トリオ/デュオの演奏がどのようになるか、ただただ楽しみでならない。曲目は…ナイショ。
一夜にして色々な楽しみ方ができる、とってもおトクなライブになるはずですぞ。
開催は一月後。どうぞお早めのご予約を。
『音魂夜会`23 冬ノ陣 〜 打 吹 弾 独奏合戦」
出演:はせみきた、小濱明人、小山豊
[日時]2月26日(日) 18:00open / 18:30start
[場所]吉祥寺スターパインズカフェ(吉祥寺駅東口より徒歩4分)
[料金]全席自由 前売4000円/当日4500円(+1drink代)
↓ライブの詳細・ご予約は↓
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本年の演奏仕事は、沼津千本プラザ「はせみきた×小泉謙一Duoライブ」で終い。
純粋に燃えた。そして楽しかった。
大概において太鼓打同士のライブではどうしても「張り合う」ことに終始してしまいがちなのであるが、盟友ズミ氏とのデュオでは、他にもっと楽しいこと気持ちいいことが多々あるので(笑)、そうはならない。
今回のライブで言えば、ハコのサイズ・響きがちょうどよかったことも功を奏して、曲中のソロの中で弱音を楽しみながら展開を広げていくことができ、そんな瞬間瞬間は本当にシアワセなのである。
相方へのリスペクトと信頼があってこそ生まれる音の絡み。打ち合わせなどなくともこういう瞬間が自然に生まれることが、嬉しい。
今年は朱鷺たたら氏とのデュオユニット[BOK・SUI]でもひさびさにライブ活動ができた。
今月の前半には、初の「平日昼間のライブ」を実施。仕事を休んでまでご来場くださった方も少なくなかったようで、心より感謝。
たたら楽曲には「中毒性」がある、と自分は感じる。
耳なじみの良い心地よいメロディー運びの中にそこはかとなく「毒」や「闇」や「謎」を孕んでいるように、感じるのだ。あれ、これって「朱鷺たたら」そのものだったりして(笑汗)。
年に一度や二度は[BOK・SUI]の音楽を体が欲する、と、お客様を病み付きにしてしまおう、ということで、来年以降もボクスイは定期的に発信していきたいと思っているのでよろしくどうぞ。
そしてさらに、今年は我らが師匠・林英哲の長年の取り組みが『受賞』という形で広く世間から評価された年になった。
「福岡アジア文化大賞」そして「旭日小綬章」。
(先日、年末のご挨拶に道場を訪れたときにちょうど額が届き、額装を手伝ったあとにパシャリ)
福岡アジア文化賞の「大賞」を日本人が受賞したのは、アフガニスタンの支援に尽力した医師の中村哲さん以来とのことで、師匠の驚きと喜びはひとしおだったようだ。
自分の身近な人の中には「私の中ではとっくに『人間国宝』取ってるべき人ですけどね」なんておっしゃる方もいる(笑)。ありがとうございます。手前味噌ながら、自分もそう思ってます(笑)。
まだまだエネルギーの塊のような師匠ではあるが、ご自身の「産物」をどのように整理し、保存し、次に伝えていくか、苦慮されているようだ。師匠の望む方向にというのが大前提ではあるが、われわれ弟子連中としても、真剣に主体的に考え、行動を起こしていかねばならない時期が来たようだ。
[和太鼓]という分野の開拓の先鋒に独り立ち続け、唯一無二の作品を生み出し錬り上げ、国内外の大舞台でスタンディングオベーションの嵐を巻き起こし、幅広い分野の一流のアーティストとのコラボレーションを実現させてきた。師匠の独創から生まれた多くの新しい演奏技術・楽曲等の作品、さらには道具・衣装などの有形無形の産物の数々を多くの後進が取り入れ模倣している。そして、それら「産物」たちの少なからぬものが、既に意図せずして師匠の手を離れ、この業界での「スタンダード」となっている。
弟子の一人一人がどのように受け継ぎ、昇華させていくのか…大きな大きな課題だ。
というわけで来たる新年に向け、やりたいこと、やるべきことを頭の片隅でぼんやりとリストアップしつつ、目の前に山積みとなっている「年内に片付けなくてはならないこと」に辟易している、みきたでございました。
本年も温かいご声援・ご支援を賜り、誠にありがとうございました。
来たる新年が、皆様にとって実り多き、素敵な一年となりますように。
はせみきた
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うだるような暑さが続いた夏からの極端な冷え込みに適応しきれずコンディションを保ちにくくなったりもするが、空気の澄んだ秋晴れの中に凜とたたずむ雄大な富士山を目にすると、体の奥からムクムクと力が湧いてきて、この土地に暮らすことの喜びをひしひしと感じる。
10月は3年振りの[BOK・SUI]ライブから始まった。
久しぶりのライブ。前半はなんとなく心も体もギクシャクしてノリきれずにいたのだが、進むに従ってたたらさんとの会話(音の)も噛み合ってきて、大太鼓の完全即興演奏を含め自身の「ことば」で「うたえた」ように思う。
その後沖縄に飛び「奥武山大琉球神楽」はじめ2日間3公演のイベントは、バッタバタの段取りの中奇跡のような成功を収めた。静岡に戻り「日韓文化交流事業」での再会と邂逅、翌日は東京に飛び師匠出演の「第一回 江戸の祭り」に急遽ピンチヒッター出演と慌ただしくも超充実した日々を過ごしている。その辺の詳しいレポートはまた次回に…。
ふと振り返ると、20代・30代の頃の自分は、とにかく新しい演目を生み出し並べそれらをきちんと「形にする」ことに苦心しながら、ない技術を駆使してなんとか「盛り上がる演奏」「ムーディーな演奏」になるよう心を砕くことに終始していたように思う。
最近になってようやく、並べたプログラムに従ってストーリーを「語れているか」や、楽曲やフレーズに込めたイメージ/意図が客席まで「届いているか」に心を配れるようになってきた気がする。と同時に「今自分は気持ちいい(音に包まれている)か」「バチが腕が全身が、表現(語る)のためにうまく働いているか」といった自分の内面との対話が、ステージの出来栄えと同等に、自分の中ですごく大事になってきているように思う。
そしてごく稀ではあるが、ライブ中にこれらを確認する作業と「音楽にどっぷり浸る」ということがなんら矛盾することなく両立できる瞬間が訪れるようになった。ごく稀、ではあるけれど。
積み重ねてきた年月と相応に、自分が成長できてるかどうかはわからないが、太鼓と、音楽と、より深いところでかかわりを持つようになってきたなと感じるし、それはすごく幸せに思う。これまで多くの気づき・刺激を与えてくれた場に、人に、心から感謝である。
ありがたいことに多忙な秋はまだまだ続く。初共演や自主企画ライブなどたくさんの「お楽しみ」も待っている。その中でもイチ押しの公演はコチラ!皆様のご来場をお待ちしてます!!
“はせみきた×小泉謙一 和太鼓Duoライブ” @沼津
[日時]12月18日(日) 13:00開場/13:30開演
[場所]千本プラザ 音楽ホール https://senbon-plaza.sakura.ne.jp
(沼津市本字千本1910-206)
[料金]全席自由 一般3,000円/中学生以下1,500円
詳細は はせみきたHP にて
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家族からの感染。結局まる2週間を棒に振った。
症状は軽傷で大したことはなかったのだが、10日間家から出ず、誰にも会わずに過ごすというのがこれほどしんどいこととは思わなかった。時間だけはたくさんあったのだが、デスクワークをするという気にもなれず(これは自分のサボり症のせい)完全空白の期間となった。
8/6に出演予定だった、静岡市グランシップでの「音楽の広場」は、もともと2020年に開催予定だった内容がコロナのため延びに延びてやっと今年の開催を迎えたのに、出ることができなくなり本当に残念だった。幸い風雲メンバーの田代誠が代役を務めてくれ、イベント自体はマエストロ広上さんを欠きながらも見事成功だった模様。出演者・関係者の皆さんの並々ならぬ熱意とパワーの賜物に違いない、拍手。
その後リハビリ開始。大太鼓の打ち込み、はじめはキツかったが徐々に回復。8月後半に出演予定だった催しはコロナの影響で開催延期となり、今週末の「林英哲コンサート@上越」が復帰後初の舞台となる。しっかり準備して、万全の状態で臨みます!
おかげさまで9月後半からはみっちりスケジュールが入っており、山口、福岡、沖縄、兵庫に大阪と西日本への旅が続く上、県内でも学校公演にお祭り出演、日韓文化交流イベントと目白押し。
そのなかでもイチ押しは…
「BOK・SUI ライブ2022静岡」
3年ぶりのBOK・SUIライブ。篠笛と和太鼓の組み合わせは多々あれど、「時には牧歌的に、時には粋に。水墨画のように気品ある大人の音楽を」をモットーに2017年よりデュオユニットとして結成以来、ライブ活動を展開してきた。たたらさんは今年新譜「螺旋〜Helix」をリリース。ピアノ/チェロ等との多彩なサウンドでの音楽表現を一つの形にした彼女が、最もシンプルな「笛と太鼓のデュオ」に立ち返ったとき、どんな新しいアイデアが出てくるか、非常に楽しみである。10/2日曜日、静岡市の老舗ジャズライブハウス・LIFETIMEにて、13:30開演。
前日10/1には、沼津ラクーンにて「朱鷺たたら 篠笛ワークショップ」も開催されます。そちらも是非。
ライブの詳細は、ホームページ でご確認ください
https://www.granbeats.com/schedule/
(過去のBOK・SUIの演奏動画を、Youtubeでご覧いただけます)
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日差しが強烈すぎる。車移動の多い人間にとっては、乗り込んだ時のあの殺人的な熱気、そしてあのチンチンに焼けたハンドルを罰ゲームの如く握ってなくてはいけない乗りたての5分間が、拷問のようだ。
夜は、割と涼しくて風が通ればエアコンなしでも全然寝れる。そこは例年よりむしろ快適な気がするのだが。
稽古してても作業してても合気道行っても、その都度Tシャツがびしょびしょ。水分補給、大事ですな。みなさまご用心を。
そうそう、ご用心といえば先日、いただき物の高級スイカと高級アメリカンチェリーを食べていたら、一緒に食べてた知人の一人が突如、お腹のど耳などに不調をきたし、苦しみ出した。桃系の果物に対するアレルギー反応だったようだ。この手のアレルギーも花粉症と同じく、ある日突然発症することもあるようで。程度の差は個々それぞれと思うが、症状が重いとかなりしんどいようなので、こちらもご用心。
さて、この夏は前半にスケジュールが立て込んでいる。前回の投稿からだいぶ間が空いてしまったので、例のごとく振り返りから。
?7/2 沼津ラクーン『音魂夜会2022』
いやあ、「やったった」感のある公演だった。
会場設営、楽器配置、照明の仕込みと調整、共演者とのつくり込み、そして稽古…。特に現場入り一週間前あたりからは日々目まぐるしくやるべきことに追われ、時間のやりくり、関係各者との連絡・調整などで大いにバタバタしたが、本当に充実した毎日だった。
今回初の、デジタル音楽/映像とのがっつりコラボだったが、あのラクーン沼津の特殊な空間には見事に「ハマった」と思う。なにしろ初めての試みだったので、曲の作り込みにしても映像や演出面のリクエストをするにしても、外国語でやり取りしてるかのごとく苦労した一面もあった。だが共演した[Hello1103]のお二人がこちらの拙い言いようをしっかり汲み取ってくれ、細かいところまで本当によく対応してくれた。
今回は大部分がこちらのやりたいことに合わせてもらうような内容となったので、ぜひまた別の機会に、今度は彼らに自分の太鼓・パフォーマンスを「料理してもらう」場を経験して見たい。きっとこれまでにない新たな世界が見えてくるような気がする。
[Hello1103]とのコラボが好評だったことに加え、今回は、ループマシンを使用する独奏曲「又三郎」や、大太鼓の独奏を絶賛してくれたお客様も少なくなく、それが何より嬉しかった。
?7/9 山口県へ 指導の弾丸旅
翌週。土曜日未明に家を出て羽田へ。朝イチの飛行機で山口へ。
あるご縁で太鼓指導の依頼を受け、下関市郊外の風光明媚な田舎を訪れた。
いずれ詳しくお話しする機会が来ると思うので詳細は省くが、小さな町を愛する地元の若い衆が幼い頃地域にあった太鼓を復活させようと立ち上がり、独力で曲を掘り起こし活動を再開させた、というチーム。
我が太鼓教室「ウツラ」は圧倒的に女性が多い。野郎ばかりの集団に稽古をつけるというのは久しぶり、いや初めてか?最高に楽しい稽古だった。濃密な5時間の稽古、同じくらい濃密な懇親会(笑)、そして数々の著名人がお忍びで訪れるという秘湯温泉。濃密な初山口36時間の駆け足旅だった。
メンバーの朴訥さ・人柄が滲み出る彼らの太鼓がすぐに大好きになった。指導に行くからには持てる技術知識は惜しみなく提供はするが、彼らの良さ「味」を薄めることになりはしないかという危惧もある…ここが指導者の腕の見せ所だ。彼らとの今後の付き合い、楽しみでしかたない。
?7/17 石川県「白山国際太鼓エクスタジア」
“Team英哲”として何度このイベントに呼んでいただいただろうか。
出る度にこのイベントを運営する皆さんの熱意と情熱を感じるのだが、今回は特に、第一回からこのイベントの運営の柱としてを引っ張ってこられた「浅野昭利」さんから次世代への「継承」ということを垣間見、考える機会となった。
太鼓という楽器の作り手としてだけでなく、打ち手を支え育てることに身骨を費やしてこられた昭利さんの背中を間近で見てきた次世代が、そのイズムを受けどのようにこれからの道を切り拓いて行くか…これは我が“Team英哲”にもそっくり当てはまる課題である。
プロの演奏家であり、一時代を築き少なからぬ影響力を持った流れの本流にいる身として、今回のような一大「太鼓イベント」に参加する時、そこでどんな姿を見せるべきか?何を残してくるべきか?そこまでしっかり考えて、場に臨むべき段階に自分も来ているのかもしれない。
現場では、若い頃「三宅」の太鼓を直接ご指導いただいた津村明男さんに20数年ぶりにお会いし、お話しできたのが嬉しかった。津村さんも70歳。師匠同様、怪物である。
〜そしてここからは、来たるスケジュールのご紹介〜
?7/30-31 沼津夏まつり
毎年恒例で、小学生の時から35年間、ほぼ欠かさず太鼓で参加してきたこの祭り。一昨年・昨年とコロナの為太鼓演奏は中止となり、3年ぶりの参加だ!
2000年以降は、この祭りが「教室生の発表の場」となっている。例年は大手町の「城岡神社」で他1〜2団体と入れ替わりで演奏するのだが、今年は運営サイドの要請により、駅〜港を結ぶ「さんさん通り」のUFJ銀行前〜リバーサイドホテル前までの歩行者天国エリアを北・中・南の3つに区切り、30日は15:00から40分間、31日は13:10から50分間、3箇所で一斉に太鼓を打ち鳴らすという方式。我々[ウツラ]は、中エリアで「音三昧」さんと1曲ずつ交互に演奏する。30日は沼津一般クラスと三島クラス、31日はジュニアクラスと三島クラスが演奏します。ぜひ応援してやってくださいませ!!
?8/7 静岡グランシップ「音楽の広場」
“Team英哲”での出演。野平一郎さん作曲のオーケストラと合唱と太鼓による曲「祝祭の打〜輝け五大陸」の世界初演だ。
こちらもコロナの影響で、2020東京オリンピックに合わせて発表する予定だったのが延びに延びて「今年こそ!」と関係者一同祈る気持ちで本番の日を待ち望んでいる。昨日会場のグランシップで一同が会しリハーサルが行われた。
このコンサートも、総勢200名近いオケ/コーラスのメンバー、運営スタッフの熱意がハンパない。そしてこのステージを牽引して行くマエストロ・広上淳一さんのエネルギーは、凄い!!13時から19時の長時間にわたるリハーサル中ずっと、大声でそして全身の身振りで、激しくかつ繊細に、音を組み上げていく。世界初演曲、スケールの大きさに順応しきれずまだまだ不安要素も多いが、本番はプレイヤー全員の気持ちを合わせて、壮大な世界を表現したいものだ。
というわけで、`22夏前半、まだまだ気の抜けない日々が続く。
でも、「動ける」というのは本当にありがたいことだ。この2年で痛感した。
一つ一つの舞台を悔いなく楽しみ味わい尽くすために、地道に念入りに、準備稽古を積み上げていこう。
そうそう、少し先のスケジュールですが、10月2日の篠笛 朱鷺たたら氏とのユニット[BOK・SUI]のライブも、ご予約受付開始しました。こちらもどうぞよろしく!
