思いをつなぐ。

先月の「風の章」公演から、はやひと月。

ブログ更新をサボっているうちに、年度が変わり、次なる時代の名称が「令和」に決まった。

自然も人の心も穏やかで、思いやりに満ちた営みが送れたらいいなと、心から願う。

 

作品に自分なりの世界観を込めて、それを舞台の上で演奏するというのは、とてもやりがいがある。

それと同時に「誰かのために演奏する」というのも、自分にとってとても重要で、やはりやりがいのある仕事だ。

コンサート以降、そういった仕事が続いた。

 

お寺での「生物供養祭」。

政治家として地域社会を牽引していきたいと立ち上がった人の激励。

新しい宿泊施設のオープン。

我が地元の地域コミュニティの一大イベント「吉田神社祭典」。

そして、この世を去った方との「お別れ」の演奏。

 

以上すべて、ソロ演奏で務めさせていただいた。

 

祈りの太鼓、応援の太鼓、お祝いの太鼓、お別れの太鼓…。

うまくいってるかどうかはわからないが、その場にいる人たちの心とリンクして、「思い」を共有するということが、少しわかってきた気がする。

主体的に「心を込めて」演奏することも大事だが、自らが器となって「思いを集め、つなげる」演奏というのもあるのだな、と。

仕事を通して出会い・別れ・出発の瞬間に立ち会わせていただき、演奏を通してたくさんの人と心を通わせることができたことに、感謝。

 

 

そして我が身にも別れと出会いが。

丸13年、自分と楽器を載せて日本中あちこちへとともに走り続けてきた愛車を手放し、新車に乗り換えることに。

 

目標にしていた333,333kmまであと8000kmというところで、乗り換えと相成りました。

青二郎君よ、いままでホントにご苦労様。どうもありがとう!

そして青三郎君、これから末長く、よろしく‼

 

 

 

 

 

 

 


公演終わって、ひとりごと。

コンサート「風の章」@深川江戸資料館、終了。

 

当人としては、全体を通してうまくいかなかったこと、悔やまれる点は山ほどあるが、それをここで言っても言い訳にしかならないし、そんな話誰も聞きたくないだろうから、一人暗がりで皆さんにごめんなさいを言いながら「キイィー!」ってなることにします。

ともあれ二部の大太鼓ソロは、現時点でのベストプレイに近い感じで歌え(演奏でき)たのではないかと思っている。

 

 

終演後ロビーに出ると、今回はニューライブ盤CDの発売もあったので、たくさんのお客様がサインを求めて並んで下さっていた。

(来場者の実に3分の1のお客様が、CDを買ってくださっていた!)

  いつも応援してくれている常連さん

  「初めて太鼓のコンサートを聴いた」という方

  前回の深川以来(4年ぶり)という方

  ティアラこうとうのどソロ(2011年)ぶりという方 etc...

慌ただしくもその一人一人と、本当に一言二言だがお礼と共に言葉を交わす中で、気づいたことがある。

 

 

他の楽器の人はどうか知らないが、太鼓を打っている人はプロアマ問わず、お客様から「元気が出た」と言われることが多いと思う。

楽器の特性に起因している部分が大きいとは思うのだが、自分はこれまで、この言葉を投げかけられるとなにやら一抹の「違和感」を感じていた。

 

集団で太鼓を演奏する人たちの多くは確かに元気を送ったり、あるいは演奏者みずからが元気になることを目指していることも多いかもしれない。だが、自分の場合それはごく限られたシチュエーションの時に限ってであり、舞台で一人太鼓に向き合って表現しようとしていることは、「元気にする」「元気になる」こととは全く無関係なところで勝負しているつもりだから…。

「みんなで盛り上がろう!」というノリでもないし、ポジティブなメッセージを込めた言葉もない。全身ガクガクになりながら天狗を演じ(今回のことで言えば)ている自分を見て、ひとは元気になるのか?と。

かなり感じの悪い物言いになってしまうが、これが今までの正直な気持ちだった。

 

だが今回、たくさんの「また来ます」「次回を楽しみにしてます」の声をかけてもらって、そうか、これでいいのだ、と思えた。

 

「また来たい」と思ってくれた人は、次の機会に向けて明日を生きる活力が湧いたのだ。俺がどこで勝負していようと、それとは別の次元で、俺の演奏がその人の元気の源を刺激したのだ。琴線に触れたのだ。嬉しいじゃないか。有難いじゃないか!

