「冒険」コンサートに向けて

(以下文章の一部を「ネタバレ」と捉える方もいるかも知れません。ネタバレを恐れる方はスクロールして[以下ネタバレなし!]にスキップしてください)

 

 

今度のコンサート「風の章」に、幾つかの挑戦を盛り込んでいる。

・新曲(新演目)に挑戦

 完全な新曲が2、初挑戦のゲスト小濱曲が1、レパートリーのメロディをモチーフにほぼほぼ新曲並みに作り変えたものが1。

・「分身の術」に挑戦

 さる文明の利器を導入し、音響的な演出も加えてちょっと遊んでみようかと…。しかしこの魔法の道具の扱いが非常に難しく、手も足も脳ミソもあたふたしてるのが現状。。。

・「うごきもの」に挑戦

 友人の造形アーティスト・白砂勝敏氏の手製楽器?を手に「うごきもの」の演目を創作中。

 

どれも「風」を演ずる上で必然的に生じた「挑戦」なのだが、これだけの挑戦が盛り込まれた段階ですでに今度の公演自体が「冒険」と化している(笑)。

 

まあこれだけの冒険ができるのも、持ちネタの中にいわゆる「定番曲」と呼べるものがあるからで。

「テッパン」と言えるほどの自信はないが、それなりに長い時間かけて自分のものにし、磨きをかけてきたレパートリーが手の中にあると思うと、これまでの自分の奮闘をちょっとだけ褒めてやりたくなる。

 

 

木曜に稽古場でオバマ氏とリハを、金曜に舞台監督S氏とホールのリハ室で舞台の広さを想定した動き確認&稽古を行った。

頭の中でイメージしていた音が、空間が、だんだんと実像を帯びてくる。ワクワクと不安と、喜びとガッカリが入り混じる瞬間だ。

稽古場に一人篭って煮詰りかけていたものが、仲間の音や助言を受けて道筋が見え課題がはっきりしてくる。良し悪しとは別に身が軽くなる。単純に嬉しい。

いい手応えだ。

 

 

[以下、ネタバレなし!]

 

 

「『一人で太鼓叩くコンサート』って、何やるの??」

見たことのない人、予備知識のない人にとっては何ともイメージしがたい舞台だろう。

 

メディアに頻繁に紹介されるような有名人でもないし、そういった類の芸でもない。

一緒に盛り上がって発散して…というタイプのパフォーマンスでもない。

歌詞に心動かされ涙したり、腹がよじれるほど笑うということもない。

「何やるの?」と聞かれたら、「様々なシチュエーションで、太鼓を演奏します。オリジナルの演目を、自身の演出で、全身全霊で。」と答えるしかない。

 

ただただ、舞台上で生まれる様々な音に、浸ってもらうんです。

力強い音もあるでしょう、甘い、冷たい、切ない、柔らかい、怖い音もあるでしょう。

同時に、その様々な音を発する自分の姿を、見てもらうんです。

躍動する(であろう)肉体を、美しい(であろう)所作を。思い・感情が滲み出る(はずの)打ち姿を。

そして、自由に想像してもらうのです。音の描く情景を。

 

4000円のチケット代を払って、

品物は手に入りません。お腹も一杯になりません。勝った負けたもないし治療もできないし、美しくなるお手伝いもできません。

でも、日常の世界とはどこか違う空間に身を置き、その場でしか感じることのできない音・響きを味わうことを通して、いろんな発見があるはずです。その発見はあなただけのものであり、そんな「あなた自身の新たな価値を見出す場」でもあると思うのです。

 

「太鼓」というマイナーなジャンルの、しかも自分のように無名に等しい打ち手の公演に4000円も払って来ていただくのは、バンジージャンプ並みの冒険かも知れませんが(笑)、ぜひ一度、来てみて下さい!

特に学生諸君、今回は「大学生以下1000円」です。若い人たちに見て欲しいという気持ちの表れです。ぜひ!

過去に自分の公演に来ていただいている方、当時からはひと皮ふた皮むけている、はずです!

そしてこのブログの読者の皆様は、すでにこんなワタクシに価値を見出して下さっているありがたい方々と思いますが、どうか身近なお友達・お知り合いにも「冒険」を勧めてみて下さい!