今後の各スケジュールの詳細は、公式ホームページまで。
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『音魂夜会』というライブシリーズは、2013年から行ってきた。
ライブというのは、コンパクトな会場でお客も出演者も(コンサートに比べれば)心安くその場に臨み、近い距離で互いの熱量を交換し合える場だと、自分は捉えている。そして低予算でも成立できるよう、リハーサルの回数も極力減らし照明等のスタッフワークを含めた演出も簡素に済ます、との認識のもと、これまで数限りなくライブを企画・開催してきた。その中ではこの『音魂夜会』という催しは、通常のライブよりも時間と労力をかけて内容を作り込み、できるだけ演出にも力を入れて『魂の音楽』を届けるというコンセプトで、その考えを共有してくれる出演者たちの力を借りながら、過去6回実施してきた。
第7弾となる今回は、デジタルな音楽と映像で空間を支配する[Hello1103(ハローイチイチゼロサン)]のお二人との共演。
彼らとの共演もさることながら、電子音楽そして映像とのコラボで、ライブ一本をがっつり共に作り上げること自体、今回が初めてだ。
彼らとは昨年、青森県むつ市で行われた詠み語り劇「北の慟哭」の現場で出会った。自分は朱鷺たたらさんと音楽を担当、彼らは映像を担当していた。互いに「語り」という軸への色付けであり、限られた時間の中で演出家さんの意向を反映することに精一杯でほぼ交流の機会はなかったのだが、別れ際に名刺がわりに交換したCDを聴きネットで彼らの活動を拝見して、ぜひ一度ステージの上で共に世界を作ってみたい、という思いが湧いてきた。
「電子音楽」「映像」と一言で言っても、「音楽」「料理」くらいに広範なものを含んでいるわけで、ハテどんなことをする人たちだろう?と疑問を持たれるでしょう。
誠に申し訳ない、自分もそれをわかりやすく説明できるような知識と言葉を持ち合わせていません。
百聞は一見に如かず、ぜひネット等で情報を集め、ご自身の頭の中で想像を膨らめていただきたい。
今回の内容に絡んで申し上げるならば、いわゆるズンズンドンドンのダンサブルなクラブミュージック的内容は、ほぼ無い。音楽にしろ映像にしろ、空間に漂わせたそれを歪ませたり色味を加えたりしながら独特な世界観を描く…というような、一言で言うなら「アンビエント」な要素が強い、かな。
2020年に行った『独奏夜会』にお越し下さった方はよくご存知と思うが、今回の会場「沼津ラクーン」は、非常に不思議な空間だ。もと西武百貨店だった建物の内装がすべて取り払われ、廃墟を思わせるコンクリートむき出しの無機質な空間。
ここに彼らの電子音楽と映像が漂ったら、さぞ面白いに違いない。だが果たして太鼓とのマッチングは…?どんな世界が繰り広げられるのか…?
自慢じゃないが、対面しての音合わせは、1日しかしていない。
あとは流行りの「リモート」打ち合わせやネットを介しての音源・資料のやりとりのみ。これも相手がハローさんだからこそではあるが、俺もそんなことをやるようにになったのかとミョーに感慨深い(笑)。
太鼓演奏の中身的には、久々に“ループマシン”を引っ張り出し「あの曲」を稽古中。新曲はないが、各楽曲そしてライブ全体の流れに相当な“演出”を盛り込んでるので、あーでもないこーでもないと練ってはいじり倒し、ウンウン唸りながらひとり稽古を重ねている。
来週水曜から会場入りし、諸々の設営/調整/リハーサルを重ねる。贅沢な時間だ。
ぜひ、会場にお越しいただき、皆さんに見届けていただきたい。
皆様のご来場を、こころよりお待ちしております!
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今日から6月。紫陽花が咲き始めた。間も無く梅雨入りだな。
さて先週は2つの全く対照的なステージに立った。
「林英哲スペシャルコンサート」
東京中野サンプラザ。名だたるスターたちが歴史に残る伝説のコンサートを繰り広げてきたこの舞台も、再開発の流れで近々解体されることが決まっているそうな。本番直前、バックステージで師匠が「美空ひばりさんもこの楽屋を使ってたんだなあー」と感慨深げに呟いておられた。
ゲストは津軽三味線のキングofキング・木乃下真市さん。師匠と木乃下さんのデュオはいつも「もの凄い」が、この日は輪をかけて「凄まじかった」。「SHI-BU-KI」のラストのセッション(バトル、というべきか)、どちらも一歩も引かない。ボクシング第12ラウンド両者リング中央で足を止めての渾身の撃ち合い!を見ているかのようだ。
壮絶な戦いを終えリング、いやステージを下りてきた師匠の背中を見送りながら「今日は流石に2部やばいかも」と思った。2部は数ある「美術家シリーズ作品」の中でおそらく最も大太鼓ソロが多く体力的にきつい『澪の蓮』だ。しかしそれも見事にいつも通りの圧巻プレイで最後までこなし、アンコールでは愚痴を交えた軽妙トークとムードたっぷりの「太鼓打つ子ら」で観客を虜にして、コンサートを終えた。
広大なステージ・客席。全力で打ち込み、持てるエネルギーを目一杯注ぎ込んで客席の隅々まで音と気迫を行き渡らせる。ダイナミックな動きを伴って世界一大きい音を発する「和太鼓演奏」の、醍醐味・真髄はやはりここにある!
その翌々日、いつもより少なめの楽器を車に積み込み、再び上京。
表参道・骨董通り沿いのビル地下の小さなライブハウス[ZIMAGINE]へ。
「鈴木亜紀マンスリーZIMAGINE with はせみきた」
20名も入ればいっぱいの店内。
この店で亜紀さんとライブやりたい、と言い出したのは自分だ。「生音で成立するくらいの音量で」というのがお店サイドの条件。
前回のブログで書いた通り、このライブは自分にとってことさらに楽しみで、同時に大きな挑戦の場でもあった。
大太鼓もなし、激しい「熱演」もなし。それでも和太鼓の音色の豊かさ・深さや独特の抑揚の心地よさなどを感じてもらえるか、そして何より「鈴木亜紀」の音楽世界に溶け込み、彩りを加えることができるか…。
ライブ中は、とにかく楽しかった。適正な、良い音で響かせる。そして音量以上に、不必要な音を加えないことに注力する。出せる音量の範囲内で目一杯のダイナミクスを効かせる。幾種類もバチを使い分け、様々な鳴物も駆使して音世界を描き出す作業に没頭した。
お客様は多くはなかったが、一人一人の顔が見えて、反応がダイレクトに返ってくる。ノリノリで演奏に浸ってくれ、熱のこもった拍手を終始送ってくれた。ライブ終了後、亜紀さんの常連のお客さんから「今日すごく良かった!」と声をかけてもらえたのが、何より嬉しかった。ひさびさに旅(ツアー)もまた企画したいね、と話して亜紀さんと別れた。
極大の表現の醍醐味。極小に凝縮した演奏で得られるヨロコビ。
どちらも、はせみきたの求める演奏スタイルであり、それぞれのスタイルを究めることが表現の世界をより広げていくことにつながる、と思っている。
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整体・マッサージの類の[治療院]と[ラーメン屋]は、人に勧めないようにしている。
[治療院]は合う合わないが人によって本当にまちまちで、Aさんには目から鱗の施術がBさんには症状の悪化を招く恐れもある。また[ラーメン]はあまりにメジャーな食べ物だけに、非常に細かいディティールまで好み・拘りを明確に持っている人が多い。両者とも、周囲の人の強い勧めで行ってみたところが自分には全くもって良いと思えなかった経験がある。逆もまた然り、だからだ。
とはいえ人に勧めないまでも「あそこの店よかったよー、俺にはどストライク!」と高らかにレビューしたくなってしまうのだから、困ったものだ(汗)。
音楽でいうと[歌手]なんか特に[ラーメン]に近いのかもしれない。
ロック・ポップスなどのジャンル分けだけでなく、声質・歌詞の世界観・ビジュアル…太鼓打ちなんかに比べれば圧倒的に選択肢(ほかに言葉が見当たらなかった)が多いだけに、その中で独自のカラーを打ち出して活動を続けられる人というのは、本当にすごいなと思う(「需要」も多いからというのはあるけれど)。
先日[女子シングル自由型ピヤノ弾き語り・鈴木亜紀]さんの、10年ぶりの彼女の故郷・焼津でのライブに足を運んできた。
はい、ワタクシ鈴木亜紀ファンであります。
ハセミキタ的観点から鈴木亜紀ワールドを「手短に」紹介しようと書き始めたが、ラーメン同様語るほどウザいだろうから(笑)、やめます。削除。
今の時代興味さえあれば、ネットで動画検索したり楽曲ダウンロードしたり、簡単にできますからね。でも、できれば生で、ライブで聴いてほしい!
とある焼津の小さな居酒屋さん。小学生からお年寄りまで幅広く、でも狭いから10人ちょっとのお客さんで満席。オープニングアクトのタクローさん(この人も面白かった!)からの空気を歌い出しからサラリと塗り替え、軽妙にかつ情趣深く、鈴木亜紀ワールドが展開されていく。「旅」を人生のテーマに据えている亜紀さんの歌は、焼津から中東、アルゼンチン、奄美、伊豆そして黄泉との境とあちこちへ我々を誘う。作家 井上ひさし氏の名言だったか「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをゆかいに」という言葉がぴったりのライブ、観客・お店のスタッフさん皆が一体となって楽しんだ。サイコー!!だった。
そんな鈴木亜紀さんと、今月末にひさびさ『ちゃっきりDUO』Liveします。
このライブ、オススメはしません。
会場は東京・表参道の隠れ家的なコンパクトなライブハウス「Zimagine」。生音に近いピアノ弾き語りとの共演。したがっていつもの[熱演モード]は封じます。もちろん大太鼓もナシ。一般的[和太鼓]のイメージを強く持ってご来場いただくと拍子抜けすると思うので、「太鼓好き」にはオススメしないし、ご友人にもオススメしないでいただきたい。
一方[ミュージシャン・はせみきた]にとっては、日本の太鼓の持つ独特の音色を駆使して、いかに鈴木亜紀ワールドに溶け込みその世界を彩れるかの、おおいなる「挑戦の場」である。
はせみきたのコアなファンの方、上質な音楽を求めてさまよい歩くマニアの音楽ファンの方は、ぜひいらっしゃい!一緒に楽しみましょう。そして手厳しい批評も、ぜひお寄せいただきたい。
そんなわけで、今日はこれから三島と焼津の間をとって静岡市内にて、亜紀さんとリハ。
昨日ひさびさの釣りを楽しんでるはずなのだが、果たして本日の釣果は……
(写真は亜紀さんの最新アルバム。2020年リリース「雲と波」。カバーの絵は本アルバムのテーマにもなっている「小泉八雲」直筆のイラストだそうだ)
]]>4月はかなり濃密な日々が続いている。
9日は小田原三の丸ホール「林英哲 ふるさと大使コンサート」。昨年オープンしたばかりのホールは重厚な作りで音響もすこぶる良く、素晴らしいゲスト・上妻宏光さん/藤原道山さんを迎えた盛りだくさんの内容にお客様方も大変喜んでくださっている様子だった。
翌週の16日は盟友・小泉謙一とのデュオライブを静岡・リバティーリゾーと久能山のライブハウスにて。先月の東京から若干内容を変更してお届けした。
実は3日前の13日に3回目のワクチン接種をし、1日半くらい使い物にならない体調からの復帰戦で、本番中自分の体とは思えないくらい体が言うことを聞かなくて、本当にしんどかった(スケジューリングの失敗に心から反省)。
しかしこの日はズミ氏のプレイが冴え渡っていて、個人的には特に「万雷」のセットソロが秀逸だった。このデュオのライブは、毎年定期的に続けていきたい!
そして昨日・24日は再び静岡。静岡県のライオンズクラブが一堂に会する大規模な総会に合わせて英哲師匠のミニコンサートが開かれた。「駿府祝組」の木遣りで幕が開き、「三ツ舞」「モノクローム」「宴」を演奏。
「モノクローム」では今回、終盤の秩父屋台囃子スタイルの宮太鼓パートを仰せつかり、からの「宴」大太鼓パート。体力的にかなりハードな役回りとなったが「ご当地メンバー、張り切ってやれ!」と背中を押され、パワー全開で夢中でバチを振るった。
いつものごとくメンバー紹介で師匠にイジられながらも「静岡の星!」とコールしていただいた瞬間は、心底誇らしかった。感謝。
この催しは、50年間師匠の熱烈なファンであり、自分も大変かわいがっていただいている方が静岡ライオンズで1年間大役を務められた仕上げの晴れ舞台でもあった。一年間、本当にお疲れ様でした、そしてこのような舞台を用意していただき、本当にありがとうございました!
さあ、やれやれと一息ついていられるのも束の間、目前に迫っているGWには、開講して1年になる[静岡教室]の初舞台がある。まだまだ経験値の浅い生徒さんたちを、三島教室生徒と共にしっかりサポートしなければ。
そして来月末には、とてもとても楽しみなライブが待っている。
『女子シングル自由形ピヤノ弾き語り』の鈴木亜紀さんとのライブだ。
5月26日(木)、表参道の知る人ぞ知るライブハウス「Zimagine」の小ぶりなスペースにて、月イチで開催されている「鈴木亜紀マンスリーZimagine」にお邪魔する。
ああ、“魅惑のスズキアキワールド”に音を重ねられる幸せよ!
これについてはまた次回、熱く語らせていただくことにして…
その他、5/24英哲コンサート@中野サンプラザ、7/2『音魂夜会』vol.7@沼津ラクーンと、オススメの公演が続きます。詳細はホームページの[スケジュール]を、ぜひチェックされたし!
(体がタンパク質とビールを求めているのだ、の図)
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という残念な天気ではあったが、いろんなものを吸収し、素敵ないただきものに恵まれた週末であった。
▪小田原「柏木美術鋳物研究所」訪問
代々「鋳物製の鳴物」を製作している工房。銅に錫(すず)や銀を配合した砂張(さはり)と呼ばれる合金を使用し、鳴り、響きにこだわった一品を丁寧に作っておられる。現ご主人は自分とほぼ同年代。展示室には多種多様な風鈴や仏用のお鈴ほか鳴物、昭和初期にこの工房で作られた国産シンバルなど、興味深いものばかり。来週末の小田原三の丸ホールで開かれる「林英哲コンサート」の際にも、ホワイエに作品が飾られるとか。近いうちに再訪して、お気に入りの一品を吟味してゲットしたい!
▪念願の「暖簾」きたる
金曜夜は三島教室。
さる1月に行った、新相棒・3尺大太鼓のお披露目を兼ねたライブ『Re-Start』のお祝いとして、三島沼津静岡 それぞれの教室生の皆が長年の念願だった「オリジナル暖簾」を誂えてくれ、それがついに出来上がりプレゼントしてくれた。みきたロゴをあしらった藍染麻仕立て。みんな、どうもありがとう!!
▪邦楽締太鼓の締め上げをお勉強
日曜日。お世話になっている方からの紹介で、県内のさる街の芸者さんから依頼を受け、締太鼓4管 の締め上げを仰せつかった。邦楽締の調整は久方ぶり。我々の使用する「附締太鼓」の締め上げは極めてワイルドでガサツなため、無作法は失礼をば。すでに皮の縫い目が切れてるものもあったが、なんとかお気に召す音色にまで調整できた。良い勉強させていただきました。
▪「よし川」でパワーチャージ
先月、確定申告が無事終わり「還付金」という名のボーナスが入ったので、家族サービス。
長年応援してくれている、蒲原の味処「よし川」へ。うなぎに桜エビ、しらす。安定のおいしさ。女将と大女将は忙しい仕事の合間にあれこれ舞台やアートを見て歩いておられる上に、お店で落語の会やミニコンサート、着物のリメイクワークショップなどを開かれていることもあり、いつも興味深い話が聞け、耳寄りな情報・今後の活動へのヒントをくれる。お腹もやる気も満タンチャージ完了だ。
今週末は小田原三の丸ホール「林英哲コンサート」。そして翌週末は静岡リバティーリゾート久能山「小泉謙一×はせみきたLive」。皆様のお越しをお待ちしてます!
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日ごとあたたかくなってくると同時に、花粉が…
数年前から晴れてリッパな花粉症の一員となり(笑)ほぼ年中のみ薬を服用しているのだが、先週あたりからめっきりキツくなってきた。やれやれ。
2022はじまってすでに2ヶ月過ぎてますが、今年のライブ活動計画をば記しておこうかと。
1月 新相棒お披露目兼ねライブ『Re-Start』(1/16終了)
「三宝会」ライブゲスト出演、楽曲「咆吼」提供(1/23終了)
2月 朱鷺たたらnewアルバム『螺旋』レコ発ライブ(2/23終了)
静岡リバティーリゾート久能山 野外パフォーマンスwith三島教室生(2/27終了)
3月 「小泉謙一×はせみきた」デュオライブ@東京 (3/21スターパインズカフェ)
静岡リバティーリゾート久能山 野外パフォーマンスwith三島教室生(3/27)
4月 「小泉謙一×はせみきた」デュオライブ@静岡 (4/16リバティーリゾート久能山)
5月 鈴木亜紀「マンスリーZimagine withはせみきた」(5/26表参道Zimagine)
7月 「音魂夜会2022夏ノ陣」@沼津(近日発表)
東京でライブ?
8月〜9月 ツアー(組めたらいいな、という願望)
10月 静岡でライブ?
11月 東京でライブ?