 

「また来ます」「次回を楽しみにしてます」の声から、たくさんの元気をもらっているのはむしろ自分の方だが、それをパワーの源に、さらに多くの人の心に届く演奏ができるよう、愚直に走り続けていこうではないか。

 

 

ご来場くださった皆様、ともに舞台を築きあげてくれた仲間、お力添えくださった方々、

どうもありがとうございました。

 


カウントダウン。

東京深川江戸資料館「幻想風景曲集vol.2『風の章』」コンサートまで、いよいよあと1週間。

目前に迫り、準備にバタバタと動き回る日々が続いている。

 

  劇場を借りての実地のリハ。広いスタジオ借りての動きの稽古。

  締太鼓を調律。一人じゃできないので小田原まで行ってツジタスクに手伝ってもらう。ついでにツジのも締め上げ。

  買い物。文房具店、釣具店、楽器店、電気店、手芸店etc.。

  布を切って加工。衣装用の地下足袋を自分で染める。

  チケット販売。配券。招待。郵送。原稿書き。メール。PCにかじりつき。

  本公演とは別の打ち合わせ。メール、電話。新たなご縁をいただいた食事会…。

  2〜3日前から突如花粉が襲来。きっつい。。。

 

合間に美味しいラーメンやら美味しくないラーメンやら楽しいお酒やら一人で海外ドラマ見ながら飲むお酒やらを挟みつつ、適度な緊張感の中本番までのカウンドダウンを数えている。

 

先日小濱氏とのリハも終え、本番通りのスペースでの動き確認も終え、あとは「いかに(太鼓で)歌えるか」「(動きやしゃべりも含め)どう磨くか」という段階だ。

 

大太鼓の稽古中、ここにきてまた体の使い方や皮面の打ち分けに関して新たな発見があった。

残り1週間という短期間で無意識でもやれるほど体得するのは難しいだろうが、やれるだけのことはやってみようと思う。

大太鼓正対打ち、まだまだ奥が深い。。。

 

 

先日、以前から親交のある神楽太鼓奏者の石坂亥士さんが、ご自身のブログで自分のことを紹介して下さった。

身にあまる言葉の数々で恐縮だが、あまりに嬉しかったのでこちらに転載させていただく。

 

「???和太鼓???と思うかもしれないが。。。

…星の数ほども居るであろう和太鼓奏者。イメージとしては、満天の星空を見上げるが如きである。空気が澄んでいる人里離れた場所では、星座すら見つけられないほどの星々が煌めいているわけで、そんな中から一つの星を見つけるのは至難の技だと言える。

 そんな和太鼓奏者の世界のことを全て知っているわけではないが、最近では、手を替え品を替え的に、有名な方に演出を依頼したり、衣装やファッションを今風な感じにしたり、皆さん試行錯誤しているようだ。

 個人的には、太鼓を打って良い音を鳴らすというシンプルなことこそ奥義ではないかなあ、と思えるのだが、なかなかそこを追求する奏者は少ないように見受けられる。

 今でこそいろいろな方がいるが、和太鼓界のレジェンドはやはり、林英哲さんだと思う。

 その一時代を築いてきた師匠の背中を見つつ、自分の道を追求している彼の音を、是非とも聴いておきたいのである。

 和太鼓の公演をおすすめすることはまずないが、彼の音は優しく、その誠実さも音に乗り、勿論力強さもあり、最近は聴くことが少なくなった和太鼓の世界が熱くて良かったころの、和太鼓本来の音を思い出させてくれると思うのだ。…」

