東北ひとり旅
ドイツに来ています。
早稲田大学交響楽団(通称:ワセオケ)のヨーロッパツアーに同行、各地で「日本太鼓とオーケストラのための[モノプリズム](作曲:石井眞木)」を演奏する旅で、全9公演中すでに4公演まで終了。
非常に濃厚で楽しい旅の真っ只中でありますが、この旅のレポートはまた次にということで。
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ドイツに発つ1週間前、ひさびさに東北(宮城〜岩手)へと運転一人旅に出た。
コロナ禍を挟み、長らくご無沙汰している東北各地の「大切な人達」との再会を果たすためである。
(南三陸・歌津地区の港)
まずは気仙沼へ。
東日本大震災の翌年、かりん(25絃箏・うた)と東北各地を訪問した。
気仙沼港からほど近い旧・中心街の一角にあるお茶やさん(震災で1階は完全に浸水)の店舗を借りてライブを行った時に出会ったのが[太鼓楽舎・ね]のSさん。
Sさんは地元のみなとまつり「打ちばやし大競演」を主導、気仙沼の太鼓シーンを牽引されている方で、出会い以後 幾度となくライブやワークショップの開催に力を貸してくれている。
ランチしながら互いの近況を話した後、彼の地の太鼓秘密基地「猫の穴」へ移動、[ね]のメンバーさんたちと稽古した(そこそこ濃厚なプチワークショップになってしまった 笑)。太鼓に向かい一緒に汗を流すことで数年間の空白が一気に埋まってしまうのだから、不思議なものだ。
(太鼓基地・猫の穴にて 左がSさん)
つづいて石巻へ。
現地のミュージシャン・四倉由公彦氏と再会。
2016年に石巻のライブハウス「ラ・ストラーダ」での鈴木亜紀(女子シングル自由型ピヤノ弾き語り)とのライブに来てくれたのが最初の出会い。
地元の郷土芸能と深く関わりながら独自の音楽活動を展開している人で、彼の音楽制作については以前から興味があり、いろいろ話を聞きたいと思っていた。今回ご自宅のスタジオにお邪魔し創作のプロセスを見せてもらったり、太鼓の話から芸能談義、さらに話題は合気道まで飛び、美味しい地酒をいただきながら夜更けまで話し込んでしまった。
近いうちに一緒に何か作ろう!と盛り上がった。石巻でか、はたまた静岡でかはわからないが、今後の展開が楽しみ!!である。
(石巻 四倉氏と。昔の相方◯田と似てる⁉)
そして最後は、ワタクシの東北のベースキャンプ・花巻の『銀河の里』へ。
『銀河の里』は、独自の理念に基づき障がい者・高齢者と[共に暮らす]里の構想を次々に実践・実現されている社会福祉施設である。
ここを運営されているMさんには、10年以上前から一方ならぬ応援をしていただいており、コロナ禍で仕事がぷっつり途切れていた期間も、こちらの様子を気にかけてくださっていた。
昼過ぎに到着。里のワーカーさんやお年寄り向けの太鼓を使ったレクリエーションに参加し、夜はスタッフさん達向けにミニライブ。その後、太鼓を用いた里の取り組みに関して、自分なりの意見・提案などをさせてもらった。
(里の施設長・Mさんと)
ここに来るといつも、利用者さん達もスタッフさん達もみんな心穏やかで(単におとなしい、とは違う)、自然体で、でも一人一人はっきりと「じぶん」を持っていて、それを互いに認め合っているのを肌で感じる。そんな空気に触れているうち、ふと気がつくと「自分には何ができるんだろうか」と考え混んでいる自分がいる。
里のために、誰かのために、自分のために…
そうして、お土産にいただいたお米とワイン(里で作っている)を車に積み、なにか漠然とした「宿題」を胸に、帰路につくのであった。
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東北には大好きな人がたくさんいる。
この十数年の間に何度も訪れる度、たくさんの恵みをいただき、たくさんのことに気づかせてくれた。「何かお返しをしたい」などと考えるのはおこがましいとも思いつつ、少なくとも次に訪れる際には必ずなにかしらの足跡を残せるよう、ひとまわり成長していなければ…と、自分を奮い立たせてくれる、
そんな、大好きな土地なのである。
- 2024.03.06 Wednesday
- 17:24
- 太鼓担ぎ旅
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