演奏後記 蝶となり鬼となり仏となり…

 

沼津ラクーンビル8階での『独奏夜会』を無事終え、

会場のリセット、稽古場のリセットもようやく終え、

あまりに濃密な1週間だったので、心のどこか一箇所がポコッと穴が空いているような…。

おかげさまをもちまして、14日のプレ公演を合わせて90名近いお客様にご来場いただき、大成功と呼べる形となりました。

 

 

あの公演を構成するにあたり、そして一曲一曲を形にしていく上での思いというものをどうしても残しておきたいと思い、以下に綴ります。読みたい方だけ目を通していただければ。

 

 

オープニング「風をゆく」

今回のライブをやるにあたって、ビルの1フロアといういわゆる劇場ではない特殊な空間と、そこに漂う空気や時間の流れを、その場にいる人皆と「共有したい」という気持ちが念頭にあった。「日常空間からエレベーターを上がってなんだか不思議な場所にやってきて、ライブが始まったと思ったらさらに別の次元にスリップしちゃった」というような。開演時間前から桶太鼓の調緒を調整しているところから見せていたのはそういう意図があって、このオープニングとラストの大太鼓の中でスローモーションの動きを取り入れたのは、時空の歪み的なものを表現したかったのだがその感じが出せたかどうか。次のシーンへの移り変わりの演出は、スーパーバイザー・ズミ氏のアイデアも取り入れて、とても気に入っている。

 

セット曲「又三郎」

ループマシンを使用し、自分の打った下拍子のリズムに合わせて即興演奏を展開していく曲。

好き嫌いの分かれる演目だと思う。稽古を積み回数を重ねるごとに「こなれて」きた感触はあったのだが、本番はやはり難しい。。。プレ・本公演いずれもトラブル発生、比較的落ち着いて対処はできたものの、うーん、とにかく「難しい」の一言に尽きる。

 

語り打ち「八郎」

子どもの頃から大好きだった斉藤隆介氏の『八郎』は、いつか自分の作品の題材にしたいと思っていた。太鼓を打ちながら「語る」ということには10年近く前からチャレンジしていて(知る人ぞ知る「Turtle`s Dream」という演目)、今回一つの形にできたことは非常に感慨深い。演じるにあたっては「空間に助けられた」という思いが強い。プレ公演にひょっこり顔を出してくれた元相方・岡田寛行のダメ出し(笑)を受け、本公演はもう一段階クオリティを上げられたように思う。(岡田はこの「打ち語り」を活動の主軸の一つにしています。機会があれば是非)

 

ハングドラム「茫洋」

「八郎」からのこの流れはとても気に入っている。

今回は照明に徹してくれたズミ氏とのデュオでもやっているので、自分の耳の中にはズミ氏の太鼓も聴こえてきていた。今年秋口にはまたズミ氏とのプチツアーを計画中なので、お楽しみに!

 

締太鼓とドラ「砂丘の星空」

アンケートを拝見すると、この曲が好き、という意見が意外に多くて驚いた。

締太鼓や銅鑼の硬質な音の粒を星の瞬きや砂の粒になぞらえて、音のない世界を音で表現しようという、極めてマニアックな演奏という意識が自分の中にあるので。派手なアクションもなし、乗れるリズムでもなし、演る側も聴く側も緊張を伴う演目だと思うが、あの空間にはとてもマッチしていたのかも。

最後の大太鼓に行く前に、会場をぐるっと回ってみた。今回は窓を背にする客席のレイアウトにしたので、自分が歩き回ることで外の景色に目をやる機会が作れるかなと。あの演奏の流れの中でふと窓の外の景色を見たとき、みなさんは何を感じたのだろうか…。

 

大太鼓「空穿ちて道ひらく」

いつもより余計に打ってみました(笑)。

近年、「楽器を鳴らす」ことへの理解が少し深まってきて、それが具現化できる体に少しずつ近づいてきている実感はあるのだが、師匠のように、楽器を鳴らすだけでなく、音を発した後の、その場に響き漂う音まで操るような演奏になるまでには、まだまだ先は長いと痛感。精進します。

アンケートには

「バチの描く軌道が、蝶のよう」

「ものすごいエネルギー 鬼を感じた」

「空間が一瞬寺院の本堂に はせが仏像になった」

など、身に余る感想をいただいた。

 