 

こんな風に自分のことを見てくれている人が一人でもいるだけで、頑張れる。

そしてこの文章に触れた方が実際の俺の演奏に触れて「ほおーなるほど!」と思ってもらえるようなパフォーマンスを、しなくては。

 

 

石坂亥士さんとのライブを近いうちに実現したいと、今関係各所に働きかけ中である。

亥士さんの神楽太鼓、同じ「日本の太鼓」だが、自分とは全く異なるアプローチだ。

だからこそこれまでにないものが…と、あれこれ話したいことは、またの機会に。

 

 

はせみきたコンサート2019「幻想風景曲集vol.2『風の章』」

3月1日(金) 深川江戸資料館 小劇場

19:00開演 全席指定

詳細は こちら 

 

 

 


目指すステージ

八丈太鼓や、三宅島神着木遣太鼓の達人の方が、太鼓屋さんから楽器をレンタルするのに念入りに音のチェックをしている光景を度々見たことがある。

楽器を演奏する者としては当然の行為であるが、太鼓の世界ではあまり「当たり前」の光景とも言えなかったりする。

先に述べた芸能の方たちが念入りに音選びをするのは、一つの太鼓だけを用いて、その音色と自分達の技のみで勝負するパフォーマンスだからだ。どんなに技が冴えていても音が悪くては受け手に届かないし、なにより音が悪いと打ち手の気分も乗らない。要素が少ない分、音にも技にもよりシビアなものを求めるのだ。とてもよく分かる。

 

ソロ演奏の良さというのは、集団では際立ちにくい、一つ一つの楽器の音色が味わえること、そして奏者のテクニックだけでなく、立ち姿や表情、息づかいまでひっくるめて奏者その「ひと」を感じられることだと思う。(翻って演じ手としては、そこがとても怖いところでもあるのだが)

 

 

話が飛ぶが、昨年末の「紅白歌合戦」を見ていて、「歌(音楽)がまるきり入ってこない」現象があまりに多くて閉口した。

大所帯のアイドルグループのダンスはカワイイが、画面がちゃかちゃかとスイッチしすぎて全く曲が響いてこない。ベテラン演歌歌手も、ダンスとの意味不明なコラボで音楽に集中できない(単体で味わえば歌・ダンスどちらも素晴らしいはずなのに)。個人的にはMISIAの歌唱力と、星野源の楽曲の世界がストレートに伝わってくるパフォーマンスが素晴らしかったと思う。

 

「派手さ」「わかりやすさ」に過剰なウエイトを置いた演奏・ステージパフォーマンスでは、音楽そのものの深みや演奏からにじみ出る奏者の「ひと」というものはどんどん感じにくくなってきているように思う。同様の風潮が「太鼓」「和楽器」の世界でも広がってきているが、特に「一音に魂を込める」ところにその素晴らしさを求めてきた日本の楽器の場合、上述のような表現だけではその魅力を届けるには片手落ちなのではないか、と思う。

 

 

3月1日の私のコンサートは、必要最低限の装飾と照明、音響の効果とともに、音で、我が身で、様々な幻想風景に挑みます。

映像もないし豪奢な舞台セットもないが、ここでしか味わえない感動や発見が、きっとあるはず。

 

みなさまのご来場を、心よりお待ちしております。

 


2019意気込み表明

新年明けてすでに久しく。。。

みなさま、本年も温かいご声援のほど、どうぞ宜しくお願い申し上げます。

 

今年はブログに、活動報告や旅レポート、公演告知以外に日々考えていることや太鼓界のあれこれなども盛り込んでいきたいな、なんて考えてはいるのだが、考えているうちにはや半月経過。

とりあえず、活動報告と公演告知から始めます(笑)。

 