7月以降はあくまで「未定」ばかりだが、
こうやって書いてしまえば「やらないかん!」て気になりますからね。
こんなご時世、例年に増して「自転車操業」感丸出しの計画ですが、頭の片隅にでも止めておいていただけたら恐悦至極に存ジマス。
(夏のツアー「わが町に来てくれ」オファー大歓迎!ぜひお気軽にお声がけくださいませ)
…さて、最近出会い、心に残った言葉を3つほど、ご紹介させて下さい。
1、小泉八雲「日本の面影」より
「もともと芸術家とは、みな霊的なものに導かれた職人なのだ。(中略)技芸はすでに受け継がれている。(中略)何世代もの有能な職人たちから受け継がれた熟練が、今ここにひとりの芸術家の傑作の中へと甦るのである。最初のうち意識していた努力は、数世紀後には無意識となり、現存の作家にはほとんど反射的と言えるような、直感の芸術となるのである。」
小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)が来日してまもなく、日本の工芸品、建造物、版画などにはじめて触れたときのことを振り返り綴った文章の中にあった。
なるほど。腑に落ちた。世界が認める芸術家というのははほんの一握りの人だが、その芸術家の生み出す一彫り、一音、一筆には、何世代もの職人たちの技・工夫・発想が結集しているのだ。今自分のしていることのほんのひとかけらでも、時を経て“導かれた職人”の手によって「優れた芸術作品」に現れるかも知れないと思うと、ワクワクするし、いい仕事をしよう、腕のいい職人たれ、と思う。
2、逢坂冬馬「同士少女よ、敵を撃て」より
「動機を階層化しろ」
「いざ戦場に赴き、敵を撃つとき、お前たちは何も思うな。何も考えるな。…考えるなと考えてはいけない。ただ純粋に技術に身を置き、何も感じずに敵を撃て。そして起点へと戻ってこい」
「狩猟に向かうとき、自分は村のため、村民のためと動機をつくりながら、獲物と向き合う時には、その全てを忘却していた。フリッツを撃つのと同様に」
「射撃の瞬間、自らは限りなく無に近づく。極限まで研ぎ澄まされた精神は明鏡止水に至り、あらゆる苦痛から解放され、無心の境地で目標を撃つ。そして命中した瞬間に世界が戻ってくる。(中略)…そうせざるを得ないほど、射撃には魔術的な魅力があった」
第二次世界大戦、独ソ戦争が舞台。主人公はソ連の年若い女性狙撃手。「敵を撃つ」という行為を支える動機と、それを実行する瞬間の精神の状態についての描写が、とても興味深かった。射撃という動作と演奏という行為は、よく似ていると思った。「太鼓を打っている時、何を考えていますか?」と度々聞かれ、言葉にして答えるのに窮していたのだが、ストンと「腑に落ちる」表現だった。
(第166回直木賞候補となった長編小説。最近のロシアによるウクライナへの武力侵攻に関するニュースは、本当に胸が痛む。どの国にも暗い過去、消し去ることのできない過去の怨恨・歴史がある。その一端を知ることができればと手にした本。一介の小市民に紛争解決の糸口を見出せるわけもないが、ロシア・ウクライナに渦巻く「祖国への思い」の複雑さを垣間見、戦争/戦場という究極の混沌に、わずかながら触れられた気がする。)
3、NHK番組「最後の講義〜吉岡秀人」より
「それが自分のやりたいことだから。すべては自分のため。自分の人生を豊かにするため。結果的に他者のためになったり、笑顔にできる。結果としての『不成功』にはプロセスがあり、そのプロセスは次なる一歩への大いなるエネルギーになる。『不成功』を恐れて行動しない、即ちプロセスを手に入れないことこそ『失敗』である。」
アジアの途上国で医療活動を広めるNGOを立ち上げ、現地にて無償で医療提供を続ける小児科医・吉岡秀人の言葉。25年にも渡り、過酷な状況での無償医療活動を続けてこられたエネルギーの源は?という聴講生の質問への答え。他にも印象的な言葉に溢れた講義だった。夏に再放送予定らしい。https://www.nhk.jp/p/ts/4N7KX1GKN7/
(写真下は 何年も使っている大太鼓バチ。血が染み込み汚れがひどいが練習用として愛用している。もとは写真上のようだったのだが長年の使用で角が削れている)
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そして来週23日には、ユニット[BOK・SUI]の相方、朱鷺たたらさんのニューアルバム『螺旋』のリリースライブが、東京六本木クラップスにて開催されますぞ。
…たたらさんとの付き合いは、いつ頃からだったろうか。
「戦友」的な思いが強い。互いに今挑戦していることを話し合って、共感する部分があったり「その手があったか!」と刺激を受けたり、それぞれに頑固な部分を押し通してみたり…二人とも外からは「しっかり者の姉さん(兄さん)」的に思われがちなのだが、意外とポッカリ抜け落ちてたりして「あんたもかい!」と笑ってしまったりする。
[BOK・SUI]での音楽創作の最中にも「バンド編成での作品づくりにも挑戦したい」と常々言っていた、たたらさんの思いが結晶化したのが、このニューアルバムである。
中目黒のライブハウス「楽屋(らくや)」で録音。
一般的にレコーディングは、録音専用のスタジオで行うのが常である。特に複数の楽器のアンサンブルを収録する際には、「ブース」と呼ばれる小部屋に入り個々の楽器の音色をクリアに録音する手法がとられる。後々の編集や調整がしやすいからだ。
だが今回たたらさんは、敢えて繁くライブを行なっている「楽屋」の空間を使った「一発録音」にこだわった。ご家庭で、イヤホンから、ライブの臨場感を味わえるような一枚を作りたいという思いが強かったのだろうと思う。
参加ミュージシャンは、ピアノ・キーボード新澤健一郎さん、チェロ薄井信介さん、パーカッション足立浩さん、そして和太鼓はせみきた。メロディメーカーであり幅広くいろんなミュージシャンと交流を重ねてきた彼女ならではの顔ぶれ。[BOK・SUI]でのたたらさんとの音楽は、単音の放つインパクトやグラデーション、そして余白をどう活かすかなど、水墨画を描くようなイメージがあるが、今回はまた違った音の立体感や「色彩」が生まれて、リハ・本番収録共にとても面白い現場だった。
だがこの編成での一発録音は、正直なかなか難しかった!それを皆の技術とアイデアを結集して、ものすごい集中力を持ってぶつけあった音が、この一枚に収められている。(その辺りのことは、過去のブログに綴りました)ぜひ多くの方に聴いて、触れて、買ってほしい一枚だ。
さてそんな珠玉の一枚が生まれた記念の「レコ発ライブ」が、来週開催ということで。
昨日、都内某スタジオにてリハーサルをば。
20年8月のレコーディングから、たたらさんの懐での熟成期間が長く(苦笑)ついにリリース!ということで、スタジオ内はプチ同窓会のよう(笑)。思い出話や近況報告を挟みながらもリハはさくさくと順調に進行。「あまり作り込み過ぎずに、まあ本番何か起こるでしょうけどその何かを楽しんで、というか何か起こしましょうね」みたいな、やんちゃ坊主たちの秘密基地での作戦会議みたいな空気を各自持ち帰って、リハは終了。
このライブ、楽しみでしかない!
コロナがこんな状況なので、なかなか会場まで足を運ぶのは…と躊躇される方も少なくないと思うが、配信もあるそうなので、是非ぜひそちらもご利用いただいて、濃厚な時間を共に楽しみましょう!
朱鷺たたら NEWアルバム『螺旋』リリースライブ
出演:朱鷺たたら(篠笛・能管)
新澤健一郎(ピアノ・キーボード)、薄井信介(チェロ)、足立浩(パーカッション)、はせみきた(和太鼓)
2022年2月23日(水・祝) 13:00 OPEN / 14:00 START
六本木クラップス
全席自由 前売り4000円 / 当日4500円(+1drink+1order)
※配信もあります
【詳細は こちら】
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2月4日、サントリーホール。
日に日にオミクロン株の猛威を身近に感じながら開催に至った『祝歳の響宴』。
まずは無事開催できたこと、関係者各位、そしてご来場くださった皆様に、心より感謝。
英哲師匠の古希の記念でもあり、昨年の演奏活動50年記念の『独奏の宴』からの、本年ソロ活動40年を記念しての、今回のスペシャルコンサート。
この公演の幕開きのために師匠が書き下ろし演出した「序」。一切太鼓を打たず日本的な所作とリズムのみで構成されたこの演目を演ずる難しさといったら!いくつになってもチャレンジすることを止めない師匠の生き様が表れていたように思う。
続いて、初演から40年以上経ったいまでも色褪せない、太鼓を使った現代音楽作品の至宝「モノクローム」。譜面に書かれているのだから誰でも演奏できる曲だが、この曲を作曲者の石井眞木さんと「共に」「創り上げた」師匠だからこそ持っているイメージ・世界観を、メンバー全員で確かに共有できたという実感があった。
第2部「海はかうかうと空に鳴り」。結局一回も、師匠&ゲストの先生方が演奏されている様子を見ることはできなかった(苦笑)。黒子になりきり大太鼓の山台の陰に潜みながら、天に抜けるような名生先生の笛、波紋のように広がり温かく身を包んでくれるような呂悦先生の鼓と声、最後には階段落ちまでなさったという麿さんの気迫の気配、そして超至近距離で轟く師匠の大太鼓。曲の大詰めでの出番直前まで、自分が舞台上にいることを忘れるほど、四方の魂のプレイに完全に呑まれていた。ここに、急遽出演が叶わなくなった山下洋輔さんが入っていたら、第二部は延々終わることなく続いてしまったのではないだろうか…。
第3部「レオナール われに羽賜べ」。開演から気力も体力もどんどん削られていってるはずなのに、全くそれを感じさせない、いやむしろ第2部第3部と進むにつれより元気に、気迫に満ちていくような師匠がそこにいた。最後は、師匠を支えようなんて心配りは一切なく、自分の仕事を全うしよう、しっかりついていこうということに必死になっている自分がいたように思う。なんて大きな人なのだろう。多くの聴衆・此度の先生方はじめ各界の名人たち・舞台を支える一流のスタッフ陣の心を惹きつけてやまない魅力のなんたるかを、これでもかと見せつけられたような2時間半だった。
後日談。
終演直後に、あるスタッフが師匠に「お疲れ様でした」の声をかけたら、「またやりたいね」と返ってきたそうな。あんなしんどい舞台をやり終えた直後に!こりゃ『傘寿の宴』もあるな、と既に心の準備をしている、チームEietetsuなのであった♪♪
〜 本当は、軽めに師匠公演のレポートをして、続けて朱鷺たたらさんのニューアルバム&レコ発ライブについて書こうと思っていたのだが、書き始めたら止まらなくなってしまったので、たたらさんについてはまた近日中にあらためて。
(つづく)
第2部の黒子メンバー +木村優一。辻祐を除けば黒子メンバーは全員 around 45のオッサン揃いときた!
]]>先日、多くの方々に見守られながら
新相棒“3尺大太鼓”のお披露目&再出発の決意表明の儀
Live『Re-Start』を
無事終えることができた。
客席と向き合い、或いは背を向けて演奏しながら
終演後、ロビーでお客様方と短い挨拶を交わしながら
帰宅後、いただいた多くのお花や差し入れを眺めながら
多くの人が自分を支えてくれていること、
期待を寄せてくださっていることを
あらためて実感した。
みなさまのお気持ちに答えなければ
恩を返さねば
世の中に還元していかなければ
と、思っております。
少しずつ、自分にできる形で示していきます。
どうか気長に、辛抱強く見守っていただきたく。
本当に、どうもありがとうございます。
★ ライブの写真を HP にアップしました ★
最高の「Re-Start」を踏めた翌日。
まずは、楽器と稽古場のリセット作業を。
本番用に持ち出した楽器を全ておろし、稽古仕様に組み直し、車に「教室用楽器」を積み直す。
掃除を含め半日がかりのこの作業、かなりの労力であるが、大きな舞台を終えた後 一人黙々と行うこの作業が、割と好きなのである。
せっかくなので、新相棒・3尺大太鼓クンを
稽古場にて一人で組み上げる手順をご紹介。
(興味ないかもですが、みなさまに見てもらいたいのでありマス。笑)
車には、このように収まっている(ほぼ隙間ナシ)。
リアハッチを開けた状態で稽古場ギリギリまで車を差し込み、エイコラセ!と、下ろす。
台を組み立てる。新3尺と、従来2尺6寸の両方に対応させるため改良したことにより、組み立てパーツ数が増えた。
超合金ロボのごとく、上半身と下半身をドッキングさせる。
さていよいよ大太鼓を乗せる。これまたお手製の「太鼓昇降機・ひとりでできるもん」クンを使って、ウントコセ!と引き上げる(手袋必須)。
組み上げ完了!
ここから、新しい「日常」がはじまる。
新相棒・3尺とともに。
皆さんの、想いとともに。
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・・・前回の続き。
「大太鼓打ち」として、体も技も心も、一段上のステップに上がることを目指し「1サイズ大きな大太鼓の購入」という一大決心をした。
大きさ・重さ・価格…常に持ち歩くグランドピアノを買うようなものと想像していただきたい。
予算はもちろん、運ぶ手段・置く場所・組み上げる際に必要な人手まで考えて、自分に見合う楽器を探さなくてはならない。移動の相棒「青三郎(ハイエース)」君に乗るギリギリのサイズ。稽古場内には自力で大太鼓の上げ下ろしができる機構を単管パイプとロープホイスト/滑車で自作!
(自作の大太鼓手上げ機構)
車への積み下ろしも独力でできるようにしたい。そのためにはなるたけ軽いに越したことはない。そして予算!3尺以上の太鼓は「1寸1倍」と言って、価格が3尺を元に1寸大きくなると×2、2寸だと×3になる、と言われているそうだ。嗚呼オソロシイ。。。
楽器との出会いも一期一会。
幸いにも石川県の浅野太鼓店(正確には浅野昭利さんの「浅野太鼓祭司株式会社」)にて、素晴らしく鳴りの良い「楠製3尺大太鼓(中古)」が目に止まり、試打して一目惚れ、即座に購入を決めた。
数ヶ月後再び石川県を訪れ、新品同様にピッカピカに磨き直してもらった胴に張り直した皮の張り具合を微調整してもらって、新たな相棒がついに自分の手元にやってきた。
(左がnew相棒3尺、右が2尺6寸)
太鼓が大きくなった分、それを乗せる櫓台もこれまでのままでは打点が高くなってしまい、ベストの姿勢で演奏ができない。かといって台を新調すれば狭い稽古場にさらに道具が増えるし、台だけで何十万という出費になる。ここは脳みそと体の使い所!と判断し、現状の櫓台を新しい3尺にも、これまでの2尺6寸にも兼用できるよう、改良(2021はせみきたアイデア賞受賞 笑)。
(地元の金属加工の職人さんの協力を得て台もDIYで改良!)
さてこうして手に入れた新たな相棒を相手に、日々稽古に取り組んできました。
(半分は台の改良や手狭になった稽古場のスペースを確保するための倉庫DIY建築の時間となったが)
そしてものの見事に、お財布は空っぽになりました。
…というわけで、今度の年明けのLiveでございます。
来たる1月16日のLive『Re-Start』は、
新しい相棒をご紹介し、今後の活動に臨む決意を表明するとともに、
すっかり空になった「活動資金のご支援」を、お願いする場なのであります!
[クラウドファンディング]が盛んに行われる昨今の流れに逆行した[対面型プレゼン&ファンディング]的な催しとでも言いましょうか(笑)。
長年にわたり、応援してくださっているファンのみなさま、
活動を見守り支えてくださっている支援者のみなさま、
そして「今後コイツはどこへ向かおうとしているのか」興味を持ってくださる方々、
ぜひとも、会場まで足をお運びください。
演奏をご覧いただき「よし、応援してやろう!」と思っていただけたならば、いくばくかのご支援を賜れれば、幸いに存じます。
…などと書くと、重々しい感じですが、
「new大太鼓ゲットしたよ!いい音だから聴きに来て!」
ぐらいの気持ちだったりもして。
入場は無料です。もちろん「ご支援」も任意です。
ぜひお気軽に、ひやかしに来てください!