俺は俺自身として、あるいは何者でもなくただ音を発する源としてあの場にいたつもりですが、自分の音と姿からお客様がいろいろに想像を馳せてくださったのなら、この上なく嬉しい、ガッツポーズもんです。

 

 

今回、会場の使い方を決め客席のレイアウトを考え、照明のプランを練り、配線を工夫し、会場のしつらえ(幕吊り、受付、最低限の案内の掲示など)を整え…と、全てを自分でやった。本当に濃密で、有意義な5日間だった。

そしてそのうちの3日間を、共にあの空間をつくりアイデアを注ぎ込んでくれた「小泉謙一」この人がいたからこそ、成し遂げられたことであるのは言うまでもない。

 

今回ほどの大掛かりなことができるかはわからないが(自分的にはかなりな大掛かり、だったんです)、あの場所ならではのパフォーマンスというものを、場所を使わせてもらえる限りはなるべく定期的に開催していければと思っている。

次回の開催を、ご期待ください(首を長めに伸ばして、ね 笑)。

 

 

ありがとうございました。

 

 

 


「音魂夜会」終え、「独奏夜会」へ。

 スターパインズカフェ「音魂夜会」無事終了。

 

 前半のソロ、構成はなかなかうまくいったと思う。

ループマシンを使用しての演目「又三郎」は、演奏しながらの機械の操作にも慣れてきて、だいぶこなれてきた。

唄もの「茫洋」は、病み上がりで咳が出だすと止まらない状態だったので、できるかどうか不安だったのだが、まあなんとか。

曲間のささやかな演出も含め良い流れが作れたとは思うのだが、終演後ハコのスタッフさんから「(ハセさんのソロプログラムならば)もっと緊張感出しても良いのでは?」というご意見も出た。またお客様から「セットリストとか、曲解説が欲しい!」というご意見も。ハイ、今後善処します!(笑)。

 後半の林正樹さんとのデュオは、やはり刺激満載の45分だった。

事前のリハでも、現場に入ってからも、林さんの口からは常に物腰柔らかく、それでいてヒジョーに難しい提案・リクエストが繰り出される。それもこれも、全ては「みんながハッピーになる音楽」をその場に出現させるための提案であることはこれまでの共演でよくわかっているので、俺は時間の限り、全身全霊を持ってトライすることに決めている。彼には俺に見えていない世界が見えている。だから、トライすることによって想像もしなかったような音楽がそこに生まれることもあって、まさに「目からウロコ」を、本番中に体感するのである。「ボレロ」も「五七の魔法」も、このデュオならではの世界を創出できたと、思う。

 

 限られた時間、制約の中で、やっつけ仕事にせず真摯にその場の音楽・ステージづくりに取り組んでくれる仲間・スタッフとの仕事を終えた後の満足感は、えも言われぬご褒美だ。林さん、スタッフの皆さん、本当にどうもありがとう!

 

 

 さて、次なる公演が迫っている。

来週末は沼津での、完全ソロ公演だ。

一切の装飾物が取り払われた、コンクリート剥き出しのビルの1フロア。夜になると目の前の沼津駅や近隣のネオンが輝いているが、ガラス一枚隔てた内側は、世の中から取り残されてしまったような、無機質な空気が漂っている。常設のステージも、照明も、客席もない。

 この空間で、どのような音を描くか。

演奏予定の曲はおおむね絞ってあるが、決定は来週現場入りしてからだ。仮設の照明を組み、客席をこしらえ、音を出してから、決める。こういう舞台の作り方は、初の試みだ。1週間かけて、沼津ラクーン8階に、魂を吹き込みます。

 これまでに見たことのない はせみきたのステージになること間違いなし。俺が未経験なのだから(笑)。

ぜひ皆さん、お越しください。

 

「独奏夜会」

出演:はせみきた(太鼓 ほか)

 

2月15日(土) 18:00開場 18:30開演

沼津ラクーン8F(JR沼津駅南口より徒歩2分)

詳細は こちら

 

 

 

 

 

 

 


2019夏 その4とばしてその5 〜音楽祭に寄せて

台風15号は進路がすこしそれて神奈川以東の方が大きな被害を被ったようで、お見舞い申し上げます。在住の裾野市は夜通しものすごい風雨だったが明け方から天候回復、大事には至りませんでした。