新年の幕開きは、恒例の元旦サントムーン、そして3日の英哲大阪公演でスタート。

 

元旦は盟友・小泉謙一氏とのデュオ。ここ2年くらいのデュオや四人囃子ユニットでのライブを通して2人でやれる曲も増え、呼ばれればいつでも駆けつけられる機動力の高いユニットとなっております。イベント出演、学校公演などどしどしご用命下さいますよう。

 

3日の大阪、今年こそ英哲師匠と山下洋輔さんのデュオを期待されていた方には申し訳ないことになりましたが、師匠と風雲の5名で昨年のフランスプログラムをフルバージョンで演奏。毎年決まった日に決まった場所で公演があるというのは、お客様にとっても出演者にとっても馴染み感が年毎に増してきて、とても良い雰囲気になる。制作のキョードー大阪さんには本当に感謝である。

 

こうして今年も幸先の良いスターを切ることができ、次なる大きな公演はこちらも恒例化しつつある(とても異例なケース)、フランスナントの「ラ・フォル・ジュルネ」。今年は英哲チーム単独のプログラムに加えて、演劇的なパフォーマンスを加えた異色のコーラスグループ「ミクロコスモス」との共演もある。楽しみ。

 

そして、3月1日はワタクシのコンサート、「風の章@深川江戸資料館」だ。

こちらの公演、我ながらなかなか良い構成になっております。さらにはコンサート当日には、昨年6月の「風の章」沼津公演のライブ音源をCD化して同時発売します!再演はするわCDは作るわですから、内容にはそこそこに自信あります(笑)。

公演チケットは絶賛販売中。CDは絶賛製作作業中。

公演へのみなさまのお越しと、会場でのCDご購入を心より、心よりお待ちしておりますぞ。

 

 

ということで、これまでにも増してセルフ宣伝にも熱を込めて情報発信していきます(笑)。どうぞ懲りずにお付き合い下さいますよう。

 

 

 


2019演奏告知もろもろ

師走に入り、バタバタしていて更新が滞ってしまい…(いつものことか 苦笑)。

 

本年中にもう一回くらいはブログ更新することを目指して、今年一年を振り返る記事はその時に…

ということで、今回は来年の予告をば。

 

元旦は毎年恒例の「サントムーン柿田川」にて開店10時から新春ライブ2ステージ。今年はなんと「小泉謙一」とのデュオ!元旦早々白熱のステージになりそう。お近くの方は是非。

そして3日はこれまた恒例の大阪・森ノ宮ピロティホールでの「林英哲新春コンサート」。

ゲストとして出演予定だった山下洋輔さんが怪我のため出演見送りが決定、師匠と風雲4名で、本年フランスで大好評だった公演と同内容のプログラムをやります。本年の師匠欠場に続きお客様に残念な思いとご心配をおかけして申し訳ありませんが、5名で精一杯舞台を努めますので、どうぞお楽しみに。

 

そしてそして、3月1日は…

コンサート「風の章」東京公演。

 

6月に沼津で行ったコンサートが非常に好評だったので、同内容で東京でも開催しようということになった。

ループマシンを使い、動きを取り入れ、SEほか演出も工夫して…と、これまでにない試みを随所に盛り込んだ内容。

このところ6月の公演の音源を度々聴き込んでいるのだが、我ながら「なかなか良い内容だ」と思う。

静かな驚きあり、ゲスト小濱氏との丁々発止あり、ムーディーな曲あり、太鼓尺八それぞれの音色にどっぷりと浸れるシーンあり…。

でもまだまだブラッシュアップしたい点も多々見つかった。

もっともっとお客さんに「伝わる」演奏が、流れの組み立てができるはず。

年をまたいで「幻想風景曲集・風の章」の練り直しが進行してます。3月、深川江戸資料館への皆様のお越しをお待ちしてます!

