目指すステージ

八丈太鼓や、三宅島神着木遣太鼓の達人の方が、太鼓屋さんから楽器をレンタルするのに念入りに音のチェックをしている光景を度々見たことがある。

楽器を演奏する者としては当然の行為であるが、太鼓の世界ではあまり「当たり前」の光景とも言えなかったりする。

先に述べた芸能の方たちが念入りに音選びをするのは、一つの太鼓だけを用いて、その音色と自分達の技のみで勝負するパフォーマンスだからだ。どんなに技が冴えていても音が悪くては受け手に届かないし、なにより音が悪いと打ち手の気分も乗らない。要素が少ない分、音にも技にもよりシビアなものを求めるのだ。とてもよく分かる。

 

ソロ演奏の良さというのは、集団では際立ちにくい、一つ一つの楽器の音色が味わえること、そして奏者のテクニックだけでなく、立ち姿や表情、息づかいまでひっくるめて奏者その「ひと」を感じられることだと思う。(翻って演じ手としては、そこがとても怖いところでもあるのだが)

 

 

話が飛ぶが、昨年末の「紅白歌合戦」を見ていて、「歌(音楽)がまるきり入ってこない」現象があまりに多くて閉口した。

大所帯のアイドルグループのダンスはカワイイが、画面がちゃかちゃかとスイッチしすぎて全く曲が響いてこない。ベテラン演歌歌手も、ダンスとの意味不明なコラボで音楽に集中できない(単体で味わえば歌・ダンスどちらも素晴らしいはずなのに)。個人的にはMISIAの歌唱力と、星野源の楽曲の世界がストレートに伝わってくるパフォーマンスが素晴らしかったと思う。

 

「派手さ」「わかりやすさ」に過剰なウエイトを置いた演奏・ステージパフォーマンスでは、音楽そのものの深みや演奏からにじみ出る奏者の「ひと」というものはどんどん感じにくくなってきているように思う。同様の風潮が「太鼓」「和楽器」の世界でも広がってきているが、特に「一音に魂を込める」ところにその素晴らしさを求めてきた日本の楽器の場合、上述のような表現だけではその魅力を届けるには片手落ちなのではないか、と思う。

 

 

3月1日の私のコンサートは、必要最低限の装飾と照明、音響の効果とともに、音で、我が身で、様々な幻想風景に挑みます。

映像もないし豪奢な舞台セットもないが、ここでしか味わえない感動や発見が、きっとあるはず。

 

みなさまのご来場を、心よりお待ちしております。

 


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太鼓奏者・はせ みきた

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