 

さて、レポートその3の「ズミはせ東北ツアー」は31日に全行程を無事に、大成功のうちに終了。

旅の模様やらあちこちでお世話になった方々へのお礼を述べたいところだが、時は留まることなく先へ先へと進み…。

レポートその4はその2とともに後日必ず上げますので、今回は「その5」。

 

 

東北ツアーから戻り、収支の勘定も後回しで脳ミソを切り替え…

現在は「平山佐知子とつくる音楽祭」真っ只中。

 

参議院議員・平山佐知子さんが主催・ナビゲーションを務める「平山佐知子とつくる音楽祭」。

広く一般の方に平山氏の活動の一端を知っていただき、音楽祭収益を政治活動の資金とさせていただく、いわゆる「政治資金パーティー」というカテゴリに当たるわけですが、党からの割り当て資金のない無所属の議員さんが活動の礎を築く方法としては至極真っ当で粋なやり方だと、俺は思っている。もちろん自分も「仕事」として、ギャラをいただいてこの音楽祭に携わっています。

 

さてご縁あってこの音楽祭には昨年の第一回に引き続き連続出演。しかも演奏だけでなく音楽祭全体の構成・演出も任されており…半年以上前から水面下で仕事しておりました。

ジャンルにとらわれずバリエーション豊かな演奏を楽しんでいただこうということで、今年も面白い顔ぶれとなった。

 

 和太鼓 はせみきた

 アルゼンチンタンゴ 柴田奈穂(ヴァイオリン)

 声楽 大石陽介(バリトン)、大石真喜子(ソプラノ)、馬場祥子(ピアノ)

 

基本的にはガラ・コンサートスタイルで、後半に出演者勢揃いでのコラボレーションに挑戦。元アナウンサーの平山氏も、詩の朗読で参加。

譜面を書いたり台本を作ったり、ストップウォッチ片手にシミュレーションしたり…ない知恵を絞り出して精一杯段取りした。

まだ最終公演(三島)が残ってるのでネタバレは避けるが、出演者の皆さんが自分の拙い演出の意図を十二分に汲んでくれ、取り組んでくれているのが非常に嬉しい。各々畑は違えどもそれぞれの世界で培ってきた経験を生かして、期待以上のパフォーマンスで応えてくれている。また1週間で県内3公演、技術スタッフも同じ顔ぶれで、公演内容に磨きがかかっていくのが実感できるのが、本当に楽しい。共演者・スタッフ皆のおかげで、自信持って心からお勧めできるコンサートとなってます!

 

13日金曜日の三島市民文化会館が最終公演。大仕事の仕上げだ。

このようなチャンスをいただけたことに、心から感謝。

 


2019夏 その1

少し前に「今年は冷夏」という噂も聞いたが、どっこいシッカリ暑いですな。。。

 

 

先月末の「沼津夏まつり」。土曜日は天候不順でお祭り自体が中止になったが、我々出演の日曜は好天に恵まれ、教室生とともに60分を2ステージ、汗だくで敢行。

 

翌週8月4日は、朱鷺たたらとのデュオ[BOK・SUI]の東京ライブ。

結成から丸2年。ライブを重ねるごとに「手応え」が増している。

演奏内容はもちろん、ライブ全体の組み立てやユニットとしての「コンセプトの共有」みたいなものが、深まっているように思う。デュオのユニットだから二人で作り上げるのは当たり前だが、その中でお互い「相手に任せる」部分もできてきた。信頼とリスペクトがあればこそ、そして完成系がイメージできているからこそだ。

新演目「胸中山水」はなかなか好評だったようだ。アンケートで数名の方が「刮目(はせソロ)」を絶賛してくれていたのも、素直に嬉しい。

 

 

8月はまだまた大きな仕事が続く。今月は「終日休み」がゼロだが、BOK・SUIライブの前夜地元裾野市の花火大会へ。地元贔屓もあるが、本当に素晴らしかった。翌ライブ当日の朝は、出発時に見事な富士山を拝めた。この夏を乗り切るのに、最高の贈り物だった。

 

 