 

 

春以降のライブ計画も、ぼちぼち練っております。

来年もディープで充実した1年にしたいな、と思っております。

変わらぬご声援を、心よりお願い申し上げる次第。なにとぞ。


強烈なインスピレーション

寒さが身にしみる季節となってきた。気がつけば今年もあとひと月あまり。早いものだ。

20日の静岡AOI「チャリティコンサート Smile! Smile!! Smile!!!」は、前半太鼓の独奏、後半は琵琶と語りの独奏というシブーい公演だったが、それぞれの楽器の音色、奏者の世界観をストレートに味わっていただけ、評判も上々だったようだ。

琵琶奏者の坂田美子さんは、とても物腰柔らかく上品な方で「太鼓が先で琵琶が後なんて、順番が逆の方が…」と遠慮がちにおっしゃっていたが、そのパフォーマンスは誠に重厚で繊細で、かっこよくそして美しかった。あの1音と1声で一気に時を超え古の世界にタイムスリップする感じ…機会があれば是非今度は、共演したい!

 

さて今月は、坂田さんの他にも素晴らしい音楽との出会いがあった。

 

◆11月10日「360°マリンバ」

沼津の「よしもと劇場」があるラクーンビルの6階。1フロア丸ごと、あらゆる装飾を取り払ったフリースペースの中央に、六芒星のように並べられたマリンバ。沼津市出身で現在はベルギーを拠点に活動している鈴木彩さん率いる6名のマリンバ奏者が闇から現れ、彩さんが構成した楽曲群を奏でながら現行世界とパラレルワールドとを行き来する。既存の楽曲で構成されていたそうだが、そこで生まれた世界は完全に彩さん独自のものとなっていた。声とマリンバ。動きと息づかい。たったこれだけの要素で、いくつもの景色、感情が走馬灯のように現れ、消えていった。1時間ほどのステージだが、本当に素晴らしかった!空間も、非常にシンプルな照明演出も、とても良かった。鈴木彩さん。共演したい人がまた一人増えた。しかしあの空間に太鼓が轟いたらどうなるだろうか…(よしもとさんから苦情くるだろうな 笑)

 

◆11月23日 上妻宏光「STANDARD SONGS feat.佐藤竹善」

上妻さんが隣町の函南町に来られると知り駆けつけた。2010-11年とそれぞれ丸1月づつ、アメリカ中西部の小都市でワークショップと公演をして回るという、恐ろしく濃厚でハードな旅をご一緒させていただいた。その時のピアニスト・野崎陽一さんもいらしてて、開演前にお邪魔した楽屋で同窓会のようなノリで話に花が咲いた。

竹善さんを生で聴いたのは初めてだったが、なんと幅の広い、そして奥深いプレイをなさる方か!語りかけるような歌声から見事なスキャット、そして迫力・音圧とも違うのだが圧倒的に空間を埋め尽くしてしまうようなロングトーンまで、上妻さんの言葉を借りるれば「縦軸と横軸がどこまでも伸びている」表現だった。

コンサートの内容はあくまで「お客さんを楽しませる」ことに徹していて、ポップスからジャズ、津軽民謡のソロ、レゲエまで皆が一度は耳にしたことがあるナンバーをこの3人ならではのサウンドにして届けられていた。1曲の中でほんの数フレーズしか弾かないとしても、そこにあるのはゆるぎなく「上妻サウンド」であり、余計な主張はしない、でもその存在感は明確であるところが、上妻さんの凄さ、かっこよさだ。トークも素晴らしく、客席は終始「よろこび」に満ちていた。終演後のCDの売れること!コンサートの出来の良さそのままだ。

静岡まで移動し打ち上げにも参加させていただいた。楽しく貴重なミュージシャントークに酔い、なぜか筑前さんのマネージャーNさんと意気投合してひさびさに明け方まで「痛飲」してしまった。

 