みなさまのご来場を、お待ちしております。
Live『Re-Start』
1月16日(日) 13:30開場/14:00開演
沼津市民文化センター 小ホール
全席自由 入場無料
トークを含めた1時間ほどのミニライブです。
詳しくは 公式ホームページ
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昨年から2年越しで考え動いていたことが今年実を結び、来年早々にみなさんにお披露目できる運びとなった。
(1月16日、久々の自主企画ライブ『Re-Start』@沼津市民文化センター。詳しくは 公式HP 参照)
それにまつわる「ことの経緯と思っていること」を、新年を迎える前に、書き記しておきたい。
今年もなかなか厳しい一年だった。
何が厳しいかって、一番は「モチベーションを維持し続けること」がだ。
ワクチンの完成・普及を待ちながら、少しずつコロナとの付き合いかたも見えてきて、普段通りとはいかないまでも人員制限や換気対策など施しながら、ライブや教室も開催できるようになってきた。しかし、観客も教室参加者も、そして出演の機会も、元どおりの数には戻らない。
まだ、時間もかかるだろうし、人も仕事も来てくれるように、今後あらたに、さらに「努力」を積まなければならないだろう。
2000年に「演奏家」として身を立てようと決意し活動を開始してから、20年という節目を越えた。
我が師匠は未だバリバリの現役で、今年演奏活動50年を突破した。すでに超人の域だ(笑)。
弟子である以上、師匠と同等、あるいはそれ以上の高みを目指して精進していくべきと思うものの、正直いつまでやれるものか…折り返しはすでに見えている。
自分は[太鼓奏者]であり、また[大太鼓打ち]だと思っている。いろいろなスタイルで演奏するが、やはり大太鼓、特に独奏で大太鼓に向かうときは、特別なスイッチが入る。
『世界に冠たる大太鼓打ちになりたい』
20年前からずっと持ち続けている目標だ。
話は変わるが…
太鼓、特にくり抜き胴の太鼓は、サイズが大きくなればなるほど皮が厚くなる。
皮が厚いほど、強い張力で張らないと音が出ない。したがって、新品の大太鼓の皮面はまるで板のようで、これを深みのある低音に加え大音量から微弱音まで思い通りの音を放つように皮を「育てる」のには、相当な時間がかかる。いま自分が所有している2尺6寸の大太鼓も、良い感じの音が出るようになるまで10年近くかかった。
…活動歴20年を越え、演奏家として今後歩んでゆく道のりを思った時、[独奏者][大太鼓打ち」として、もう一段高みを目指したい!という気持ちが強く芽生えた。
しかしコロナで演奏機会もろくになく、日々心の何処かにわだかまりを抱えながら太鼓に向う。
折り返し、躍進、モチベーション、選手生命、転機…様々なワードが頭を巡る。
そしてある日、「今こそ新たな “相棒=ひとまわり大きな大太鼓” を迎え入れる時だ!」と、確信してしまったのだ。
楽器との出会いも一期一会。
思い立って今年の年明け早々から楽器探しに動き出したのだが・・・
(つづく)
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この度、「日本刀×和太鼓×Breath」のユニット『錬磨〜RENMA』を結成、活動始動しました。
俳優であり日本刀アーティストとして活動する「市瀬秀和」、自らのプレイを[Breath]と称し活動するヴォイスパーカッショニスト「MaL」、そして和太鼓「はせみきた」。
10年近く前から交流はあり、市瀬ーMaL/MaLーはせ/はせー市瀬の共演はありながら、3人揃って舞台に立つ機会はこれまでなく、「いつかやりたいね」と言っていた構想が今回ついに実現。これからはユニット『錬磨』として、海外も視野に活動を展開していく。
我々3人のパフォーマンスは、決して「器用」ではない。
太鼓もBreathも、基本メロディは生まないし、太鼓は図体も音もバカでかい。日本刀に至っては、言わずもがな「危険」とみられ現場に持ち込むことすら簡単では無い。
しかし、我々3人だから生まれる、いやこの3人でしか生み出せない世界が、あるのだ。
ワイヤーやCGを多用したアクションは派手だし、デジタル化した音をいじれば音量も音色も自由自在、空間の使い方も自由度が増し、配信にはもってこいだ。
でも、「生身の音」「本物」だからこそ醸し出す緊張感や空気感、奥深さと言うものが、必ずある。それを、生の舞台ではもちろん、配信というツールを通しても伝わる作品を作ろうというのが、我々の目指すところだ。
MaL氏とは、「音を発する」ということに関して各々が大切にしている「こだわり」に、多くの共通するポイントがあることに気づく。体のどこから音を生み出すのか、リズムのアタック音だけでなく、そのあとの「響き」をどうコントロールするかなど…。日本のヴォイスパーカッションの水準はアジアで群を抜いて高いそうだが、その中でもMaL氏のパフォーマンスには、日本人ならではのスピリットを強く感じる。
『錬磨』ミーティングの際の市瀬氏の口癖は「刀が主役」。刀が歌い、舞う。そんなライブをやりたい、と言うのだ。
そして市瀬氏とは「師匠ばなし」で花が咲く。師匠のすごいところ、ちょいとやっかいなところ、おちゃめなところ、そして「追いつけない」ところ…。こんな話で盛り上がってると「羨ましい」とぼやくMaL氏。なるほど。師匠と呼べる人がいることのありがたみに、あらためて気づく。
我々3人が個々に錬り上げ、磨き上げてきた技術・表現というのは、表面的な音や動きに表れるものとはちょっと違う気がする。余韻や振動、無音あるいは静止した空気にこそ表れるように思う。それらを、どうやって「作品」の中に落とし込んでいくか。そしてその作品を、どうやったら生の舞台だけでなく「配信」という形でもきちんと「伝わる」ものにできるか…。
そこが大きな課題だ。
『錬磨』の初陣公演は11月12日、品川の「クラブex」にて、配信向けの収録ライブ、と言う形で幕を開けた。
コロナ禍の中、限られた日数での音楽製作/立ち回り付け/稽古を経て、前日に劇場入り。
円形のステージを囲む物々しい音響・照明・撮影機材。いつもと違う衣装を着込み、イヤモニターをつける。
主役は一振りの刀。その刀の息遣いを、律動を、声を、3人で表現する。
本番は、あっという間に終わった。これでもかという濃密な時間だった。
ここからは映像編集に委ね、配信を待つ。
ライブ(収録)を終えての充実感は、ハンパない。どんな映像に仕上がるか、ドキドキとワクワクが止まらない。
近日中に配信スケジュール等の情報を発信できると思います。どうぞ、ご期待くださいませ。
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家の庭の蜜柑の木は鈴なりに実をつけ(摘果をサボったので不適切に鈴なり 苦笑)、徐々に黄みがかってきている。朝晩の冷気が心地よい。
さて、例によってひさびさの投稿となってしまったが、人前での演奏の方も随分とご無沙汰しており、、、
昨日、実に7週間ぶりのステージに立った。
我が街、裾野市の「市制施行50周年」の記念式典での、大太鼓独奏。
朝からホールに搬入し、楽器を組み引枠(移動式ミニ舞台のようなもの)を組み照明/進行等各セクションと打ち合わせののちリハーサル。お弁当をいただき衣装に着替え舞台袖にスタンバイ、出番を待つ。
薄暗い舞台袖、吊りものを上下させる綱元。上を見ると照明や幕のさらにずっと上方まで続く漆黒の闇。ホールに響く音が少しくぐもって聞こえる。音を立てずにジャンプ、全身をほぐし呼吸を意識する。目を閉じる。気持ちが昂ぶる・鎮める、の繰り返し。そして…。
この一連の流れ、動き、景色、匂い。
誠に変な言い回しかもしれないが、俺は「これが好きなのだ」と心から思った。
表舞台に出て照明を浴び持てる力を全て使って勝負する時間ももちろん好きだが、そこに至るまでのこの時間は「俺だけのもの」。
まずまずの良い演奏ができたと思う。
感謝。
(裾野市が誇る「五竜の滝」写真右にもう2つある)
−−−−−先日、ある地方プロレスの巡業に72時間密着するドキュメンタリーがアンコール放送されていた。
朝一番のリングや会場の設営から試合、バラシ、次の巡業地への車移動まで全てをレスラー・スタッフ皆が「一座」として行う。朝から晩まで働きっぱなし。超重労働。おまけに儲からない。興行では食っていけないので皆生活していくための「日常の顔」があり、巡業が終わればそこへと戻っていく。それでも「リングに取り憑かれた」彼らはまたリングを組み、ロープを張る。そこが彼らの『居場所』だから−−−−−
状況は刻一刻と変わり、先の見通しは未だ立てられないが、
『居場所』を求め、作り、守るため、元気に前向きに、やっていきます!
近々新しい情報発信ができると思いますので、お楽しみに。
ところで、気づいた方はいるだろうか?
楽器が、以前と変わっていることに。
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昨日9月3日、ようやっと、ワクチン1回目の摂取完了。
一夜明けて軽く腕の痛みを覚え、時間とともに痛みが増しているような気がする。人によっていろんな副反応があるようですな。痛みが早めに引いてくれると良いのだが。
さて、9月に入り目に見えて夜が涼しくなった。
寝苦しい夏の夜はしんどかったが、こうもあっけなく変化してしまうと、置いてけぼりにされたようでなんだか寂しい。
静岡にも緊急事態宣言がやってきて、また一つ気持ちが重くなった夏でもあったが、振り返ってみればありがたいことに、そこそこに忙しく、そして濃密な時間を過ごさせていただいていたと思う。
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スタートは、7月17日日比谷野外音楽堂「真夏の夜のフラメンコ」。
過去にゲスト出演させていただき、スペイン公演にもご一緒させていただいた「小松原庸子スペイン舞踊団」の公演。今回は風雲の会としてゲストで呼んでいただいた。
お互い「レジェンド」と呼ばれる偉大な、キョーレツな師匠(笑)を持つ弟子という共通点で、小松原先生のところのお弟子さん達にはミョーな親近感を覚える。
仕込み/リハから暑い暑い。そして踊りが、音楽が、熱い!!とにかく、魂に直接訴えかけてくるのだ。コロナ禍での公演開催は、想像を超える苦労と不安があったに違いない。けれどあの日日比谷野音は、客席もステージも、音楽と踊りなくしては生きていられない、何にも変えがたい「愛するもの」を求めてやまない人たちが集っていた。そんな全てを背負ってステージに立った、御年80歳を超える小松原先生のダンスは、言葉では言い表せない凄みを感じた。参加させていただけたことに、感謝。
日比谷の公演を終え、新幹線に飛び乗り一路北陸へ。翌日は「白山国際太鼓エクスタジア2021」。
現在の「創作和太鼓」の隆盛、そして「和太鼓ショービジネス」の発展の、裏方としての最功労者の一人「浅野太鼓文化研究所」の理事長・浅野昭利さんの、渾身のプロデュース。「鼓童」と「林英哲」を、一度のコンサートで鑑賞できるという滅多にないであろうステージを見られたお客様方は、それぞれの目指す方向、カラーの違いをどのように受け取ったのだろうか。演じ手としてはとても興味深い点だ。
静岡に戻り27日は熱海起雲閣で「独奏ライブ」敢行。8月1日の静岡市グランシップ「音楽の広場021」は、中止となった(この辺りは前回の稿で書いたのでそちらを参照されたし)。
8月7日は東京国立劇場「日本の太鼓」。
ありがたいことに幾度となく出演させていただいている国立劇場の特別企画公演「日本の太鼓」。今回は特に記憶に残る公演となった。
出演予定だった「浦浜念仏剣舞」と「行山流水戸辺鹿子踊」が、コロナ感染拡大の影響から直前に出演を辞退された。東北の地からいま東京に出てくることの難しさ、そして地元を愛するが故の苦渋の決断であったはず。そのため急遽「映像紹介」となり、結果的に出演は「林英哲&英哲風雲の会」のみとなった。
我々のステージは「レオナール、われに羽賜べ」。約15年ぶりにマリンバ・新谷祥子さんがゲストで参加。通常の英哲公演とは趣を変え、国立劇場スタッフによる舞台美術・照明演出も加わり、何度もご覧いただいているファンの方にとっては一味違う「レオナール」をご鑑賞いただけたのではないかと思う。第一部の、英哲師匠による太鼓文化の歴史の変遷を風雲メンバーの実演を交えて解説したコーナーも、予想以上に好評だったようで一安心。こちらも15年ぶりの作品参加となったズミ氏(風雲の会・小泉謙一)は、かなりプレッシャーを感じながら緊張して本番に臨んだらしいが、終演後はとても晴れやかな顔で「参加できてよかった!」と言っていた。終演後、偶然の流れで我がハイエース君に師匠を乗せ、ご自宅までお送りしたのだが、その車中でとても大切な、深いお話をいろいろし、率直な自分の思いなども聞いていただいた。なん年後かに、この日の車中での会話を振り返る時が来る、かも知れない…。
締めくくりは、8月22日七ヶ浜国際村「林英哲2021 in七ヶ浜」。
七ヶ浜国際村は、大好きな場所の一つ。
2002年、師匠の美術家シリーズ作品の一つ『若冲の翼』に初めて参加させていただいたのがこの劇場で、めちゃくちゃ緊張していたのをはっきり覚えている。当時公演の第一部のゲストだった津軽三味線・木乃下真市さんや尺八・土井啓輔さんとのアンサンブルにも初めて加わり、その圧倒的な音の存在感、そして決して予定調和に収まらない真剣勝負のやりとり・その場の音楽が生きもののようにうねる感じを目の当たりにし、衝撃だった。
ここのホールは舞台後方がガラス張りになっており、その向こうに雄大な海が広がっている(海をバックに演奏する、という演出ができる)。そして屋外に幻想的な「水上舞台」的な円形劇場があって、いつかここで公演をしてみたい!という夢を、今でも持ち続けている。
今年3月の「プレ公演」を経て、待ちに待った50周年anniversaryの本公演。今回も客席数を半分に減らしての開催となってしまったが、我々の一挙手一投足を見逃すまい、聴き逃すまいというようなピンと張りつめた空気が漂っていて、いつも以上に我々も各楽曲・作品の世界に没頭したように思う。あっという間の2時間。カーテンコールでは熱のこもった拍手を浴び、胸が熱くなった。
(コロナのためグッズ販売・サイン会が行われない代わりに、主催の計らいにより会場は特製のパネル等で飾られていて、記念に写真を撮っていくお客様も少なくなかったようだ。こういう心配り、素晴らしい!)
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8月15日に予定していた、リバティーリゾート久能山での「投げ銭ライブ」は中止。9月にお声がけいただいていた、佐藤正治さん(パーカッション・ドラム)との共演も、イベントが中止。10月の学校公演も、中止の連絡が来た。
暑い熱い夏が終わり、寂しい秋が訪れる。
状況はまだまだ、いや益々厳しい。
本当に一つ一つの公演・イベントが「次はないかもしれない」と思えてきて、終わって振り返るとどれもたまらなく貴重で、貴い時間だったなあと思う。
気持ちを途切れさせず、次の目標に向かって前向きに進んでいくことが簡単でない今日この頃ではあるが、音楽が、太鼓がなくては生きていられない人が、自分を含めて世の中には必ずいる!そしてわずかでも「はせみきたの太鼓」を求めてくれる人がいることを信じ、次のステージで「よかった」「進化した」と言ってもらえるよう、腕を曲を磨いていこう、と心に念じ、注射の腕の痛みが早く引くことを願いながらキーボードを打っている、次第。
はせ みきた
【全国どこへでも伺います】解説!はせみきたの和太鼓[訪問公演]
https://mbp-japan.com/shizuoka/hasemikita-wadaiko/column/5093386/
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この数週間の、めまぐるしい世の中の動き。
心が、おっついていない感がある。
オリンピックが、開催の賛否についての論が喧々囂々と渦巻く中、はじまった。
アスリートの全身全霊をかけた挑戦に、多くの感動・ドラマが生まれた。
コロナの感染が、一気に、爆発的に拡大した。
先月中ごろの週末の人の動きを思い起こせば、当然の結果と思う。ただ、オリンピック〜お盆を経て今後、この拡大がどのくらい進行するのか、それとも収まりを見せるのか、予想がつかない。
そして、豪雨。
九州・中国地方にとどまらず、各地に被害が拡大している。昨今はしょっちゅう「記録史上最大の雨量」とか「過去に経験したことのない危険」という言葉が飛び交う。7月の熱海のこともあり「明日は我が身」と、緊張感のような諦めのような、なんとも言い難い心境になるのは自分だけだろうか。
太鼓演奏(しかも独奏)というニッチな稼業。
大きな流行の主流になることはまずない分野。逆にどんな状況下でも一定のコアなファンの方がいたり、わずかな需要に支えられて、かろうじてでも食いつないでくることができた。そして楽器の特性として、祝いの場にも相応しく、人を励ます力も持ち、神仏とのつながりや人の世を超越した世界との交信にも用いられる楽器だけに、様々なシチュエーションにおいて「役割」を得られることができ、流行・景気・社会情勢/風潮に多少は左右されつつも、なんらかの「仕事」をいただき、あるいは生み出してくることができた。
この数週間、『仕事』ということについて考え、想いを逡巡する日々が続いている。
8月1日の静岡グランシップでの[音楽の広場]は、昨年開催されるはずだった内容がコロナの影響を受け延期となり、1年越しの多くの人の思いが募ったかたちで「今年こそ」という思いでリハを重ね、当日現場に入ったところで、2百人近い出演者の中の一人が発熱、中止となった。誰も悪いわけではない。主催サイドにしても発熱した人にしても、身を切る思いでいたはずだ。残念無念の思いに打ちひしがれながら、皆会場を後にした。
そのまえの7月27日、自身の「独奏ライブ」は、会場が熱海の起雲閣。先の豪雨で同市内の伊豆山地区で土石流が発生し、多くの犠牲・損害が生まれた。このタイミングで公演を行ってよいものか悩んだが、地元の協力者とも相談した上で開催した。せめてもの思いから、チケット収入の一部を、応援金として市に寄付した。
開催にあたっては、オリンピック男子柔道の大野将平選手のことば「我々(アスリート)の姿を見て、何か心が動く瞬間があれば本当に光栄に思う」という言葉に強く共感し、背中を押された気がする。
そしてオリンピックは閉幕。その瞬間から感染急拡大のニュース一色となり、ついに静岡県にも蔓延防止措置の波が。軒並み飲食店は時短を余儀なくされ、公共の施設までが夜の時短利用を要請(首都圏は前からそうだったと初めて知る。未だに意味がわからない)してきて、沼津・静岡の教室は通常開催を断念。8月15日に予定していた「リバティーリゾート」での投げ銭ライブも、中止とした。
「仕事がない、仕事ができない」
もちろん仕事から得る報酬がなくなることによる「生活への不安」つまり経済的打撃は、大きい。自転車操業の身としては、いよいよ行政の支援金に頼ることとなり、慌てて書類を作成し申請した。
でもそれ以上に、「仕事がない、仕事ができない」ということへの心的ダメージが、とても大きい。
仕事というのは、生活の糧を得るだけでなく、自己表現であり、社会との接点であるのだということを、痛感している。仕事ができないこの状況は、自分がこの世に存在している意味があるんだろうか?という問いと戦う時間にもなりうる。多くの飲食店、仕事をさせてもらえない「仕事が生きがい」の人々が、まさに今この現状と、自分の心と戦っている最中なんだということが、我が事として感じられるようになった。
人と会えない、集まってはいけない、人を集めてはいけないという今の状況は、我々の家業にとって致命的だ。演奏を見てもらえない、稽古できない、教えられない、仲間との作品作りができない。オンライン/配信などの新たな挑戦ももちろん試みてはいるが、やはり一番に望むのは、一刻も早くこの爆発的な感染拡大を止め、みなが個々に気をつけながら、決して油断できないこのウイルスとうまく付き合いつつ、人と会い、集い、社会の一員としての自分の居場所を感じることができる環境を、協力して作っていくことだと思う。
時折猛烈な勢いで屋根を叩きつける雨音を聞きながら、仕事ができることのありがたさ、仕事ができないことの苦しさ、仕事を生み出すことの難しさに思いを馳せている。
みなさん、どうぞご自愛を。
はせ みきた
【全国どこへでも伺います】解説!はせみきたの和太鼓[訪問公演]
https://mbp-japan.com/shizuoka/hasemikita-wadaiko/column/5093386/
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異常に早い梅雨入り宣言が出てから
ずっと晴天が続き今年も空梅雨かなと思っていたら
信じられないほどの豪雨が訪れ、局地的にあちこちで被害が発生。
沼津で広範囲の浸水が発生、生まれ育った家の近所の橋が折れ、熱海では土砂崩れで甚大な被害が。
被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。
いつ何時にやってくるかわからない災害。普段からの備え(心も含め)がいかに大事かを痛感する。
今月末、本当に久しぶりとなる、室内でのライブが予定されている。
「はせみきた」名義での屋内でのライブは、昨年の2月15日からのおよそ1年半ぶりだ。
奇しくも開催地は、熱海である。
こんなタイミングでライブやっていいものか…という迷いも生じたが、災害発生前からチケット販売を始めており、地元の協力者の方とも相談して、同じ市内でも災害現場からは距離があり大きな混乱・危険もないだろうということで、予定通り行うこととした。
ご縁から、せっかくいただいた機会である。精一杯心を込めて演奏し、来ていただいた方達に満足してもらえるようつとめようと思う。せめてもの気持ちとして、チケット売り上げの一部を被災した方々への寄付に当てようと思っている。
新しい演目も創作中だ。コロナ対策のため限定40席の小規模ライブなので、チケットお求めはお早めに。
「はせみきた 和太鼓独奏ライブ」
7月27日(火) 13:30開場/14:00開演
熱海起雲閣 音楽サロン(熱海市昭和町4-2)
全席自由 前売り3000円/当日3500円 ※限定40席
お問い合わせ:成瀬
090-1041-7064 / narumistad295@gmail.com
詳細は はせみきた公式HP
(ライブに向けての稽古風景。手前は新演目用のセット)
]]>ネタがなかったわけではないのだが、なんとなく遠ざかってしまい…
…コロナのせいにしちゃいけませんな。はい、単なる持ち前のズボラでございます。
しかし気がつけば2021年すでに半年が経過。
こりゃやばいぜ!というわけで、後半気持ちを入れ替えてスタートさせようと筆をとった、いやPCに向かった次第。
(チャンネルをひねる/ダイヤル回すに等しく、筆をとるも死語に近いな…)
コロナ禍、厳しい状況はあまり変わりはしないが、少しずつ、歩みは進めてます。
◆太鼓教室UTSU-LA(ウツラ)
春から静岡市内の「リバティーリゾート久能山」にて新たに静岡教室をスタート。
ぼちぼち参加生徒さんも集まってくれ、好調なスタート。沼津/三島教室も新たな顔ぶれが加わり、活気にわいている。嬉しいことだ。
◆稽古場脇の自作倉庫
旧稽古場の廃材を利用して自力で建設していた倉庫。梅雨に入る前になんとか形にしなければ!と急ピッチで作業を進め、一応ハコの形にはなり雨風凌げるようになった。まだ壁面のペンキ塗りと倉庫内の棚つけ等残っているが、街中に借りてた倉庫から荷物も移し変えてひとまず安心。
そして6月は久々の大きな舞台にも立つことができた。
青森県むつ市で行われた朗読劇『北の慟哭』に演奏で参加。
プロデューサー・伊世憲造さんとのご縁をいただき、むつ市の英雄・柴五郎が生きた明治維新〜昭和の歴史を[詠み語り]で紡ぎだす舞台。主演に大和田伸也さん、ナレーションにあの加賀美幸子さんという豪華な顔ぶれ。伊世さんの故郷の同級生が脚本を手がけ、これまた同級生が地元での開催のための運営組織をバックアップという、まさに「故郷に錦を飾る」一大プロジェクト。伊世さんらの熱い想いと、地元を愛する次世代(自分と同世代)の方達のパワーが集結して、素晴らしい環境で公演をさせてもらうことができた。出演者が顔を合わせての稽古は前日のみというスリリングな現場だったが、それゆえの緊張感と集中力が良い方向に働いたのではないかと思う。とても貴重な経験をさせていただけた。
しかし、下北半島を駆け上がり本州最北端まであとわずか…という現地までの往復2000kmの運転一人旅は、さすがにキツかった 苦笑(楽しかったけどね)。
そして月末には、半年ぶりの英哲フルコンサート。
昨年11月の長岡以来だ。いやあ、燃えた燃えた!
