演奏後記 蝶となり鬼となり仏となり…

 

沼津ラクーンビル8階での『独奏夜会』を無事終え、

会場のリセット、稽古場のリセットもようやく終え、

あまりに濃密な1週間だったので、心のどこか一箇所がポコッと穴が空いているような…。

おかげさまをもちまして、14日のプレ公演を合わせて90名近いお客様にご来場いただき、大成功と呼べる形となりました。

 

 

あの公演を構成するにあたり、そして一曲一曲を形にしていく上での思いというものをどうしても残しておきたいと思い、以下に綴ります。読みたい方だけ目を通していただければ。

 

 

オープニング「風をゆく」

今回のライブをやるにあたって、ビルの1フロアといういわゆる劇場ではない特殊な空間と、そこに漂う空気や時間の流れを、その場にいる人皆と「共有したい」という気持ちが念頭にあった。「日常空間からエレベーターを上がってなんだか不思議な場所にやってきて、ライブが始まったと思ったらさらに別の次元にスリップしちゃった」というような。開演時間前から桶太鼓の調緒を調整しているところから見せていたのはそういう意図があって、このオープニングとラストの大太鼓の中でスローモーションの動きを取り入れたのは、時空の歪み的なものを表現したかったのだがその感じが出せたかどうか。次のシーンへの移り変わりの演出は、スーパーバイザー・ズミ氏のアイデアも取り入れて、とても気に入っている。

 

セット曲「又三郎」

ループマシンを使用し、自分の打った下拍子のリズムに合わせて即興演奏を展開していく曲。

好き嫌いの分かれる演目だと思う。稽古を積み回数を重ねるごとに「こなれて」きた感触はあったのだが、本番はやはり難しい。。。プレ・本公演いずれもトラブル発生、比較的落ち着いて対処はできたものの、うーん、とにかく「難しい」の一言に尽きる。

 

語り打ち「八郎」

子どもの頃から大好きだった斉藤隆介氏の『八郎』は、いつか自分の作品の題材にしたいと思っていた。太鼓を打ちながら「語る」ということには10年近く前からチャレンジしていて(知る人ぞ知る「Turtle`s Dream」という演目)、今回一つの形にできたことは非常に感慨深い。演じるにあたっては「空間に助けられた」という思いが強い。プレ公演にひょっこり顔を出してくれた元相方・岡田寛行のダメ出し(笑)を受け、本公演はもう一段階クオリティを上げられたように思う。(岡田はこの「打ち語り」を活動の主軸の一つにしています。機会があれば是非)

 

ハングドラム「茫洋」

「八郎」からのこの流れはとても気に入っている。

今回は照明に徹してくれたズミ氏とのデュオでもやっているので、自分の耳の中にはズミ氏の太鼓も聴こえてきていた。今年秋口にはまたズミ氏とのプチツアーを計画中なので、お楽しみに!

 

締太鼓とドラ「砂丘の星空」

アンケートを拝見すると、この曲が好き、という意見が意外に多くて驚いた。

締太鼓や銅鑼の硬質な音の粒を星の瞬きや砂の粒になぞらえて、音のない世界を音で表現しようという、極めてマニアックな演奏という意識が自分の中にあるので。派手なアクションもなし、乗れるリズムでもなし、演る側も聴く側も緊張を伴う演目だと思うが、あの空間にはとてもマッチしていたのかも。

最後の大太鼓に行く前に、会場をぐるっと回ってみた。今回は窓を背にする客席のレイアウトにしたので、自分が歩き回ることで外の景色に目をやる機会が作れるかなと。あの演奏の流れの中でふと窓の外の景色を見たとき、みなさんは何を感じたのだろうか…。

 

大太鼓「空穿ちて道ひらく」

いつもより余計に打ってみました(笑)。

近年、「楽器を鳴らす」ことへの理解が少し深まってきて、それが具現化できる体に少しずつ近づいてきている実感はあるのだが、師匠のように、楽器を鳴らすだけでなく、音を発した後の、その場に響き漂う音まで操るような演奏になるまでには、まだまだ先は長いと痛感。精進します。

アンケートには

「バチの描く軌道が、蝶のよう」

「ものすごいエネルギー 鬼を感じた」

「空間が一瞬寺院の本堂に はせが仏像になった」

など、身に余る感想をいただいた。

 

俺は俺自身として、あるいは何者でもなくただ音を発する源としてあの場にいたつもりですが、自分の音と姿からお客様がいろいろに想像を馳せてくださったのなら、この上なく嬉しい、ガッツポーズもんです。

 

 

今回、会場の使い方を決め客席のレイアウトを考え、照明のプランを練り、配線を工夫し、会場のしつらえ(幕吊り、受付、最低限の案内の掲示など)を整え…と、全てを自分でやった。本当に濃密で、有意義な5日間だった。

そしてそのうちの3日間を、共にあの空間をつくりアイデアを注ぎ込んでくれた「小泉謙一」この人がいたからこそ、成し遂げられたことであるのは言うまでもない。

 

今回ほどの大掛かりなことができるかはわからないが(自分的にはかなりな大掛かり、だったんです)、あの場所ならではのパフォーマンスというものを、場所を使わせてもらえる限りはなるべく定期的に開催していければと思っている。

次回の開催を、ご期待ください(首を長めに伸ばして、ね 笑)。

 

 

ありがとうございました。

 

 

 


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太鼓奏者・はせ みきた

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