◆11月25日 石坂亥士「螺旋のグルーブ」

本郷の東大にほど近い「求道会館」。前々から気になっていた空間だ。

ガイシさんと出会ったのははるか前、俺がこの世界に飛び込もうかどうしようか迷っていた頃だ。

ガイシさんは神楽太鼓を中心に、世界中の新旧さまざまな打楽器を操る。ガイシさんと俺は楽器は同じでもその演奏内容は「真逆」なくらい違う。俺の打つ音が「直線」的なのに対し、ガイシさんは「うねる」。

この日のライブはタイトル通り、言ってみれば「怒涛の倍音シャワー」だ。

前半はさまざまな金属楽器たち、後半は神楽太鼓一つ。音がうねりうねる。ひたすら繰り返されるリズムの中で潮の満ち引きのような、どこからともなく吹く風のような「ゆらぎ」が生まれる。前半が終わった時点で耳を丸洗いされたような感覚になりトイレのおしっこの音まで美しく聴こえた(笑)。誤解を恐れずに言うと非常にマニアックな音楽だが、好きな人にはたまらなく贅沢なひと時だったに違いない。求道会館のスペースが絶妙にちょうど良かった。

飛び入りでピアノ演奏をしてくれたエドゥアルド・デルガード氏がまた素晴らしかった。

ガイシさんとはきっと近いうちに、音を重ねることになるだろうとなんの根拠もない確信を持った。イコール、そういう場を作ることになるだろう。

 

どの公演も出会いも本当に素晴らしすぎて、一切写真がない。しかしこの濃厚な四つの公演は、来年以降の俺の活動、表現にとって大きな刺激となるだろうことは間違いない。

お楽しみに。

 


燃えた!四人囃子ライブ

先週の「四人囃子ライブ」は熱かった!

 

「笛が二人、太鼓が二人」という、ありそうでなかなかない編成のこのライブ。

 

ズミ氏もブログで言っているが「お互いのことをちゃんと理解し合えている」4人だからこそ、うまくいったと言えよう。

同じ楽器が二人ステージに並ぶ場合、互いに「俺が俺が」で単なる競り合いとなって音楽的にぐちゃぐちゃになってしまうか、反対に互いに遠慮しすぎて綺麗にまとめることに終始してしまいツマランものになるかのどちらかに陥りやすい。

 

太鼓に関して言えば、勝手に自己分析すると俺とズミ氏は似たところがあって「全体のまとまりを大事に」するプレイが得意というか多い(と思っている)のだが、今回「ここは俺イクよ!」とグッと前に出たときに、その場に応じてスッと引いてくれたり、敢えてカブせてきたり、別のシーンで大暴れしたりと自在にその場で言葉を交わすことなくプレイを変化させ、互いに刺激し合いながらライブ全体という大きな括りでの「まとまり」を自然と作ることができた。

 

俺が思うに笛の二人に関しては得意とするプレイスタイルは異なっているが、おそらく同じような『会話』が、ライブを通して二人の間で交わされていたことと思う。

 

だから多分、誰か特定のプレイヤーのファンの方も「今日〇〇さんおとなしかったね」とか思わなかっただろうし、逆に「あの人あんなプレイするんだ〜」と新鮮な発見があったかもしれない。

4人それぞれ、作る楽曲のカラーがはっきり違っているのも、面白かった。

 

ライブ後、お客様の帰りがけの反響を受けて4人ともに口にしたのは、

「年イチでやりたいね」。

 

やりましょう!!

毎年必ず決まった日にやるってのもいいかもな…。

 

 

さて、みんなでワイワイの熱いライブのお次は、明日の40分独奏。

静岡AOIの超響くホールにて、アイワ不動産HDさん主催のチャリティコンサート。

前半はワタクシ、後半は琵琶・語りの坂田美子さんの独奏という、非常にシブい公演です。

それぞれ趣の違う「和の世界」に、どっぷり浸っていただきましょう〜。

 

 チャリティコンサート「Smile! Smile!! Smile!!!」

 11月20日(火) 18:30開演

 静岡AOIコンサートホール

 出演:はせみきた(太鼓)、坂田美子(琵琶・語り)