昭和女子大の学生さんたち向けのコンサートで、コロナ禍なので来場者は少なく配信での鑑賞者がほとんどだったが、音の良いホールで、いつもの最強スタッフによる照明・音響に支えられながらのコンサートに、心躍る気持ちだった。今年3月の、サントリーホールでの師匠の独奏公演、あのとき見せつけられたどこまでも「うたう太鼓」「奏でる太鼓」を、どうサポートできるか…これからはもっともっとそこに注力していかなければと思う。今回自分の仕事がどうだったかは本番必死で冷静に振り替えられないが、師匠は相変わらず、極上のパフォーマンスでうたい、奏で、躍っていた。
さあ、夏が近づいてくる。
少しずつだが、公演の仕事も入ってきている。2021後半、勢いに乗って、歩みを進めていこう!
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この時期、毎年こんなに風強かったっけ??
全身かじかむような寒風だったり異様に早い春一番のようだったり、もう何が何だかわからない感じだがいずれにせよ、屋外でしかも高所で作業しようとするときにこの強風はヤバすぎる。
ここ最近は稽古と並行していろいろな工作・大工仕事に耽っている日々であるが、それについてはまたの機会にご紹介したいと思いつつ、
今回は表題の通り、「偉大なる二人の “Hayashi”」にまつわるお話をば。
一人目は「ピアニスト・作曲家 林正樹」
出会ったのは、たしか「かりん(二五絃箏・うた)」のデビューアルバムのレコーディング現場だった。アレンジャー/アドバイザー的な立場でその場にいた彼は、物腰はとても柔らかく穏やかだが、音楽に対する要求は遠慮なく容赦なくという感じで、「この人なんかスゲーな」と思いつつかなり面食らった記憶がある。
その後回数はさほど多くないがライブ/コンサートで共演させていただき、毎回それはそれは濃厚な「おとうみ」の時間、自分にとっては非常に貴い修練の時間となった。
彼と仕事をする上で、自分の中で決めていることがある。
音作りの作業の中で、「太鼓のプレイ」について彼が提案してくるものについては、どんなに疑問を感じようと面倒であろうと至難の業であろうと「とにかくやってみる」。
あるとき「あ、このひとには俺に見えてない音楽が見えている、俺に聴こえていない音が聴こえている。」と確信した時があった。それからは、言われたらまずやってみる。そうするとだいたい、それまで気づかなかった新鮮な何かが、生まれるのである。ピアノと太鼓が融合する、ピアノを下支えしてるだけのはずなのに、太鼓がより引き立って感じる…そういう実体験が一度ならず何度かあるので、全幅の信頼があるのだ。
そんなわけで、今回のレコーディングの現場も、ざっくりとしたシーンの説明、林さんがイメージする音色などの最小限の情報だけを聞いて、現場に持ち込む楽器はじっくり吟味して、あとは現場で林さんに好きなように料理してもらおうという気持ちで臨んだ。
現場というのは、西川美和監督、役所広司主演、の映画「すばらしき世界」(2月11日上演開始)。
この映画全体の音楽を担当したのが林正樹さんで、彼からお声がけいただき自分も2曲ほど参加させていただいた。
先日、公開が始まった作品を劇場で観た。大好きな一本となった。ほんとうに素晴らしい作品だった。
とにかく多くの方に観て欲しい。そして音楽にも注目していただきたい。
この映画のサントラを聴いていると、日常の何気ない風景、行為、他愛ない出来事がたまらなく愛おしく、美しく、ドラマチックに思えてくるから不思議なものだ。これこそがこの映画を介して林正樹が音楽に込めたメッセージなのかも知れない…などと勝手に思っている。
こんな素敵な作品に関わらせていただけたこと、心から光栄に思います。
二人目は、そう、我が師匠「太鼓奏者 林英哲」
いきなり話が横に逸れるが、ここ最近 司馬遼太郎の「空海の風景」を読んでいるのだが、しばしばというか割と頻繁に、司馬小説に描かれている空海と師匠が、ダブってみえる。
著書「あしたの太鼓打ちへ」を読み衝撃を受けて初めて師匠の元を訪ねたのが28年前。「英哲風雲の会」メンバーとなり共に舞台に立たせてもらうようになって20年。思えば長い年月が過ぎた。
当たり前に、自分も師匠も歳をとった。でも、目の前にいる林英哲はいまもなお鉄人であり、哲人であり続ける。
演奏活動50年、ソロ活動40年という節目を迎える今年来年、そのメモリアル公演の皮切りが、きたる3月17日サントリーホールで行われる。
「独奏の宴 - 絶世の未来へ」
この公演に寄せた師匠のメッセージが、オフィシャルサイトやチラシで紹介されている。チラシには、師匠の公演としては珍しく当日の演目がうたってある。知ってるタイトル、「あの曲かな」と思わせるタイトル、まったく初見のタイトル…自分だけかも知れないが、このセットリストを見てるだけでドキドキしてくる。
いったい、どんな「独奏の宴」を繰り広げるのか。
そばについていると、時には軽口の合間に、よる年波を嘆いて弱音めいた言葉を漏らしたりもするが、その度舞台での鬼神の如き暴れぶりに「騙された」と舌打ちし苦笑いしている。おそらくファンの方々の中にも似たような思いで舞台上の林英哲を見守っている方はおられると思うが、今回はこれまで以上に「お互い」真剣勝負でのぞむ場になるのではないか、と思っている。
偉大なる二人の “Hayashi”。
樹海のごとくどこまでも深く謎めいた、この二人の生み出す音の世界に浸る幸せよ。
渾身のリスペクトを込めて。
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SNSからの誘導に何気なくつられていらした方、
たまたま辿り着いた、レアな一見様、
本年も、はせみきた へのご声援を、なにとぞ宜しくお願い申し上げます!
コロナウイルスの蔓延は未だ歯止めが効かず、大半の業種が苦難にあえいでいる状況。
御多分に洩れず、というか我々のように「娯楽の領域」に属している分野は自粛の筆頭に挙げられるのは致し方なく、閑古鳥も飽き飽きして欠伸しているような毎日ではありますが、
厳しいのは自分だけじゃない!
やれること、やるべきことを見つけて、自他に向けて「明日への活力」となるカケラを、僅かでも生み出せるような発信・活動を続けて行く所存であります。なにとぞ、ご贔屓のほどを。
さて、例年にないほど好天が続いた年末年始。
毎年恒例の元旦「新春ライブ」も、英哲師匠の大阪公演も無くなってしまったので、何年ぶりか記憶にないほど久しぶりにのんびり過ごした。
三が日含めほぼ毎日欠かすことなく稽古場に通い、倉庫建築やら楽器のメンテやらの作業とともに『秘密の特訓』稽古に勤しんでいる。特訓の効果が現れるのは何ヶ月後か、何年後か…お楽しみに。
「今年はこれをやる」といった、皆さんの目に見えるような目標・計画を立てづらい本年であるが、これだけは公言しておこうと思う。
大太鼓の打ち手として、大きく前進する。
40代の半ばとなり、いろんな意味でピークないし折り返し地点にいるように思う。
新しいことを身につけるにも、体をつくるにも、時間を要するようになって来た。
太鼓打ちとして極めたいことは山ほどあるが、その中でもやはり「大太鼓」は、我がスタイルの柱として、もっともっと太く、揺るぎなく、輝くものにしたい。
腕も、体も、楽器も。
そのために、惜しみなく精力を注ぎ込む。
再び大手を振って舞台で演奏できる日が来た時に、刮目に値するものをお見せできるように。
昨年末から人や作品などとのいろいろな出会いがあり、そこから今後の活動への発想がポコポコと湧き上がって来ている。新しい表現の場、指導の場を生み出せるチャンスが手に届きそうな距離にいくつも垣間見れている。これを掴み取れるかどうか…!
ブログも、月2〜3は更新していかないとね(汗)。。。
元稽古場の廃材を活用しての自作倉庫、基礎工事が間も無く完成。
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来たる年始は恒例の元旦サントムーンも3日の英哲大阪公演もなく、久しぶりに自宅でゆっくり過ごす正月になりそうだ。嬉しいやら寂しいやら。
さて、師走に入って2つの学校での公演の機会をいただいた。
一つは沼津の公立小学校。4年生対象の芸術鑑賞教室。
実は自分の生徒さんがこの学校で教員をやっており、授業で拙作の『興郷楽』を題材に太鼓に取り組んでいるということで、いつもの演奏や太鼓に関するレクチャーに加え、子ども達の演奏も披露してもらった。学校に太鼓が7〜8基あり、さらに音楽室の椅子でもある大量のカホンや鍵盤ハーモニカも駆使してのクラス大合奏。独自の工夫もあり、曲を自分たちのものにしてくれているのが伝わって着て、すごく嬉しかった。子ども達が無心にいきいきと太鼓に打ち込む姿は本当に胸を打つ。搬入出もみんなで手伝ってくれた。大量にサインを求められた。そういえばサイン書いたの、めっちゃ久しぶりだ(笑)。
もう一つは静岡市のフリースクール。学内のカフェで、席の間隔をあけ換気をしながら、高校生達50名ほどを前に演奏。
この公演は、県内の大企業・みなさんご存知の「シーチキン」で有名なはごろもフーズさんが、コロナ禍で活動の場を失い厳しい状況に置かれている演奏家を支援し、様々な学校行事が中止になる中 子ども達に思い出に残る「イベント」を提供しようとの粋な計らいにより実現したもの。プロデュースを務めさせてもらっている「平山佐知子とつくる音楽祭」のご縁で、平山さんが司会、そして本当は今年の音楽祭(来年に見送り)に出演する予定だった県内出身の若手津軽三味線奏者・大塚ハレルヤ君と自分で「和の音」を届けるプチ演奏会となった。
生徒さん達は非常に熱心に演奏に耳を傾け、楽器の話や演奏家のトークも頷きながら聞いてくれていた。ハレルヤ君とは初共演。夏の朱鷺たたらさんのレコーディング以降、他の楽器と音を重ねるのは久しぶりだったので、楽しいのなんの。ハレルヤ君は瑞々しいフレッシュな部分と、二十歳とは思えぬ安定した曲弾き、そして自分の言葉で一生懸命語る姿がとても好印象だった。あっという間の1時間だった。
(公演後、平山さんハレルヤ君と)
今年は演奏機会が本当に少なかった分、一回一回の密度がすごく濃く感じた。
お客さんに演奏を聴いてもらうこと、誰かと共演すること、スタッフや主催者と協力しながら演奏の場を作り出すこと…これまで日常のようにしてきたことの尊さを実感した。
呼んでくださった学校に、後押ししてくださった企業さん・助成してくれた行政/財団に、開催に向け尽力くださった関係者の皆さんに、音楽と場を共有した全ての仲間・お客様・生徒さん達に、心から御礼申し上げる。
(いくつかのメディアが、2つの公演を取り上げ報道してくれました。こちらも感謝)
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優秀なスタッフと、
開催に向け関わってくれた全ての人そしてご来場くださった皆様の温かい思いに支えられ、
「海っ端Live」
心から 良かった と思える催しになった。
助成金の申請、海岸占用の申請、会場設営のための杭打ち・ロープ張り、連日の天気予報とのにらめっこ…
これまでにない手続き、作業。事前の準備は正直大変だったが、お得てみれば全て報われ、それ以上のものを得られたという実感だ。
本当に気持ち良く、演奏できた。
波音を聞きながら、刻々と変化する空を眺めながら、それらと戯れながら、
海に 風に 自分のおとを溶け込ませていく…
潮が引くようにスーッとディミニエンドしていくと波音や鳥のさえずりが体を包み込む。
そんな感覚を皆で共有することを心がけて演奏した。
周囲で遊ぶ子ども達の歓声、遠くで練習している管楽器の音も、素敵な効果音だ。
ふと、出身中学の校歌が脳裏に浮かんだ。
「見よ大空に 富士冴えて」「新しき世を我らつくらん」「友よ立てよ 力信じて」「幸あれ 大岡中学校」
大太鼓曲の冒頭と結びに、これを歌った(太鼓で)。
当日大阪から、NOROSHI FILMのMasaさんとEijiroさんが撮影に来てくれた。
この一週間で、急ピッチで編集を進めてくれ、先日11/15から、無事映像作品の配信を始めることができた。
こちらの完成度が、ハンパない!
出会って間も無い二人だが、こちらの意図をしっかりと汲んでくれ、さらに独自のセンスとひらめきも加えて細部までこだわった作品に仕上げてくれた。
ぜひ皆さんに、ご覧いただきたい。
映像について 詳しくは こちら
ライブ当日、2度目の公演を終えて猛ダッシュで撤収作業にあたり、なんとか滑り込みセーフで全ての積み込みを終えて振り返った時の夕焼けの美しさ!
太鼓の神様に「今日1日、どうもありがとう!」と、心からお礼を言った。
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フルサイズのコンサートは、なんと10ヶ月ぶり!
いやあ、燃えた燃えた!
最近ようやくホールでの公演も客席をフルに使えるように変わってきているが、長岡公演は安全を考慮して集客数を減らし、一席ずつ空けての開催。チケットは完売。
演者の我々も「待ちに待った」日であったが、お客様にとっても「待ってました!」という空気が会場に漂っていて、大きな拍手・声援で盛り上げてくれた。師匠も大ハッスル。演者・スタッフ一同まさに全身全霊を込め「仕事」をした。
主催者はじめ演者・スタッフ・お手伝いさん・そしてお客様皆が感染対策に努め、一堂に会するというのは本当に大変なことなのだと、あらためて痛感すると同時に、今まで以上に「一体感」を感じることができた気がする。
生演奏。生の舞台。やっぱりいいもんだ!!