[BOK・SUI]ライブに向けて 刺激のシャワー

このところ運動中に肩に激痛が走ることがしばしばあり、おっかなびっくり様子見い見いで稽古は控えめに、8月の[BOK・SUI]、ズミ氏との東北ツアー、そして9月の大仕事に向けての資料や譜面作成の日々…。

その合間に良い舞台・良い音楽に触れて、創作や演奏への意欲を高めております。

 

21日は、静岡市の日本平野外劇場へ。

以前自分も出演させていただいた、ダンスカンパニー「K`sPro.」さんの公演を観に。

今年は完全なオリジナル作品で、平成の時代をダンスで振り返る趣向。例年素晴らしい舞台が見られるのだが、今年自分は特に、カンパニーを率いる森本京子さんの「すごさ」に打たれた。ダンサーとして、創作者として、指導者として、リーダーとして、その全てにおいて優れた方だからこそのこの公演。出演者はもちろん技術班、制作班の皆さんも一同京子さんが好きで、その舞台に関わりたいという熱意がいろんな形で伝わってくる。

音楽を一手に引き受けられていたヴァイオリンの中西俊博さん、終始素敵でした!

 

前後するが15日には笛と太鼓のデュオ「朋郎」ライブへ。内藤哲郎さんの精密機械のような両腕から放たれる正確で多彩な弾けるようなリズムの上で武田朋子さんの笛が踊る。ポップなサウンドが軽妙なトークと相まってとても心地よく、楽しい2時間だった。

哲郎さん打速がめちゃ速い。太鼓打ちの中でも打撃の繰り出し方で「パワー系」と「スピード系」に分けるとしたら(なんだか格闘技の話みたいだね)自分は結構なスピード系だと思っているのだが、哲郎さんのスピードは現時点で俺の知る中でトップかも。ストロークが短くてもしなやかかつ鋭いバチの振りで、音がでかい。

同じ「太鼓と笛のデュオ」でも[BOK・SUI]とは全然違う。聴き比べてみると、それぞれのカラーや音楽性というものがくっきりと見えてくるのではと思った。そんなライブがあっても面白いかも(興味ある人いますか?)。

 

というわけで、たっぷりの「刺激のシャワー」を浴びて、来る自身の舞台へのモチベーションもぐんぐん上昇中。まずは8月4日の[BOK・SUI]。今回はかなりストイックな内容となりそう。6月 に初披露した小曲集「胸中山水」や過去のライブ『陰陽の螺旋』で好評だった演目など盛り込み、一曲一曲、そしてライブ全体を通してドラマチックな展開を意識して構成。野太さと繊細さ、そして「情感」を大切に、我々ならではの表現をより前面に出していこうと思ってます。

ご予約まだまだ受付中です。ぜひ皆様お越しを!

 

8月4日(日) 12:00開場 12:30開演

南青山MANDALA(地下鉄外苑前駅より徒歩4分)

全席自由 ご予約3500円 / 当日4000円(+1ドリンク代)

【ご予約・詳細】は こちら まで。

 

 

 


「足で稼ぐ」が思い出させてくれた

最近遠のいていた「足で稼ぐ」戦法を、ちょくちょく実施している。

いよいよ日が迫ってきた[BOK・SUI]静岡2daysライブに向けての、追い込みである。

 

沼津・静岡の、チラシを置いてくれそうなお店、興味を持ってくれそうな人が集まりそうなお店に伺い、チラシを置かせてもらう。

とは言っても、当方小心者のため、たいていが知り合いのお店、知り合いに紹介してもらったお店がほとんどであるが。。。

 

静岡市内を回った今日は予報に反して昼間はピーカンの晴れ。

あっついのなんの!