 詳細は こちら

 

 

それにしても最近、人の曲を料理(アレンジ)する面白さにハマっている。

曲によっては「イジリ倒す」に近いこともしてるかもな。共演者の皆さん、ゴメンナサイ。。。

翻ってオリジナル曲(特にメロディもの)をずっと作ってない。今後の4人囃子やBOK・SUIのためにも、作らなくちゃだな。

そして、自分の曲を信頼おける人に「イジリ倒」してもらいたいという願望もあります…。

これまでイジリ倒してくれたのは、土井啓輔さんと師匠だけかな。

どなたか、よろしくお願いします!

 

 


充実

今週 月・火・水と小田原市内の小学校3校で学校公演をしてきた。

自分と田代・辻の3名「風雲Aチーム」での公演だ。別にBチームCチームがあるわけではなく、数年前にアフリカで公演をしてきたメンバーなので「Aチーム」と、事務所の社長が名付けた(笑)。

 

小田原市のアウトリーチ事業という名目で昨年から幾つかの学校にお邪魔して演奏・レクチャー・体験を盛り込んだプログラムを展開している。おかげさまで地元も含め学校公演はかなりの回数を経験しているので、師匠のレクチャーコンサートの流れに即しつつも独自の解説も加え、全体の進行役を務めさせていただいている。「国立大教育学部卒・教員免許持ち」というメンバー紹介がネタになっていた時期もあったがそれはさておき、学校公演にはちょいと自信があります。風雲Aチームでも個人的にも、呼ばれればどこへでも出かけていきます!ご用命いつでも大歓迎ですぞ。

 

(写真は松田町に近い御殿場線沿線の小学校。うちの近所と風景があまり変わらん 笑)

 

3日連チャンだったが、各学校の規模・校風などで少しずつ反応も違って面白かった。

平素から親しくおつきあいさせていただいている「小田原北條太鼓の会」の方たちがサポートしてくださり、準備片付けに加えパンの差し入れなど、大変ありがたかった。パンはメンバーさんの親戚筋の「BunBun」というお店のパンで、「もちべえ」というドーナツ?が絶品!生地はモチモチ、胡麻たっぷり、そして何というか、鮮烈な甘さ(しっかり甘いが、しつこくない)で、めちゃくちゃ美味しかった。食い意地が勝り写真はなし。。みなさん小田原にお立ち寄りの折は、ぜひお試しあれ!

 

 

今年は海外公演も多くかなりあちこち出かけていたので、割と忙しかった気がしているが、自主企画のライブは意外と本数が少なめだったようだ。地元でも関東でも「次はいつ?」としばしば尋ねられた。

静岡では自主企画ではないが、11月20日のチャリティコンサート「Smile! Smile!! Smile!!!」が年内としては最後になる。琵琶・坂田美子さんとの共演。

東京では11月13日「笛と太鼓の四人囃子Live」が迫っている。これ、めちゃくちゃオススメですぞ。近年和楽器アンサンブルは多々現れているが、こんなにシンプルで、こんなに濃厚なサウンドと音楽を生み出す組み合わせはなかなかないかも。10日後の公演です。ご予約はお早めに。

<ライブスケジュールの詳細は こちら

 

 

さてさて、年の瀬に向けて「旧稽古場」の解体作業に勤しんでおります。

稽古場付近は冬になるとかなり激しい空っ風が頻繁に吹くので、倒壊してしまわないよう冬が来る前に終わらせなければと、このところせっせと作業に当たっている。

まずは天井・内壁を可能な限りバラし、半分はそのまま残して解体した資材をしまっておけるように仕切り板を立てた。ようやくここ数日で外壁のトタンを剥がし、屋根の解体に取り掛かっている。

たった10坪のハコとはいえ、一人でバラすのはなかなかの重労働だ。あちこちが筋肉痛。

でも好きな音楽を聴きながらトンカチトンカチ、没頭している時間は楽しい。ここ数日の好天続きのうちにキリのいいところまで終えなければ。さあもうひと頑張り!

