強烈なインスピレーション

寒さが身にしみる季節となってきた。気がつけば今年もあとひと月あまり。早いものだ。

20日の静岡AOI「チャリティコンサート Smile! Smile!! Smile!!!」は、前半太鼓の独奏、後半は琵琶と語りの独奏というシブーい公演だったが、それぞれの楽器の音色、奏者の世界観をストレートに味わっていただけ、評判も上々だったようだ。

琵琶奏者の坂田美子さんは、とても物腰柔らかく上品な方で「太鼓が先で琵琶が後なんて、順番が逆の方が…」と遠慮がちにおっしゃっていたが、そのパフォーマンスは誠に重厚で繊細で、かっこよくそして美しかった。あの1音と1声で一気に時を超え古の世界にタイムスリップする感じ…機会があれば是非今度は、共演したい!

 

さて今月は、坂田さんの他にも素晴らしい音楽との出会いがあった。

 

◆11月10日「360°マリンバ」

沼津の「よしもと劇場」があるラクーンビルの6階。1フロア丸ごと、あらゆる装飾を取り払ったフリースペースの中央に、六芒星のように並べられたマリンバ。沼津市出身で現在はベルギーを拠点に活動している鈴木彩さん率いる6名のマリンバ奏者が闇から現れ、彩さんが構成した楽曲群を奏でながら現行世界とパラレルワールドとを行き来する。既存の楽曲で構成されていたそうだが、そこで生まれた世界は完全に彩さん独自のものとなっていた。声とマリンバ。動きと息づかい。たったこれだけの要素で、いくつもの景色、感情が走馬灯のように現れ、消えていった。1時間ほどのステージだが、本当に素晴らしかった!空間も、非常にシンプルな照明演出も、とても良かった。鈴木彩さん。共演したい人がまた一人増えた。しかしあの空間に太鼓が轟いたらどうなるだろうか…(よしもとさんから苦情くるだろうな 笑)

 

◆11月23日 上妻宏光「STANDARD SONGS feat.佐藤竹善」

上妻さんが隣町の函南町に来られると知り駆けつけた。2010-11年とそれぞれ丸1月づつ、アメリカ中西部の小都市でワークショップと公演をして回るという、恐ろしく濃厚でハードな旅をご一緒させていただいた。その時のピアニスト・野崎陽一さんもいらしてて、開演前にお邪魔した楽屋で同窓会のようなノリで話に花が咲いた。

竹善さんを生で聴いたのは初めてだったが、なんと幅の広い、そして奥深いプレイをなさる方か!語りかけるような歌声から見事なスキャット、そして迫力・音圧とも違うのだが圧倒的に空間を埋め尽くしてしまうようなロングトーンまで、上妻さんの言葉を借りるれば「縦軸と横軸がどこまでも伸びている」表現だった。

コンサートの内容はあくまで「お客さんを楽しませる」ことに徹していて、ポップスからジャズ、津軽民謡のソロ、レゲエまで皆が一度は耳にしたことがあるナンバーをこの3人ならではのサウンドにして届けられていた。1曲の中でほんの数フレーズしか弾かないとしても、そこにあるのはゆるぎなく「上妻サウンド」であり、余計な主張はしない、でもその存在感は明確であるところが、上妻さんの凄さ、かっこよさだ。トークも素晴らしく、客席は終始「よろこび」に満ちていた。終演後のCDの売れること!コンサートの出来の良さそのままだ。

静岡まで移動し打ち上げにも参加させていただいた。楽しく貴重なミュージシャントークに酔い、なぜか筑前さんのマネージャーNさんと意気投合してひさびさに明け方まで「痛飲」してしまった。

 

◆11月25日 石坂亥士「螺旋のグルーブ」

本郷の東大にほど近い「求道会館」。前々から気になっていた空間だ。

ガイシさんと出会ったのははるか前、俺がこの世界に飛び込もうかどうしようか迷っていた頃だ。

ガイシさんは神楽太鼓を中心に、世界中の新旧さまざまな打楽器を操る。ガイシさんと俺は楽器は同じでもその演奏内容は「真逆」なくらい違う。俺の打つ音が「直線」的なのに対し、ガイシさんは「うねる」。

この日のライブはタイトル通り、言ってみれば「怒涛の倍音シャワー」だ。

前半はさまざまな金属楽器たち、後半は神楽太鼓一つ。音がうねりうねる。ひたすら繰り返されるリズムの中で潮の満ち引きのような、どこからともなく吹く風のような「ゆらぎ」が生まれる。前半が終わった時点で耳を丸洗いされたような感覚になりトイレのおしっこの音まで美しく聴こえた(笑)。誤解を恐れずに言うと非常にマニアックな音楽だが、好きな人にはたまらなく贅沢なひと時だったに違いない。求道会館のスペースが絶妙にちょうど良かった。

飛び入りでピアノ演奏をしてくれたエドゥアルド・デルガード氏がまた素晴らしかった。

ガイシさんとはきっと近いうちに、音を重ねることになるだろうとなんの根拠もない確信を持った。イコール、そういう場を作ることになるだろう。

 

どの公演も出会いも本当に素晴らしすぎて、一切写真がない。しかしこの濃厚な四つの公演は、来年以降の俺の活動、表現にとって大きな刺激となるだろうことは間違いない。

お楽しみに。

 


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太鼓奏者・はせ みきた

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