 

 

写真はプロとしての演奏家稼業に片足を突っ込み始めた頃の同僚・兄貴分のシゲオさんのお店、静岡市敷地の「ジャルディーノ」さんのジェラート(焼きリンゴ味)。美味い、美味すぎる!コーヒーとの相性が抜群。シゲオさんとの会話も相まって、疲れが吹っ飛んだ。

 

あちこち回り、懐かしい人に会ってチラシを渡しながらほんのひと時の会話を交わす中で、「この人との出会いはこんなだったな」「この人はあの人に紹介されたんだっけな」と、昔のことを思い出す。

ジャルディーノ含め、本当にいろんな場所でライブやらせてもらったな。カフェ、ギャラリー、呉服屋、お茶屋、お寺、保育園、料理屋、廃校の教室…。

数え切れないご縁がつながって、今の自分が在る。

足で稼ぐ行為が、とても大切なことを思い出させてくれた。

 

置きチラシ、宣伝にご協力くださっている皆様、新たなご縁をつないでくれた皆様に、心より感謝。

 

りんむう 黒田呉服店 なんくる 花丁字 蒲原の味処よし川 光来堂 あらい接骨院 牛山精肉店 ジャルディーノ LIFE Cafe&Bar チュチュルリエ FARAO Silver Lamp mota ほか(順不同)

 

 

ところで、静岡市鷹匠あたりが、すごーくお洒落な雰囲気になっていて、驚いた。

その一角に、こんな素敵なフォントの屋号が。

 

ちなみになぜ今回、このように「足で稼ぐ」戦法に及んでいるかは、皆さん察しがつきますね。

ご予約ヨロシク!当日飛び込み来場も大歓迎っす!!


カウントダウン。

東京深川江戸資料館「幻想風景曲集vol.2『風の章』」コンサートまで、いよいよあと1週間。

目前に迫り、準備にバタバタと動き回る日々が続いている。

 

  劇場を借りての実地のリハ。広いスタジオ借りての動きの稽古。

  締太鼓を調律。一人じゃできないので小田原まで行ってツジタスクに手伝ってもらう。ついでにツジのも締め上げ。

  買い物。文房具店、釣具店、楽器店、電気店、手芸店etc.。

  布を切って加工。衣装用の地下足袋を自分で染める。

  チケット販売。配券。招待。郵送。原稿書き。メール。PCにかじりつき。

  本公演とは別の打ち合わせ。メール、電話。新たなご縁をいただいた食事会…。

  2〜3日前から突如花粉が襲来。きっつい。。。

 

合間に美味しいラーメンやら美味しくないラーメンやら楽しいお酒やら一人で海外ドラマ見ながら飲むお酒やらを挟みつつ、適度な緊張感の中本番までのカウンドダウンを数えている。

 

先日小濱氏とのリハも終え、本番通りのスペースでの動き確認も終え、あとは「いかに(太鼓で)歌えるか」「(動きやしゃべりも含め)どう磨くか」という段階だ。

 

大太鼓の稽古中、ここにきてまた体の使い方や皮面の打ち分けに関して新たな発見があった。

残り1週間という短期間で無意識でもやれるほど体得するのは難しいだろうが、やれるだけのことはやってみようと思う。

大太鼓正対打ち、まだまだ奥が深い。。。

 

 

先日、以前から親交のある神楽太鼓奏者の石坂亥士さんが、ご自身のブログで自分のことを紹介して下さった。

身にあまる言葉の数々で恐縮だが、あまりに嬉しかったのでこちらに転載させていただく。

 

「???和太鼓???と思うかもしれないが。。。

…星の数ほども居るであろう和太鼓奏者。イメージとしては、満天の星空を見上げるが如きである。空気が澄んでいる人里離れた場所では、星座すら見つけられないほどの星々が煌めいているわけで、そんな中から一つの星を見つけるのは至難の技だと言える。

 そんな和太鼓奏者の世界のことを全て知っているわけではないが、最近では、手を替え品を替え的に、有名な方に演出を依頼したり、衣装やファッションを今風な感じにしたり、皆さん試行錯誤しているようだ。

 個人的には、太鼓を打って良い音を鳴らすというシンプルなことこそ奥義ではないかなあ、と思えるのだが、なかなかそこを追求する奏者は少ないように見受けられる。

 今でこそいろいろな方がいるが、和太鼓界のレジェンドはやはり、林英哲さんだと思う。

 その一時代を築いてきた師匠の背中を見つつ、自分の道を追求している彼の音を、是非とも聴いておきたいのである。

 和太鼓の公演をおすすめすることはまずないが、彼の音は優しく、その誠実さも音に乗り、勿論力強さもあり、最近は聴くことが少なくなった和太鼓の世界が熱くて良かったころの、和太鼓本来の音を思い出させてくれると思うのだ。…」

 