 

 

やりがいのある仕事をし、良い仲間と良い音楽を奏で、美味しいものを食べ、好きな作業に没頭する。

なんと幸せな日々か! 感謝。

 

 

 


フランス「ジャポニズム」レポートと、その後

秋晴れの陽気が大変心地よいここ数日。

今年に入ってからボチボチと進めてきた旧稽古場の解体作業、そろそろ本腰を入れて急がねばと、ここ数日がんばっている。

ありきたりの表現だが、17年分の汗と音の染み込んだ小屋、せめて自分の手でばらしたい(あわよくば材料を再利用したい 笑)という思いから、極力丁寧に分解している。もともとこういう作業は得意ではないが好きなので、道具片手にはしごに登り、ぼつぼつやっております。内側はあらかた終わったので、いよいよ外壁と屋根の解体に取り掛かるところまで来たぞ。

 

 

さて11日から1週間、日仏友好160周年に合わせて「日本政府として類を見ない規模で日本文化を発信する一大事業」として国を挙げて取り組まれているイベント『ジャポニズム2018:響きあう魂』に「林英哲&英哲風雲の会」として参加のため、フランスへ旅してきた。自由時間はほぼほぼナシのガッツリ詰め込み濃密な1週間でありました。

 

 

最初の公演はパリ中心にある「プティ・パレ」美術館内にて、「伊藤若冲展」に合わせて師匠の美術家シリーズから『若冲の翼』1日2公演。

(写真はリハ風景)

プティ・パレ=小さな宮殿だけあって超豪奢な造りの館内は恐ろしく残響が長く、締太鼓を一発打つと5秒以上「トーーーーーーーーーン」。そういえばハンガリー・ブタペストのリスト音楽院で「ようそろ」として演奏した時も残響すごかったっけ。

日中の開館時間中の美術館での演奏という、なかなかできない経験であった。

 

続いては世界屈指の音響と称されている「フィルハーモニー・ド・パリ」での本公演。

一部は「三ツ舞」「天請来雨」「天真北斗」のレパートリー演奏、二部はフランスで生涯を閉じた画家・藤田嗣治の生涯と作品を描いた、美術家シリーズより『レオナール、われに羽賜べ』。

今回は風雲・服部博之がひさびさ参戦。すごくキンチョーしてた。

コンサートは1曲終わるごとに割れんばかりの拍手喝采で、最後は大スタンディングオベーション。ジャポニズム企画の公演の中でも真っ先にSOLD OUTになったほどの前評判だったそうだが、期待を裏切ることなく喜んでいただけたようだ。

 

翌日すぐにTGVに乗り込んでドイツ/スイス国境にほど近い地方都市・ミュルーズに移動。

その日のうちにコンサートの仕込みとワークショップをこなし、翌日再び本公演。10万人くらいの街に不相応と思えるほどの大きな大ホールも、ほぼ満席だった。フランス人の文化意識の高さなのか。こちらも大盛り上がりで、全行程を終えた。

 

というわけで休む間も無く帰国の途についた弾丸ツアーであったが、さすがフランス、食べ物は出てくるものどれをとっても本当に美味しかった。ツジタスクもこの表情(彼はなぜかこの後体調を崩し、帰国時にはゾンビのような顔してた 苦笑)。

 

 

さーて、次なる大仕事はいよいよ、「笛2、太鼓2」の四人囃子ライブ。

朱鷺たたら、山田路子、小泉謙一というよく知ったメンバー同士。楽器は2種だが、濃厚で分厚いサウンドになること間違いなし!

いよいよ今週リハに臨む。楽しみだ。

ライブの詳細は こちら

 

 

(↓ミュルーズの街中にあったブリキのオブジェ)

 



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太鼓奏者・はせ みきた

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