さて、今度の週末は、我が自主企画「海っ端Live」だ。
10月の「太鼓リレーマラソンに」続き野外でのお天気頼みの企画(笑)。
今回は、晴天に恵まれそうだ。
静岡県の文化推進事業「ふじのくに#エールアートプロジェクト」に助成金応募する上で、
「野外なら感染リスクを低く抑えられるじゃないか」
「どうせなら、普段味わえないような雄大な自然をバックにやれないか」
という発想から、今回の企画を立ち上げた。
うまく言えないが、とにかく「コロナだから屋外で」というマイナス思考でなく、「こんな素敵なシチュエーションで太鼓を楽しめるんだ」というプラス思考で皆さんにお越しいただきたいという思いと、自分にとっての「ライブ活動再開の出発地」は、やはり沼津だろうという思いで、千本浜に決めた。
ここには、特別な思い入れもある。(その辺は当日MCでしゃべろうかな)
おかげさまで、午前の部はほぼ予約でいっぱい、午後はまだ空きがあるようだ。
海風は弱くとも長時間当たっていると体温を奪われるので、防風防寒対策はお忘れなく。
会場はイス等の用意もないので、ちょっとしたクッションやタオルなどのご用意もおすすめします。
演奏も前準備も、ホールでやるのとは違った大変さと面白さがある。
それらすべてを、楽しもう!
ご予約はお早めに。
皆様と、海辺でお会いするのを楽しみにしています。
後日映像配信もしますので、遠方の方はぜひご覧ください。
ライブ・配信の詳細は こちら
PR動画をYoutubeにアップしてます。
ただの「おもしろ動画」みたいになっちゃいましたが(苦笑)。
https://www.youtube.com/watch?v=y44Lj53wHf8
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(前日まで)
台風14号の接近・通過のため、開催は絶望的だった。
東京など遠方から来る人、今回初めて会う人もいる。来て「なにもなし」は申し訳なさすぎる。稽古場の中ででもとも思うが、コロナで3密を避けよと叫ばれてる中、大勢でやるのは絶対的に不可能だ。頭で考えがまとまらぬまま、このままやる・やらないの連絡を引っ張るのは苦しすぎた。参加を表明してくれていたほとんどの人に「中止」の連絡を入れた。
(当日朝)
本格的に雨。
夜になってから天気が回復しそうな予報が出ている。
舞台、食料、配信機材…全て揃っている。ここまで準備してきて、何もしないのは辛すぎる。せめて「残念ライブ配信」だけでもやりたい!という気持ちで、この催しを思いついた時から相談に乗ってくれ、打ち手集めにも大いに協力してくれた「小泉謙一」に連絡。開口一番「行くつもりでいるよ!」との言葉に勇気をもらい、弟子の片岡亮太をピックアップして稽古場に上がる。20年近く指導している「清水つつみ太鼓」のメンバーさんが「何かしらやります」とSNSに発信したのを見つけて「がんばって!」とわざわざ車で2時間近くかけて手作りのおにぎりやらゆで卵やらを届けてくれた。冷たい雨は止む気配もないが、体は内側からじんわり熱くなって来た。
(夕方)
集まった3人で相談。最初の配信を開始する予定だった16:45が迫る。相変わらずの雨模様。3人交代でアドリブ回しと各自の独奏演奏を組み合わせて、1時間強のライブ配信くらいはできそうか?ではまず一言「残念!」のご挨拶をしてから準備に入り、間をおいて19時頃から演奏の配信をしようと決まる。
[配信?17:30〜 稽古場内にてトークのみ]
今日のために買い集めた「疫病退散」のTシャツを着る。全部で25着も買ってしまった。あと22着あるぞ、どうする??雨足は弱まって来たが、まだまだ本降りが続く。
[配信?18:40〜 稽古場内にて演奏]
大太鼓のアドリブを回す。いい調子だ。これを外でやりたかった!!と力が入る。このままやれるだけ続けてやれ、という気持ちになる。
スタッフ・タケちゃんが予告なしに登場。気づけば雨は上がって、タケちゃん外で焚き火の準備をしている!こりゃもうどうなるかわからんが、やるか!と意思決定。配信を止め、突貫で楽器機材を出し、焚き火に火を入れる。
[配信?21:30〜 屋外舞台にて演奏]
これだ!これがやりたかったんだ!!人数は少ないが、もうやれるだけやろう。風雲の会後輩・辻祐到着。
[配信?3:00〜 ]
友人で造形作家・ミュージシャンの白砂氏が、スウェーデントーチ持参で飛び入り参加。太鼓の合間に、ディジュリドゥ・コンガが鳴り響く。
[配信?5:00〜 ]
澄んだ空気。星がちらちら瞬き、街の灯りが輝く。少しずつ空が白んでくる。
明るくなったのを見届け、タケちゃんは帰還。どうもありがとう!
富士山が明け方の空にくっきりと浮かび上がる。そして朝日が……
……結果的に身内だけの会となってしまいましたが、共に過ごした仲間とは素晴らしく、貴重な時間を共有することができました。現場に駆けつけ焚き火はじめ会場しつらえを一手にやってくれたスタッフ武ちゃん、どうもありがとう!
賛同し名乗りを上げてくれていた面々の中には、迷惑をかけられないという気持ちから前日までに『中止』の連絡をしていた方も多数あり、彼らには本当に申し訳ないことをしたと反省しています。心よりお詫び申し上げます。
この場を借りて、参加予定であった打ち手の皆さん、賛同してご協力くださった皆さんに御礼申し上げます。
<参加予定者>
土屋智明さん 辻勝さん 上杉美穂さん 小池将也さん 坂本湧利さん 川野稜太さん 佐野健士龍さん 堀越唯人さん 鈴木智也さん 加藤有希子さん 加藤武夫さん 岡田寛行さん 朱鷺たたらさん
<協力者>
壱太郎さん(バスタオル差し入れ) Keiko Hiraiさん(食事差し入れ)
元山中地区の皆様 三島教室生のみんな
このような企画を再び立ち上げることができるかはわかりませんが、みなさんで一緒に、或いは個々に、打ち込める日を作れたらいいなと、思っております。
はせみきた
(当夜の様子は[はせみきたyoutubeチャンネル]にてアーカイブ動画をご覧いただけます)
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(前回のつづき)
…太鼓マラソン。
始まってまだ2時間もしないうちに、アドリブ回しの周期が短くなりだす。さっきソロをやったと思ったら、もうすぐに自分の番がやってくるのだ。
打ち手が一人減り二人減り、さらに疲れから一人一人のソロが短くなっていくせいだ。
「あれ?これやばいかも」とこの先の展開に不安を感じつつも、差し入れのKFCフライドチキンなど頬張りながらつかの間の休憩で元気を装う。富士山5合目で食ったフライドチキン、美味かったなぁ〜!
真夏のイベントと言えど富士山5合目、深夜は信じられないほど冷え込む。
霧なんだか雨なんだかわからない湿度100%の靄に包まれて、篝火と頼りない街灯だけを頼りに、「ちらほら」の打ち手でなんとか時間を消費していく。
深夜てっぺんを越えた頃か…マイクロバスで一眠りしていた人達が帰って来て「お前らも少し横になっとけ」と声を掛けてくれた。
「え〜いいんっすか?じゃあちょっとだけ」とかなんとか言ってひとまず退散。内心は「もう帰りてえ〜」だ(笑)。シートにうずくまり、目を閉じる。
が、眠れない。
寒い。そして身体中が痛い。おまけに、疲れ切ってるのに脳ミソは完全に覚醒しているのだ。
少し遠くで鳴ってる太鼓の音が、泥水のように脳内に流れ込み、淀む。
横になっていることに苦痛を感じて、1時間もしないうちに起き上がる。寒い。太鼓打ってる方がましだ。
再びバチを握る。手はボロボロ。バチを握った指が開かなくなる。
もう何も考えない。ただただ自分の番が来たら体に染み付いてるリズムの断片をつなぎ合わせて時間をもたす。でも毎回「もう力抜いてやろう」と思うのに、どんな短時間だろうと必ず最後は全力疾走することになる。なぜだろう…
…このあたりから空が白んでくるころまでは、何も覚えていない。
光に触発されて少し元気を取り戻し、「最後のひと頑張り」に入るのだが、ここからがまた長い(苦笑)。
そして結局、最後はどうやって終わりになったのか、思い出せない。
…「これまで様々な国で様々なシチュエーションで演奏をされて来ていると思いますが、どこが一番印象に残っていますか?」
取材の際によく聞かれるこの質問を受けると、しばしば「太鼓マラソン」が脳裏に浮かぶ。が、質問の趣旨と合わないなと感じるので「太鼓マラソン」と答えたことはない。
話は変わるが、神楽や田楽しかり、祈りを込めるもの、神様に捧げるものの中には「夜通し行う」ものが少なくない。
「夜通しやる」という行為には、なにか意味があるのかもしれない。
人前で演奏する、表現する場の多くを失っている昨今「何かを形にしたい」と思ってふと頭に浮かんだのが、今回の催しだった。
祈りのようであり、修行のようであり、
祭りのようであり、ライブのようであり。
そんな「一夜限り」の場を、用意しました。
稽古場の外に仮設の舞台を組み、最小限の照明、最低限のライブ配信機材・照明・食料を用意し、草を刈り枝を払い、SNSで打ち手を募り…
(今回も盟友・小泉謙一が打ち手への声掛けほか協力・アドバイスと力を貸してくれました 感謝!)
面白いか面白くないか、何かを得られるか得られないか、何かを共有できるかできないか、
あとはやってみないとわからない。
完全手打ちの持ち出しイベント。
ライブ配信します。無料です。
10月10日(土)16:45頃から配信開始。
youtube「はせみきたチャンネル」にて
詳細は はせみきたHP
(天候により、催しの内容・配信時間等を変更する可能性があります)
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遡ること30年ほど前。
当時まだ珍しかった和太鼓のフェスティバル「富士山太鼓まつり」は、富士山の5合目、御殿場の登山口駐車場で行われていた(今は御殿場市内の「樹空の森公園」が会場)。
初日の土曜日は地元中心のグループによる演奏と「大太鼓一人打ちコンテスト」の予選、2日目の日曜は全国各地の有名なチームによる演奏とコンテストの本選が行われていたのだが、この間に
「太鼓マラソン」
という名で、夜通し音を切らさず誰かが太鼓を打ち続ける、という、摩訶不思議なコーナー?があった。
まだイベントとしては成熟を迎える前で、いろんな意味でゆるくやっていた面もあったのだろう。イベントの正式なプログラムではなく、やりたい人が勝手にやっていたのだと思う。楽器は、地元の富岳太鼓さんや公時太鼓さんのをお借りしていたような…。
何をするかって?
なんのことはない、一晩中、太鼓(主に大太鼓)のアドリブを交代で、延々とやり続けるのだ。
バカでしょ?
わたくし、2〜3度参加したと思います(笑)。
このおバカな行為を、現代に復活させようと、思う。
“天海響鳴” 太鼓リレーマラソン @箱根
10月10日 日没前から 11日 日の出まで
三島市川原ケ谷元山中 はせみきた稽古場敷地内にて
打ち手募集
参加費無料 観客なし ギャラなし
こんな変態企画、個人で催すヤツはおそらくいないでしょう(笑)。
でも俺はいたって真面目に、全力で、これに取り組みます。
このご時世、今こそ意義がある!と思ったのだ。
…さて30年前の話。
夜8時か9時くらいに初日のプログラムがたしか花火なんかも上がって終了し、観客・参加者共に下界に降りだす。
慌ただしく片付けが行われイベントの照明がボツボツ消え始めた頃に、常夜灯のもとで太鼓が鳴り出す。
誰か一人が基本大太鼓でソロ(アドリブ)を奏し、周りの人は下拍子を打ったり、ソロの順番待ちをしている。疲れたら(またはアドリブがネタ切れしたら)、交代。
当時俺はまだ高校生。仲間のマーボーやツッチャンやリューイチと参加した。当たり前に最年少だった。
今よりも痩せっぽちで3尺クラスの大太鼓を打つ機会など皆無だった俺は、ただただ「好きなだけ打っていいよ」というシチュエーションに惹かれ、無鉄砲に輪の中に飛び込んだ。
最初のうちはギャラリーも多少はいて、打ち手も10数人はいたと思う。他人のソロを「いけいけ!」と囃したてながら、余裕綽々で「自己満足」に浸っていた。……
(つづく)
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半年前の「コンサート等開催の自粛要請」から、長引くだろうとはうすうす想像はしていたけれども、現実としてこれだけ続くと正直、きつい。
もとから採算を見越してライブやコンサートを打ってきたわけではないが、感染対策・リスク回避の壁は厚く高く、これまでのように「よーしいっちょやりますか!」的な勢いだけで開催に踏み出せないのが、辛い。
そんなわけで、舞台に立つことからはきっちり半年遠ざかってしまっているわけだが、なんとか活動の鼓動を途絶えさせないよう、やっていること、これからに向け動いていることなど、お伝えできる範囲でここに記しておきます。
?『マイベストプロ(静岡)』に登録されました
全国の新聞社・テレビ局等が運営する、専門家・プロを探せるWebガイド『マイベストプロ』に登録されました。「魅せる・伝える・育てる!和太鼓のプロ」として紹介されてます。ディープな取材記事も掲載されてるので、ぜひ一度チェックくださいまし。
https://mbp-japan.com/shizuoka/hasemikita-wadaiko/
?オンラインレッスンサイト[UTSU-LA.net]
コロナ禍に入り、4月からスタート。自宅でできる太鼓演奏技術向上のための様々な練習メニューを紹介している。
これまでに7タイトル、「スタンダード」と「アドバンスド」の2種、自分で翻訳・アフレコしている「英語バージョン」もあるので、計28動画をアップしてます。
これからは月1タイトルのペースでアップ予定。いつでも始められる、気になる内容だけをピックアップして取り入れることも可能。支払いは電子決済[paypal]で安心、簡単。個人練習にも最適のコンテンツと思いますので、太鼓愛好家の皆さんにはぜひ試してみていただきたい。
https://mkthase.wixsite.com/mikitaonline
?朱鷺たたらさんのニューアルバムレコーディングに参加
8月某日、都内のライブハウス「中目黒楽屋(らくや)」で、[BOK・SUI]の相方・朱鷺たたらさんのニューアルバムのレコーディングに、参加してきた。敢えてレコーディングスタジオは使わず、ライブのような臨場感や緊張感のある音を録ろうということで(ご時勢柄運営が厳しい楽屋さんの支援策も兼ねて!)、笛、ピアノ、パーカッションそしてチェロとのセッションを一発録音!
なかなかにシビれるシチュエーションだったが、素晴らしいミュージシャン/エンジニアの面々が、嫌な顔一つせず「この場で太鼓と共存する方法」を真剣に考えてくれ、俺も自分のプレイ・アプローチを必死に調整、終わった時はグッタリ。ひさびさの半端ない充実感と、たくさんの音楽への愛情を感じた幸せなひとときだった。リリースは少し先になりそうだが、乞うご期待!
?YOUTUBEチャンネル
これまでの様々な演奏の音源や映像を整理して、YOUTUBEにアップしていこうと思っている。
決して得意分野ではないので時間がかかると思うが、地道にやっていきますので、時々チェックして、よかったらチャンネル登録お願いします。
https://www.youtube.com/channel/UC51048G2E5Khy5r0FpMxDkA/featured?view_as=public
明日からの9月は さるCMの録音から始まり、訪問演奏の企画やら、ライブ開催/音源づくりのプロジェクト始動も予定している。
まだまだ皆様に直に会場でお会いできる日までは遠くなりそうですが、地道に、確実に歩みを進めていこうと思ってますので、気長にお付き合いくださいませ。
「海外公演振り返り」のブログも、再開しなくちゃだな!
(写真は 夏の終わりの沼津千本浜)
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約60分×2
ひたすら大太鼓を打ち込んだ
今日も、俺には何も「降りて」はこなかった
でも、小さな発見があった
最初の60分で、モヤモヤが晴れてきた
次の60分で、ある確信がうまれた
俺の体は 俺だけのものではない
この体の大半を占める、太鼓打ちとしての肉体の少なからぬ部分は
「太鼓の神様」から与えてもらった、あるいは「神様」との歩みの中で培ったものだ
これは絶やすわけにはいかない
もっともっと俺の中で熟成させ、そして次に伝えなくてはならない
腐らせても、停滞させても、いけないのだ
ここで 終わるわけには いかない
外はすごい嵐だった
でも、いつかは終わる
必ず…
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「和リーグ」ルクセンブルグ〜スイス。メンバーはようそろ+山田路子、廣原武美、宗山流胡蝶+スタッフ。
和太鼓+邦楽器+舞踊という豪華な編成。
日本からは当時最新のオール2階建の巨大エアバスで移動。
ルクセンブルグ〜スイスはこのカワイイプロペラ機で移動。この後すべての太鼓がロストするという悲劇に(苦笑)。
公演はエンターテイメント性の高い内容で、お客様の受けはとても良かった。
ルクセンブルグではプロデューサーのムチャ振りで衣装を着て街に繰り出し、アー写撮影。
チューリッヒに移動。着いてみたら全ての太鼓がない!
即リハなのに…「終わった。」と思ったら、
いまや世界中、どこでも太鼓愛好家はいるものです!レミさんという日本で暮らしたこともある男性が、太鼓を持って駆けつけてくれた!(あまりに緊急事態で、写真が一切ない。。。)
結局本番直前に太鼓が届き、公演は無事終了。レミさん、どうもありがとう!!