こんな風に自分のことを見てくれている人が一人でもいるだけで、頑張れる。

そしてこの文章に触れた方が実際の俺の演奏に触れて「ほおーなるほど!」と思ってもらえるようなパフォーマンスを、しなくては。

 

 

石坂亥士さんとのライブを近いうちに実現したいと、今関係各所に働きかけ中である。

亥士さんの神楽太鼓、同じ「日本の太鼓」だが、自分とは全く異なるアプローチだ。

だからこそこれまでにないものが…と、あれこれ話したいことは、またの機会に。

 

 

はせみきたコンサート2019「幻想風景曲集vol.2『風の章』」

3月1日(金) 深川江戸資料館 小劇場

19:00開演 全席指定

詳細は こちら 

 

 

 


強烈なインスピレーション

寒さが身にしみる季節となってきた。気がつけば今年もあとひと月あまり。早いものだ。

20日の静岡AOI「チャリティコンサート Smile! Smile!! Smile!!!」は、前半太鼓の独奏、後半は琵琶と語りの独奏というシブーい公演だったが、それぞれの楽器の音色、奏者の世界観をストレートに味わっていただけ、評判も上々だったようだ。

琵琶奏者の坂田美子さんは、とても物腰柔らかく上品な方で「太鼓が先で琵琶が後なんて、順番が逆の方が…」と遠慮がちにおっしゃっていたが、そのパフォーマンスは誠に重厚で繊細で、かっこよくそして美しかった。あの1音と1声で一気に時を超え古の世界にタイムスリップする感じ…機会があれば是非今度は、共演したい!

 

さて今月は、坂田さんの他にも素晴らしい音楽との出会いがあった。

 

◆11月10日「360°マリンバ」

沼津の「よしもと劇場」があるラクーンビルの6階。1フロア丸ごと、あらゆる装飾を取り払ったフリースペースの中央に、六芒星のように並べられたマリンバ。沼津市出身で現在はベルギーを拠点に活動している鈴木彩さん率いる6名のマリンバ奏者が闇から現れ、彩さんが構成した楽曲群を奏でながら現行世界とパラレルワールドとを行き来する。既存の楽曲で構成されていたそうだが、そこで生まれた世界は完全に彩さん独自のものとなっていた。声とマリンバ。動きと息づかい。たったこれだけの要素で、いくつもの景色、感情が走馬灯のように現れ、消えていった。1時間ほどのステージだが、本当に素晴らしかった!空間も、非常にシンプルな照明演出も、とても良かった。鈴木彩さん。共演したい人がまた一人増えた。しかしあの空間に太鼓が轟いたらどうなるだろうか…(よしもとさんから苦情くるだろうな 笑)

 

◆11月23日 上妻宏光「STANDARD SONGS feat.佐藤竹善」

上妻さんが隣町の函南町に来られると知り駆けつけた。2010-11年とそれぞれ丸1月づつ、アメリカ中西部の小都市でワークショップと公演をして回るという、恐ろしく濃厚でハードな旅をご一緒させていただいた。その時のピアニスト・野崎陽一さんもいらしてて、開演前にお邪魔した楽屋で同窓会のようなノリで話に花が咲いた。

竹善さんを生で聴いたのは初めてだったが、なんと幅の広い、そして奥深いプレイをなさる方か!語りかけるような歌声から見事なスキャット、そして迫力・音圧とも違うのだが圧倒的に空間を埋め尽くしてしまうようなロングトーンまで、上妻さんの言葉を借りるれば「縦軸と横軸がどこまでも伸びている」表現だった。

コンサートの内容はあくまで「お客さんを楽しませる」ことに徹していて、ポップスからジャズ、津軽民謡のソロ、レゲエまで皆が一度は耳にしたことがあるナンバーをこの3人ならではのサウンドにして届けられていた。1曲の中でほんの数フレーズしか弾かないとしても、そこにあるのはゆるぎなく「上妻サウンド」であり、余計な主張はしない、でもその存在感は明確であるところが、上妻さんの凄さ、かっこよさだ。トークも素晴らしく、客席は終始「よろこび」に満ちていた。終演後のCDの売れること!コンサートの出来の良さそのままだ。

静岡まで移動し打ち上げにも参加させていただいた。楽しく貴重なミュージシャントークに酔い、なぜか筑前さんのマネージャーNさんと意気投合してひさびさに明け方まで「痛飲」してしまった。

 

◆11月25日 石坂亥士「螺旋のグルーブ」

本郷の東大にほど近い「求道会館」。前々から気になっていた空間だ。

ガイシさんと出会ったのははるか前、俺がこの世界に飛び込もうかどうしようか迷っていた頃だ。

ガイシさんは神楽太鼓を中心に、世界中の新旧さまざまな打楽器を操る。ガイシさんと俺は楽器は同じでもその演奏内容は「真逆」なくらい違う。俺の打つ音が「直線」的なのに対し、ガイシさんは「うねる」。

この日のライブはタイトル通り、言ってみれば「怒涛の倍音シャワー」だ。

前半はさまざまな金属楽器たち、後半は神楽太鼓一つ。音がうねりうねる。ひたすら繰り返されるリズムの中で潮の満ち引きのような、どこからともなく吹く風のような「ゆらぎ」が生まれる。前半が終わった時点で耳を丸洗いされたような感覚になりトイレのおしっこの音まで美しく聴こえた(笑)。誤解を恐れずに言うと非常にマニアックな音楽だが、好きな人にはたまらなく贅沢なひと時だったに違いない。求道会館のスペースが絶妙にちょうど良かった。

飛び入りでピアノ演奏をしてくれたエドゥアルド・デルガード氏がまた素晴らしかった。

ガイシさんとはきっと近いうちに、音を重ねることになるだろうとなんの根拠もない確信を持った。イコール、そういう場を作ることになるだろう。

 

どの公演も出会いも本当に素晴らしすぎて、一切写真がない。しかしこの濃厚な四つの公演は、来年以降の俺の活動、表現にとって大きな刺激となるだろうことは間違いない。

お楽しみに。

 


燃えた!四人囃子ライブ

先週の「四人囃子ライブ」は熱かった!

 

「笛が二人、太鼓が二人」という、ありそうでなかなかない編成のこのライブ。

 

ズミ氏もブログで言っているが「お互いのことをちゃんと理解し合えている」4人だからこそ、うまくいったと言えよう。

同じ楽器が二人ステージに並ぶ場合、互いに「俺が俺が」で単なる競り合いとなって音楽的にぐちゃぐちゃになってしまうか、反対に互いに遠慮しすぎて綺麗にまとめることに終始してしまいツマランものになるかのどちらかに陥りやすい。

 

太鼓に関して言えば、勝手に自己分析すると俺とズミ氏は似たところがあって「全体のまとまりを大事に」するプレイが得意というか多い(と思っている)のだが、今回「ここは俺イクよ!」とグッと前に出たときに、その場に応じてスッと引いてくれたり、敢えてカブせてきたり、別のシーンで大暴れしたりと自在にその場で言葉を交わすことなくプレイを変化させ、互いに刺激し合いながらライブ全体という大きな括りでの「まとまり」を自然と作ることができた。

 

俺が思うに笛の二人に関しては得意とするプレイスタイルは異なっているが、おそらく同じような『会話』が、ライブを通して二人の間で交わされていたことと思う。

 

だから多分、誰か特定のプレイヤーのファンの方も「今日〇〇さんおとなしかったね」とか思わなかっただろうし、逆に「あの人あんなプレイするんだ〜」と新鮮な発見があったかもしれない。

4人それぞれ、作る楽曲のカラーがはっきり違っているのも、面白かった。

 

ライブ後、お客様の帰りがけの反響を受けて4人ともに口にしたのは、

「年イチでやりたいね」。

 

やりましょう!!