スイス国内は車移動。
海外での運転は2010〜2011の「上妻宏光アメリカツアー(いずれアップします)」で慣れていたので、お手のもの。
お手のもの、には見えない(笑)。
葡萄畑。
小さな町の、コンビニチックなお店。こういう陸路ならではの「生活に根付いた景色」を見られるのは、とても楽しい。
この度については、何を食べたか全く記憶にない。食事の写真も全くない。
唯一あったのが、このブレブレのビールの写真。スイス製には間違いなさそうだ。
ほかに、この度の最中に撮った写真。ブログのメイン写真や年賀状に使っている。
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『世界の果てまでタイコ担ぎ旅』総集編。
その4は、2010年「JAPAN ANIME LIVE」ヨーロッパツアー。
日本のアニメを題材とした音楽や芝居等をヨーロッパ各国の舞台上に出現させようという、壮大なプロジェクト。
諸般の事情により実際開催されたのは計4カ国6都市での7公演だったが、日本国内での準備(1月半)、渡航期間(1月半)合わせて3ヶ月ほど、この仕事に関わった。
旅の相方はお馴染み、小泉謙一。しっかししょっちゅう髪型変わってるな(笑)。
我々は『NARUTO』の1ストーリーを殺陣を前面に出した舞台に出演。
6年での公演に約7週間、全て陸路でバス移動という、結果的に恐ろしく贅沢な?時間の使い方のツアー行程となった。
写真はイタリア〜フランスをまたぐアルプス山脈。モンブランの脇を通って国境越え。
公演数は少なかったが、各会場とも数千人規模のアリーナ。ここにド派手にバッチリコスプレした熱狂的アニメファンが集結する。普段の公演とは全く異なる雰囲気で、面白かった。
巨大バックスクリーンに映し出されたのは、愛知万博に次いで2度目(以来ないかも)。
訪れたのは以下の都市。
パリ(フランス)、デュッセルドルフ(ドイツ)、ブリュッセル(ベルギー)、ミラノ、フィレンツェ、ローマ(イタリア)、
とにかく空き日がたくさんあったので、まあひとしきり観光させていただきました。
コロッセオ
ピサの斜塔
『NARUTO』のキャストは若手が多く海外経験も少なかったので、連れ立って歩くときはミョーに頼られたりしてた。
音楽部門の太鼓と芝居部門の殺陣アクション…なにか共通する匂いがあって、仲よかったな(笑)。
10年前か…。
今思えば、若い時にしか経験できないような旅だったように思う。
思い出深い旅の一つだ。
[自宅でできるオンラインタイコレッスン]
レッスン動画配信しています。
https://mkthase.wixsite.com/mikitaonline
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『世界の果てまでタイコ担ぎ旅』総集編。
今回は、2012年林英哲中東ツアー。
師匠に風雲4名+アシスタントJoe、ゲスト竹井誠さん(笛・尺八)、舞台スタッフ+制作5名、総勢12名という大所帯での旅だった。
カタール、UAE、オマーン、バーレーンの4カ国。ひと月近い長旅だったように記憶している。
中東はとにかく建造物の大きさ・威厳に圧倒される。
出来立てホヤホヤの超巨大なホール。あらゆるものが電動可動式だった。
他所の国での勝手の違いに戸惑うことはもちろんあったが、同行スタッフがいる安心感で、出演者にとっては比較的気楽な、大名旅行でした(笑)。
砂漠ツアーに行ったり
スークでショッピングしたり。
全く似合わないオマーン帽をかぶったり(苦笑)。
オマーンでは、現地ミュージシャンとの交流があった。
中東と一括りに言っても、オマーンあたりはペルシャ湾の外側で海の向こうはアフリカなので、音楽・踊りはかなりアフリカ寄りの匂いを感じた。
イスラム圏の上級のホテルには、必ずと言っていいほどロビーでお茶をいただけるブースがある。
戒律上お酒を飲めない分、こういう文化が発達しているのか。
中東でとても気になるのが、一軒一軒の家の上に据えられているアンテナ。
やたらでかいパラボラが、一棟の建物に3個も4個もついてるのだ。
あの大きさが必要なのか?うまいこと集約することはできないのか?
建物や塀などえらいお金をかけてそうな家でも、屋根の上がとっちらかってる感じ。なんか笑ってしまう。
公演はおかげさまで、各地で大好評。
何処かの国で、師匠は偉い人から宝箱のようなものをもらっていた(香料の詰め合わせ?)。
大学のワークショップでは、イスラムの衣装で肌の露出を控えた女の子達の目元のメイクやネイルや携帯のデコレーションの「ビカビカ」さに、ちょっと引いてしまった(笑)。
各国大使館、現地職員の皆さんらにも大いに助けられ、非常に有意義な旅であった。感謝。
[自宅でできるオンラインタイコレッスン]
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]]>『世界の果てまでタイコ担ぎ旅〜総集編2』今回は…
その2「ようそろ 東欧ツアー2009」
国際交流基金派遣事業、メンバーは はせ、岡田、山田路子(笛)、廣原武美(津軽三味線)の4名。
みんな若いなあ〜。
?ハンガリー
ハンガリーは、これまで訪れた中でももっとも思い出深く、大好きな国の一つだ。
かの有名な、リスト音楽院の大講堂にてコンサート。
学校でのワークショップもあった。みっちー(路子)の能管のデモ演奏で、聴いたことのない異質で強烈な音色に驚き、小さな女の子が突如激しく泣きだしたっけ(笑)。太鼓体験コーナーは大受け。公演後給食もいただいた。
この国ではグヤーシュとホットワインが、とにかく美味しかった!
移動はいつも大荷物。この度は珍しくロストも破損もなかったように記憶している。
?ブルガリア
異国感が半端なかった。なんせ文字がこれですから。
ノコポ?(これで「ようそろ」と読む)
新聞にも掲載された。
オペラ劇場にて公演。カーテンコール時、舞台端に重厚な花がいくつも飾られた。
「ドブロウットロ(おはよう)」「ブラゴダリャ(ありがとう)」MCのため頑張って覚えた。
早朝のTV出演。眠そう…。
この国の音楽はすごく独特で、変拍子なのに踊れる!
?ポーランド
24時間しかいなかったので、写真がほとんどない…。
写真中央の方含め、大使館スタッフの女性が美人さん揃いだった(笑)。
いい顔で旅を締めくくってますね。
この旅以降、東欧に惹かれまくっている。
ミステリアスな感じとともに、アジアに通ずる親近感もあって。食べ物も、文化も。
クロアチア、エストニア、チェコ、ジョージア、そしてトルコ…行きたい国満載だ。
東欧旅したいです。どなたか仕事くださいな!
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過去の海外ツアー&公演を、写真で振り返ってみようかと。
題して『世界の果てまでタイコ担ぎ旅〜総集編』。
写真が整理できてるのが2007年以降なので、そこから行きまーす。
その1「2007年 ようそろ アフリカ〜中東ツアー」
国際交流基金派遣事業、ようそろ初の海外公演ツアー。ツアーメンバーは相方・岡田と、かりん(25絃箏)、原口朋丈(笛・津軽三味線)。
?ケニア
ケニア・ナイロビの国立劇場にて。すぐ停電するし、舞台のど真ん中に穴が空いてたな(笑)。
トタン屋根なので、スコールが降ると太鼓よりうるさかった。
夜、やはりすぐ停電するエチオピア料理店での食事は、闇鍋レベルにスリリングだった〜。
着いて早々ホテルのエレベーターが止まる。深夜ベランダでなぜか行われていた水道工事(翌朝判明)のおかげでガクブルしながら物音とボソボソ会話に怯えながらのアフリカ初夜。モニタースピーカがなく、かりんは大使館のポータブル拡声器を専用モニターにしていた。コンサートは超盛り上がった。現地職員さんはめちゃ個性的、[世界で活躍する日本人女性100]にも選ばれたニャティティ奏者・アニャンゴさんは公演当日「軽いマラリアで…」と言いながら熱演してた。キョーレツなアフリカ初体験だった。
?モザンビーク
長く続いた内戦の傷跡があちこちに残っており、街中には手足を失った人が荷物を運ぶ台車に乗って路上で物乞いをしていた。決して豊かではないが、市中に「生きるエネルギー」が満ち溢れていて圧倒された。スペイン領だったらしく食事はとても美味しかった。国民の人柄はケニアより穏やかで朴訥なイメージだった。公演中のMC、現地の言葉「カニマンボ(意味忘れた)」の一言で一気に聴衆との距離が縮まったっけ。公演前に客席全体に殺虫剤をスプレー散布してる様子には、恐怖を覚えた(笑)。
?UAE
所変わって中東の超大金持ち国・UAEへ。空港、ホテル、ゴールドスーク(黄金市場)…全てが金ピカで目がくらんだ。写真中央の櫓台の上に乗るはずだった太鼓が空港でロストし、後日傷だらけになって発見された(かりんの箏も破損)。公演は学生相手だったか、聴衆の態度が悪くキレたっけな(苦笑)。アブダビの大使館職員さんご夫婦がとても親しく接してくれ、自宅パーティも開いてくれた。ぷっちょ大好きのサイキさん、お元気だろうか…。
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「緊急事態宣言」が延長された。
心もフトコロも辛いが、なんとか踏ん張るしかない。
総理会見をしばらく見ていたが、途中で消した。答えに窮している様子がちょくちょくあり、見ていられなかったというか。
過去に経験したことがないような困難に直面している中、一国のリーダーとして発するひと言ひと言の重み、プレッシャーと戦うのは、並大抵のことではないだろう。
安倍さんの肩を持つ気はさらさら無いが。
その会見中の発言。
「夜の街の人通り、駅の改札を通る人の動き等、9割近く減っているデータもございます、罰則を持たない要請に対して、そこまでのご協力をいただいているわけでございます」と。
海外から見ても、拘束力の弱い自粛要請に対し粛々と従う(協力する)日本人の姿勢には、驚きを感じる人は多いらしい。
これはすごいことのようだ。
すごいことのようだが…
俺はちょっと「怖い」。
SNSの投稿など見ていると、
「ジョギングするにもマスクを着用するのが常識だと言われた」とか、「人気の少ない河川敷で楽器の練習をしてたら白い目で見られた」というような話が載っている。
いや、今は「用心に越したことはない」というのはよくわかりますよ。
それと、都会と地方との事情の違いなんかもあると思いますよ。
でも…
どうやら、我々日本人には、
「規律(ルールとイコールではない)をきっちり守る、常識を重んじる」という特性と、「一つの『道』を、とことん突き詰める」という特性があるようだ。
これは例えば、震災時にも列を乱さずきちんと並んで物資をうけとるとか、宮大工や工芸職人の技の極め方とか、柔・剣・書・花・茶(太鼓も?)などが『道』として精神面も含めて受け継がれていくこととかでは、素晴らしい一面を見せる。
だがこれに加え、我々には「同調志向」という特性もある。「これはこういうもんでしょ?」「こうが当たり前よね」「みんなそうしてるし」的な。
周りの人と同じであることを望む、周りに同じであることを求める。
前者のストイックな一面と、後者の同調志向が合わさると、ちょっと怖いことになりませんか?
ある本で読んだのだが、太平洋戦争で日本がどうしようもないところまで泥沼に落ち込んでいったのは、「中流階級」と呼ばれる国民層が、上層が示す姿勢をストイックに実践し、同調を促す姿勢が「監視」となって互いを見張るようになり、最後には命をかけた「ガマン大会」状態になってしまったからだという考えがあるらしい。
気がつくと今の状況、少し似てやしませんか?
ウイルスとともに「欲しがりません勝つまでは」的な思考が、世の中に蔓延し始めてやしませんか?
俺たちはいま、自分の欲求よりも家族の、社会の安全を優先して行動するべきだとは思う。「三密」その他の指標と照らし合わせて、行動すべきだとも思う。
でも、その指標を上回るような厳しさを、他者にまで求めるのはいかがなものか?
これからきっと俺たちのような業種は、おそらく最後まで「自粛」を求められる分野だろうと思う。
当たり前にウイルスは怖い。感染るのも、感染すのも怖い。
社会全体の情勢をしっかり見つめながら、それでも、最後は「自分で判断する」意思を、保ちたいものだ。
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「緊急事態宣言」が延長された。
心もフトコロも辛いが、なんとか踏ん張るしかない。
総理会見をしばらく見ていたが、途中で消した。答えに窮している様子がちょくちょくあり、見ていられなかったというか。
過去に経験したことがないような困難に直面している中、一国のリーダーとして発するひと言ひと言の重み、プレッシャーと戦うのは、並大抵のことではないだろう。
安倍さんの肩を持つ気はさらさら無いが。
その会見中の発言。
「夜の街の人通り、駅の改札を通る人の動き等、9割近く減っているデータもございます、罰則を持たない要請に対して、そこまでのご協力をいただいているわけでございます」と。
海外から見ても、拘束力の弱い自粛要請に対し粛々と従う(協力する)日本人の姿勢には、驚きを感じる人は多いらしい。
これはすごいことのようだ。
すごいことのようだが…
俺はちょっと「怖い」。
SNSの投稿など見ていると、
「ジョギングするにもマスクを着用するのが常識だと言われた」とか、「人気の少ない河川敷で楽器の練習をしてたら白い目で見られた」というような話が載っている。
いや、今は「用心に越したことはない」というのはよくわかりますよ。
それと、都会と地方との事情の違いなんかもあると思いますよ。
でも…
どうやら、我々日本人には、
「規律(ルールとイコールではない)をきっちり守る、常識を重んじる」という特性と、「一つの『道』を、とことん突き詰める」という特性があるようだ。
これは例えば、震災時にも列を乱さずきちんと並んで物資をうけとるとか、宮大工や工芸職人の技の極め方とか、柔・剣・書・花・茶(太鼓も?)などが『道』として精神面も含めて受け継がれていくこととかでは、素晴らしい一面を見せる。
だがこれに加え、我々には「同調志向」という特性もある。「これはこういうもんでしょ?」「こうが当たり前よね」「みんなそうしてるし」的な。
周りの人と同じであることを望む、周りに同じであることを求める。
前者のストイックな一面と、後者の同調志向が合わさると、ちょっと怖いことになりませんか?
ある本で読んだのだが、太平洋戦争で日本がどうしようもないところまで泥沼に落ち込んでいったのは、「中流階級」と呼ばれる国民層が、上層が示す姿勢をストイックに実践し、同調を促す姿勢が「監視」となって互いを見張るようになり、最後には命をかけた「ガマン大会」状態になってしまったからだという考えがあるらしい。
気がつくと今の状況、少し似てやしませんか?
ウイルスとともに「欲しがりません勝つまでは」的な思考が、世の中に蔓延し始めてやしませんか?
俺たちはいま、自分の欲求よりも家族の、社会の安全を優先して行動するべきだとは思う。「三密」その他の指標と照らし合わせて、行動すべきだとも思う。
でも、その指標を上回るような厳しさを、他者にまで求めるのはいかがなものか?
これからきっと俺たちのような業種は、おそらく最後まで「自粛」を求められる分野だろうと思う。
当たり前にウイルスは怖い。感染るのも、感染すのも怖い。
社会全体の情勢をしっかり見つめながら、それでも、最後は「自分で判断する」意思を、保ちたいものだ。
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昨日、二ヶ月ぶりにブログ更新を更新した。
みなさん、いかがお過ごしですか?
ふた月前は、まだ完全な「ひと事」だったな。
ブログ読み返しても「ウイルス」の文字も出てこない。沼津ラクーンでの『独奏夜会』を無事に終え、その余韻に浸っていた頃だ。
まさかそこから、こんなに世の中がひっくり返るほどの変化が訪れるとは…。
演奏の仕事は完全に停止し、教室もいつ再開できるかわからない状態。
今はただ、ひっそりと息を殺して事態の収束を待つばかり…
と、おとなしくしてられる質でもなく。
幸い自分には稽古場があるので、誰にも会うことなく、一人で太鼓と向き合うことができる。なんと贅沢なことか。
そして「稽古場の脇に倉庫を立てる」という壮大な?ミッションもある。
加えて、なんとか生き延びるために新たな行動に踏み出さねば…と思案を巡らすべき「課題」もある。
やるべきこと、やりたいことは、いくらでもあるのだ。
考えてみれば、俺的には普段仕事がない時の日常の暮らし方と、なんら変わっていないではないか!!
というわけで、元気に暮らしてます。今のところ。
体の健康を維持するための運動・稽古と、心の健康を維持するための大工仕事(中ば趣味)に勤しんでおりましたが、ちょうど2週間前からは、昨日公開した「オンライン太鼓レッスンサイト」の立ち上げに向け、しゃにむに打ち込んでいた。
経緯を少しお話ししたい。
太鼓を通じてつながっている海外の親しい友人たちが「大丈夫?」「がんばろうね」との励ましの言葉に加えて
「オンラインでレッスンしてくれない?」
と声をかけてくれた。レッスンしてほしい気持ち2割、力になりたい気持ち8割で言ってくれてるんだと思う。ホント嬉しかった!
そうか、世界のあちこちで、太鼓に触れられず、仲間にも会えず、暗い気持ちになっている太鼓好きがたくさんいるんだ、と気づき、彼らと繋がれて、わずかでも彼らの役に立てて、俺自身も生きる糧を得られる、そんなシステムを作ろう!と、一念発起した次第。
無料ではやらない。
と決めていた。
これが俺の仕事だから。
俺が今まで、培ってきたものだから。
英哲師匠や尺八の土井さん、その他多くの「舞台人」から得た、貴重な経験や知識だから。
それだけの、いやそれ以上の価値があるものを提供するという自信と覚悟を持って、臨んでいるから。
お金は大事。
でも、もう一つ大事なことがある。
「社会と繋がっていたい」
これこそが、今の自分が欲している一番のものなんだということに、今日気付いた。
SNSもそう。風雲の仲間とのオンライン飲み会もそう。
人間やっぱり最も必要なものは、「人との繋がり」なのだな、と。
この24時間のうちに、国内外の10名ほどの人が、レッスンに参加してくれた。
心より、感謝申し上げます。
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まことに突然ではありますが…
「オンライン太鼓レッスン」はじめます!