毎年必ず決まった日にやるってのもいいかもな…。

 

 

さて、みんなでワイワイの熱いライブのお次は、明日の40分独奏。

静岡AOIの超響くホールにて、アイワ不動産HDさん主催のチャリティコンサート。

前半はワタクシ、後半は琵琶・語りの坂田美子さんの独奏という、非常にシブい公演です。

それぞれ趣の違う「和の世界」に、どっぷり浸っていただきましょう〜。

 

 チャリティコンサート「Smile! Smile!! Smile!!!」

 11月20日(火) 18:30開演

 静岡AOIコンサートホール

 出演:はせみきた(太鼓)、坂田美子(琵琶・語り)

 詳細は こちら

 

 

それにしても最近、人の曲を料理(アレンジ)する面白さにハマっている。

曲によっては「イジリ倒す」に近いこともしてるかもな。共演者の皆さん、ゴメンナサイ。。。

翻ってオリジナル曲(特にメロディもの)をずっと作ってない。今後の4人囃子やBOK・SUIのためにも、作らなくちゃだな。

そして、自分の曲を信頼おける人に「イジリ倒」してもらいたいという願望もあります…。

これまでイジリ倒してくれたのは、土井啓輔さんと師匠だけかな。

どなたか、よろしくお願いします!

 

 


フランス「ジャポニズム」レポートと、その後

秋晴れの陽気が大変心地よいここ数日。

今年に入ってからボチボチと進めてきた旧稽古場の解体作業、そろそろ本腰を入れて急がねばと、ここ数日がんばっている。

ありきたりの表現だが、17年分の汗と音の染み込んだ小屋、せめて自分の手でばらしたい(あわよくば材料を再利用したい 笑)という思いから、極力丁寧に分解している。もともとこういう作業は得意ではないが好きなので、道具片手にはしごに登り、ぼつぼつやっております。内側はあらかた終わったので、いよいよ外壁と屋根の解体に取り掛かるところまで来たぞ。

 

 

さて11日から1週間、日仏友好160周年に合わせて「日本政府として類を見ない規模で日本文化を発信する一大事業」として国を挙げて取り組まれているイベント『ジャポニズム2018:響きあう魂』に「林英哲&英哲風雲の会」として参加のため、フランスへ旅してきた。自由時間はほぼほぼナシのガッツリ詰め込み濃密な1週間でありました。

 

 

最初の公演はパリ中心にある「プティ・パレ」美術館内にて、「伊藤若冲展」に合わせて師匠の美術家シリーズから『若冲の翼』1日2公演。

(写真はリハ風景)

プティ・パレ=小さな宮殿だけあって超豪奢な造りの館内は恐ろしく残響が長く、締太鼓を一発打つと5秒以上「トーーーーーーーーーン」。そういえばハンガリー・ブタペストのリスト音楽院で「ようそろ」として演奏した時も残響すごかったっけ。

日中の開館時間中の美術館での演奏という、なかなかできない経験であった。

 

続いては世界屈指の音響と称されている「フィルハーモニー・ド・パリ」での本公演。

一部は「三ツ舞」「天請来雨」「天真北斗」のレパートリー演奏、二部はフランスで生涯を閉じた画家・藤田嗣治の生涯と作品を描いた、美術家シリーズより『レオナール、われに羽賜べ』。

今回は風雲・服部博之がひさびさ参戦。すごくキンチョーしてた。

コンサートは1曲終わるごとに割れんばかりの拍手喝采で、最後は大スタンディングオベーション。ジャポニズム企画の公演の中でも真っ先にSOLD OUTになったほどの前評判だったそうだが、期待を裏切ることなく喜んでいただけたようだ。

 

翌日すぐにTGVに乗り込んでドイツ/スイス国境にほど近い地方都市・ミュルーズに移動。

その日のうちにコンサートの仕込みとワークショップをこなし、翌日再び本公演。10万人くらいの街に不相応と思えるほどの大きな大ホールも、ほぼ満席だった。フランス人の文化意識の高さなのか。こちらも大盛り上がりで、全行程を終えた。

 

というわけで休む間も無く帰国の途についた弾丸ツアーであったが、さすがフランス、食べ物は出てくるものどれをとっても本当に美味しかった。ツジタスクもこの表情(彼はなぜかこの後体調を崩し、帰国時にはゾンビのような顔してた 苦笑)。

 

 

さーて、次なる大仕事はいよいよ、「笛2、太鼓2」の四人囃子ライブ。

朱鷺たたら、山田路子、小泉謙一というよく知ったメンバー同士。楽器は2種だが、濃厚で分厚いサウンドになること間違いなし!

いよいよ今週リハに臨む。楽しみだ。

ライブの詳細は こちら

 

 

(↓ミュルーズの街中にあったブリキのオブジェ)

 



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太鼓奏者・はせ みきた

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