サイト名は[ UTSU-LA.net ]。
「レッスン動画」を配信、動画を見ながら定めたテーマにそくした稽古に取り組んでもらいます。
動画内では、はせみきたが手本を示したり下拍子を打ったりしながら、あなたの稽古のお手伝いをします。解説も加えながら稽古内容を深めていきます。
「スタンダード編」「アドバンスド編」の二種の動画を用意。さらにレッスン内容を深めたい方は、ミーティングアプリを使ってのプライベートレッスンも選択できます。個々のレベルや深めたい度合いに合わせてご利用いただけると思います。
大きな音を出さない、激しい運動を行わないという縛りの中での稽古なので、どうしても補助訓練的な内容となりますが、リズム、打法、体づくり、表現…などのカテゴリ表示により、レッスン内容が自分にとって必要なものかどうかの判断ができるようになっています。
はい、「有料」です。
わたくしのこれまで培ってきた「経験」「知識」を、注ぎ込んだ内容ですので。
わたくし自身が「生き延びる」ためでもありますので。
このレッスンは、ウイルス蔓延の事態が収束した後も継続して行っていくつもりです。
とにかく急ピッチでサイトを立ち上げ、[レッスン1」の動画を用意しました。あと2〜3週間の間に[レッスン2][レッスン3]もアップする予定です。
まずは一度、サイトをご覧ください。
「こんなサイトができたらしいよ」とお仲間に勧めていただいたり、SNS等でシェアしていただけたら嬉しいです。
どうぞよろしくお願いします。
自宅でできるオンライン太鼓レッスン
[UTSU-LA.net]
https://mkthase.wixsite.com/mikitaonline/blank
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沼津ラクーンビル8階での『独奏夜会』を無事終え、
会場のリセット、稽古場のリセットもようやく終え、
あまりに濃密な1週間だったので、心のどこか一箇所がポコッと穴が空いているような…。
おかげさまをもちまして、14日のプレ公演を合わせて90名近いお客様にご来場いただき、大成功と呼べる形となりました。
あの公演を構成するにあたり、そして一曲一曲を形にしていく上での思いというものをどうしても残しておきたいと思い、以下に綴ります。読みたい方だけ目を通していただければ。
オープニング「風をゆく」
今回のライブをやるにあたって、ビルの1フロアといういわゆる劇場ではない特殊な空間と、そこに漂う空気や時間の流れを、その場にいる人皆と「共有したい」という気持ちが念頭にあった。「日常空間からエレベーターを上がってなんだか不思議な場所にやってきて、ライブが始まったと思ったらさらに別の次元にスリップしちゃった」というような。開演時間前から桶太鼓の調緒を調整しているところから見せていたのはそういう意図があって、このオープニングとラストの大太鼓の中でスローモーションの動きを取り入れたのは、時空の歪み的なものを表現したかったのだがその感じが出せたかどうか。次のシーンへの移り変わりの演出は、スーパーバイザー・ズミ氏のアイデアも取り入れて、とても気に入っている。
セット曲「又三郎」
ループマシンを使用し、自分の打った下拍子のリズムに合わせて即興演奏を展開していく曲。
好き嫌いの分かれる演目だと思う。稽古を積み回数を重ねるごとに「こなれて」きた感触はあったのだが、本番はやはり難しい。。。プレ・本公演いずれもトラブル発生、比較的落ち着いて対処はできたものの、うーん、とにかく「難しい」の一言に尽きる。
語り打ち「八郎」
子どもの頃から大好きだった斉藤隆介氏の『八郎』は、いつか自分の作品の題材にしたいと思っていた。太鼓を打ちながら「語る」ということには10年近く前からチャレンジしていて(知る人ぞ知る「Turtle`s Dream」という演目)、今回一つの形にできたことは非常に感慨深い。演じるにあたっては「空間に助けられた」という思いが強い。プレ公演にひょっこり顔を出してくれた元相方・岡田寛行のダメ出し(笑)を受け、本公演はもう一段階クオリティを上げられたように思う。(岡田はこの「打ち語り」を活動の主軸の一つにしています。機会があれば是非)
ハングドラム「茫洋」
「八郎」からのこの流れはとても気に入っている。
今回は照明に徹してくれたズミ氏とのデュオでもやっているので、自分の耳の中にはズミ氏の太鼓も聴こえてきていた。今年秋口にはまたズミ氏とのプチツアーを計画中なので、お楽しみに!
締太鼓とドラ「砂丘の星空」
アンケートを拝見すると、この曲が好き、という意見が意外に多くて驚いた。
締太鼓や銅鑼の硬質な音の粒を星の瞬きや砂の粒になぞらえて、音のない世界を音で表現しようという、極めてマニアックな演奏という意識が自分の中にあるので。派手なアクションもなし、乗れるリズムでもなし、演る側も聴く側も緊張を伴う演目だと思うが、あの空間にはとてもマッチしていたのかも。
最後の大太鼓に行く前に、会場をぐるっと回ってみた。今回は窓を背にする客席のレイアウトにしたので、自分が歩き回ることで外の景色に目をやる機会が作れるかなと。あの演奏の流れの中でふと窓の外の景色を見たとき、みなさんは何を感じたのだろうか…。
大太鼓「空穿ちて道ひらく」
いつもより余計に打ってみました(笑)。
近年、「楽器を鳴らす」ことへの理解が少し深まってきて、それが具現化できる体に少しずつ近づいてきている実感はあるのだが、師匠のように、楽器を鳴らすだけでなく、音を発した後の、その場に響き漂う音まで操るような演奏になるまでには、まだまだ先は長いと痛感。精進します。
アンケートには
「バチの描く軌道が、蝶のよう」
「ものすごいエネルギー 鬼を感じた」
「空間が一瞬寺院の本堂に はせが仏像になった」
など、身に余る感想をいただいた。
俺は俺自身として、あるいは何者でもなくただ音を発する源としてあの場にいたつもりですが、自分の音と姿からお客様がいろいろに想像を馳せてくださったのなら、この上なく嬉しい、ガッツポーズもんです。
今回、会場の使い方を決め客席のレイアウトを考え、照明のプランを練り、配線を工夫し、会場のしつらえ(幕吊り、受付、最低限の案内の掲示など)を整え…と、全てを自分でやった。本当に濃密で、有意義な5日間だった。
そしてそのうちの3日間を、共にあの空間をつくりアイデアを注ぎ込んでくれた「小泉謙一」この人がいたからこそ、成し遂げられたことであるのは言うまでもない。
今回ほどの大掛かりなことができるかはわからないが(自分的にはかなりな大掛かり、だったんです)、あの場所ならではのパフォーマンスというものを、場所を使わせてもらえる限りはなるべく定期的に開催していければと思っている。
次回の開催を、ご期待ください(首を長めに伸ばして、ね 笑)。
ありがとうございました。
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前半のソロ、構成はなかなかうまくいったと思う。
ループマシンを使用しての演目「又三郎」は、演奏しながらの機械の操作にも慣れてきて、だいぶこなれてきた。
唄もの「茫洋」は、病み上がりで咳が出だすと止まらない状態だったので、できるかどうか不安だったのだが、まあなんとか。
曲間のささやかな演出も含め良い流れが作れたとは思うのだが、終演後ハコのスタッフさんから「(ハセさんのソロプログラムならば)もっと緊張感出しても良いのでは?」というご意見も出た。またお客様から「セットリストとか、曲解説が欲しい!」というご意見も。ハイ、今後善処します!(笑)。
後半の林正樹さんとのデュオは、やはり刺激満載の45分だった。
事前のリハでも、現場に入ってからも、林さんの口からは常に物腰柔らかく、それでいてヒジョーに難しい提案・リクエストが繰り出される。それもこれも、全ては「みんながハッピーになる音楽」をその場に出現させるための提案であることはこれまでの共演でよくわかっているので、俺は時間の限り、全身全霊を持ってトライすることに決めている。彼には俺に見えていない世界が見えている。だから、トライすることによって想像もしなかったような音楽がそこに生まれることもあって、まさに「目からウロコ」を、本番中に体感するのである。「ボレロ」も「五七の魔法」も、このデュオならではの世界を創出できたと、思う。
限られた時間、制約の中で、やっつけ仕事にせず真摯にその場の音楽・ステージづくりに取り組んでくれる仲間・スタッフとの仕事を終えた後の満足感は、えも言われぬご褒美だ。林さん、スタッフの皆さん、本当にどうもありがとう!
さて、次なる公演が迫っている。
来週末は沼津での、完全ソロ公演だ。
一切の装飾物が取り払われた、コンクリート剥き出しのビルの1フロア。夜になると目の前の沼津駅や近隣のネオンが輝いているが、ガラス一枚隔てた内側は、世の中から取り残されてしまったような、無機質な空気が漂っている。常設のステージも、照明も、客席もない。
この空間で、どのような音を描くか。
演奏予定の曲はおおむね絞ってあるが、決定は来週現場入りしてからだ。仮設の照明を組み、客席をこしらえ、音を出してから、決める。こういう舞台の作り方は、初の試みだ。1週間かけて、沼津ラクーン8階に、魂を吹き込みます。
これまでに見たことのない はせみきたのステージになること間違いなし。俺が未経験なのだから(笑)。
ぜひ皆さん、お越しください。
「独奏夜会」
出演:はせみきた(太鼓 ほか)
2月15日(土) 18:00開場 18:30開演
沼津ラクーン8F(JR沼津駅南口より徒歩2分)
詳細は こちら
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年末年始の「鬼スケ」を無事乗り越え、ホッと一息。
大晦日のカウントダウンを終え、夜走りで静岡に戻り、「サントムーン柿田川」で恒例の新春ライブをズミ氏と。翌日再び大阪へ、3日に森ノ宮ピロティホールで英哲師匠のコンサート。3年越しにやっと実現した山下洋輔さんとのデュオは、聴き応え満点の熱い演奏だった。戻って5日には我が教室「UTSU-LA(ウツラ)」の発表会。受講生一同、本当によく頑張りました!終演後、皆の高揚した顔を見て「やってよかった」と実感。みんな、お疲れ様!
今週は、たっぷりと一人稽古に没頭している。
今週末の亀戸カメリアホール「和っしょい」の四人囃子、来月1日のスターパインズのソロ&林正樹氏とのデュオ、そして14、15日の沼津ラクーンでの「どソロ」に向け、あれこれと内容固め、小物作りそして稽古に、たっぷり時間を費やしている。
じっくり稽古に勤しむのは久しぶりで、なんとも贅沢な時間だ。リズムのキレ、響きの豊かさ、様々な音色やタッチを追求しひたすら打ち続ける…時間を気にせず、存分に取り組める環境あってこその稽古。太鼓を始めて36年、プロの道に入って20年経つのに、未だに発見の連続。太鼓って、面白い!
たまたまTVのバラエティ番組を観ていたら、ラグビー日本代表の「笑わない男」稲垣選手が、「正月に一年の目標を立てるのは当たり前でしょ」と言っていた。
「そうだな、目標立てなくちゃな」と思った時にふっと頭に浮かんだのが、
今年は「人を思って太鼓を打つ」
である。
聴いてくれているお客様、ともに舞台に立つ共演者や仲間達、記憶の中の人、想像上の人、生徒たち、家族…。
ステージで演奏している時も、一人稽古している時も、教室のレッスン中も。
その場にいる人いない人、その時々でいろんな人を思い、太鼓を打とうと思う。
漠然として我ながら意味ワカラン(苦笑)が、これが今年の俺の目標。
いつかどこかで、あなたのことを思って太鼓を打ってるはずです。
さあ、明日も稽古に励もう!!
(元旦サントムーンにて。ズミ氏と)
]]>今年の年越しは大阪のフェニーチェ堺にて関西フィル、タップダンサーの熊谷和徳さんほか豪華出演者に混じって英哲組でカウントダウンイベントに参加。昨日から大阪入りして絶賛リハ進行中。
明日はカウントダウンを終えたらすぐに出発、地元「サントムーン柿田川」の新年初売りの10時開店と同時に始まる「新春和太鼓ライブ」に間に合うよう、ダッシュで夜走りの予定!(終えて3日の英哲大阪公演のためまた即大阪に戻ります 苦笑)
さあ今年最後の投稿は、前回の「つくったぞ」特集に続き最近の「もらったぞ」特集で。
■「送って」もらったぞ
東北ツアーの旅にお世話になり、今回もライブ+ワークショップを企画してくれた、岩手花巻の『銀河の里』から、施設のお便りとともにリンゴとお米が届いた。どちらも家族で美味しくいただきました。通信は里の日々の活動の中でのドラマや発見、葛藤が満載で、里で過ごす時間と同じく濃密な内容だった。里とのご縁も10年近い。こうしてご縁が繋がれていることは、本当に嬉しい。
■「描いて」もらったぞ
先日栃木益子の「益子天人疾風の会」15周年記念コンサートに、チーム英哲で出演。師匠作の組曲が見事に「自分たちのもの」として磨き上げられており素晴らしかった。メンバーさんの一人が我々の似顔絵を一枚の色紙に描き上げてくれていた。こちらもすごいクオリティ!
そして、もう17、8年指導に行っている「清水つつみ太鼓」のメンバーさんは、版画の題材にワタクシを起用してくれ「こんなになりました〜」と、プレゼントしてくれた。
「肩のあたり、ちょっと盛っておきましたよ♪」と。大きなお世話じゃ!(笑)でも嬉しかった。
ちなみにこれがオリジナル。
■「飲ませて」もらったぞ
三島市内のバー「Tom Collins」さんで試飲させてもらった、ニッカのカフェグレーン。うんちく聞いたが酔っ払ってたので覚えてない(笑)。でもめちゃくちゃ美味しかった。
■「乗せて」もらったぞ
トヨタのディーラーに愛車くんの点検に行ったら「待ってる間に、よかったら試乗しませんか?」と、オープンカー「COPEN」を差し出された。普段に比べたら、まるで地べたに座って運転してるみたいだった(笑)。でもメチャ楽しい。ま、一生縁のない車でしょうが(笑)。
■そのほか
豪州ゴールドコーストから訪れてくれた「Toko-ton」のmason夫妻のお土産クラフトビール、東北ツアーの手土産にもたせてくれた銀河の里オリジナルの「シードル」、教室の生徒さんからいただいた日本酒の名門久保田とアウトドアのsnow peakのコラボ商品、海外のお土産にもらったオリーブオイル、静岡県産の高級オリーブオイル、ハワイのコナコーヒー…。
どれもこれも本当にありがとうございます。アル中にならない程度にゆっくりいただきます(笑)。
本年もたくさんのご声援どうもありがとうございました。
自主企画のライブは少なめでしたが、ズミ氏との東北ツアー、音楽祭のプロデュースなどの大仕事を、たくさんの周囲のお力添えを得ながらやりきる事ができたのは、大きな収穫だったなと。
来年も、一歩一歩の小さな積み重ねを、腐らず、諦めずそして楽しみながら、進歩していけたらと思ってます。
みなさま、よい年越しを!
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年末年始の「鬼スケ」に向け、リハーサルが乱立進行中。昨日今日は英哲師匠の今週末の益子から年明け3日の大阪公演までの集中リハを泊りがけで実施中であるが以下にその他のリハ・稽古レポートを…
■1月11日「和っしょい」のリハを、四人囃子メンバーで実施。楽曲リハをしながら流れを皆で話し合い、曲目を差し替えたりしていい感じで内容が固まった。この4人でやるのは初めての楽曲が2曲、たたら氏の「かがり田楽」はこれまでにない大幅アレンジを加えた形になり、四人囃子ライブならではの骨太サウンドに新たな新鮮味も加わったと思う。当日はさらにゲストの木津かおりさんの民謡、鏡味味千代さんの太神楽も入っての豪華なステージがお楽しみいただけると思います。チケットまだあるようですので、ぜひお越しください。1月11日は、亀戸カメリアホールへ!
■14日には我が太鼓教室「UTSU-LA」発表会のリハ。
4クラス合同での稽古はこの日1日のみなので、生徒さんもセンセーもめっちゃ頑張った!全体像が見えてきて、皆の目の色もぐっと変わってきた。本番は、個々の出せるものを全部出し切って、良い演奏会にしたいものだ。出演者諸君、ファイト!
■翌15日には、オーストラリアゴールドコーストの「太鼓TOKO-TON」のSteve&Chie夫妻が来訪。
彼らとは長く、濃密な付き合いをさせてもらっている。今回は3時間ほどしか取れなかったがレッスンをして彼らの新曲にアドバイスを。この時代、太鼓といっても本当に様々で、海外に出て演奏・指導をしているプロもたくさんいる中で、「HASEサンに!」と自分を選んでくれ、来日の度のレッスンだけでなくオーストラリアでの公演・ワークショップも企画してくれる彼らの熱意には、本当に感謝である。来年訪豪の機会を是非…と熱く話してくれた。楽しみに待ってます!
てな感じで、このところステージからは遠ざかっているが、稽古&リハの合間にいろいろと作り物に勤しんでおりました。半ば以上趣味の領域とも思われるが(笑)。
■太鼓台
発表会で「ようそろ囃子」の台が2つ必要になり、1台追加で作成。材料は稽古場にあったストックと、旧稽古場の解体資材で。制作費はペンキ台のみ。ホゾ穴も開け、かなり一生懸命作ったぞ。
完成台の横にある謎のアルファベットは…ナイショ。
■切り株イス
これは伊豆で開かれた、間伐材を使って木工を楽しむワークショップに参加して製作。実際に林の中から木を切り出し、チェーンソーとグラインダーを使って2時間ほどで完成。他にベンチやテーブルなどを作ってる人もいて、木のフレッシュな匂いが辺り一面に漂い非常に楽しい一時だった。
■チラシ
これは趣味じゃない(苦笑)。予算がなく頼める人がいないので仕方なく…だが、もうかなり長いことやってるのでイラストレーターにも慣れてきて「イヤ」ではなくなってきた。ライブ二本のチラシと発表会のプログラム。それぞれの公演への思い入れも強くなります。。。
■うどん
どうしても美味しいうどんが食べたくなり、昆布にぼし削り節を買ってきて真面目に出汁をとり、地元裾野の「須山うどん」を茹でた。やっぱちゃんとダシとると美味い!ほかにも「タンメン」やら「たこ焼き」やらここのところちょくちょく料理してるが、いっつも写真撮り忘れるんだよなぁ…。
そうそうたこ焼き機はプレゼントでもらったのですが、次回は最近もらった「いただき物」の紹介でもしますか!(笑)
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