 

これだけエラそうなこと書きました、覚悟の上です。背水の陣です。

どうぞよろしくお願いします。

 

あと3週間。

今の自分にできる最高の舞台となるよう、全身全霊を込め取り組み中‼

 

はせみきたコンサート2018「風の章」

6月2日(土) 14:30開場 15:00開演

沼津市民文化センター 小ホール

一般4000円 大学生以下1000円

 


充実のGW、次は6/2沼津!

GW終わった途端に「梅雨入りか?」と思うような天気。気温の差も激しく、体調管理が難しいですな。

皆様いかがお過ごしでしょうか?

 

GW最終日に、朝霧高原へ。静岡で「動物と触れ合うなら」の定番スポット、『まかいの牧場』に行った。

最高に良い天気で、気持ち良かった〜。

 

普段目にするのとはかなり表情の違う富士山に、見たこともないような見事な笠雲が。(案の定本日は雨だった)

 

放牧されてる羊サンたちと、仲良しになりました(笑)。

んー、リフレッシュした!

 

さる29日は東京・狛江にて風雲の会5名による「澪の蓮」。

センターの大太鼓ポジションを務めた今回、本番はただただ必死だった。

お客様の温かい拍手と仲間に助けられ、なんとか最後までぶっ倒れずにやりきった…というのが実感で、正直本番の出来がどうだったか、自分では全くわからない。

しかしこの日に向けての稽古の中で学んだものは、本当に大きい。今後の自分の演奏、作品づくりは大きく変わっていくに違いない、いや、変わらなくてはならない。より緻密に、より深く。

 

翌30日は、盟友ズミ氏とのガチンコライブ。

前日の肉体的ダメージが予想以上で、かなりこたえた(苦笑)。でも楽しかった!

打てば応えてくれ、さらにいい意味で想定外のパフォーマンスを繰り出してくる相方とのセッションは、たくさんの刺激を与えてくれる。青雲デュオ、今回は「安定感」という一面も打ち出せたのではないだろうか。

 

GW後半に入り、3日は「ふじのくに演劇祭」へ。

日本人フラメンコダンサーの第一人者・小島章司さんと日本舞踊を学んだコンテンポラリーダンサーによる舞台を鑑賞。

正直自分には難解で心から楽しめる舞台ではなかったが、「ステージ上で自分の体の動きを見せる」ということについて、なるほどと気づかせてくれる点が多く勉強になった。

 

そして4日、今度は師匠の「われに羽賜べ」に参加。

細部まで緻密に練り上げた作品をきっちり演じ上げる、その上で「今日の表現」を紡ぎ出す。日々、挑むことを怠らない。これが師匠・林英哲の凄さだ!

そんな師匠のもとで日々苦悶に喘ぐ者同士、風雲の後輩・辻タスクと明け方近くまで心の中のモヤモヤを吐き出す「ヘタレ飲み会」が続き、翌朝のLFJと林英哲を特集した『題名のない音楽会』を見逃した(放映時間がずれてる静岡で見れた)。

 

 

というわけで、非常に充実したGWとなった。

さあ、いよいよ次の大きなヤマは一月後の、沼津コンサートだ。

本日これから、稽古場にて小濱氏とのリハーサル。コンサートに向けての思いなど、次回ブログで綴ってみたいと思ってます。

 

 


撃沈。からの…

今ごろの発表で誠に心苦しいのですが、きたる4月29日東京・狛江市の「エコルマホール」にて、「ラ・フォル・ジュルネTOKYO2018」のプレイベントとして、英哲風雲の会5名による「澪の蓮(作・演出:林英哲)」の上演があります。

そして今回、英哲師匠の指名により、私 はせみきた が、センターポジションを務めることとなりました。すでに事前申し込みは終了していますが(自分がこの公演の詳細を知ったのが申し込み締め切りの前日だった。。。)、当日に200席分の当日券の配布があるそうです(先着順)。

詳しくは 特設サイト をご確認ください。

 

 

というわけで、本日は英哲師匠監修のもと「澪の蓮」リハ。

はせみきた、みごとに撃沈しました。。。

 

冒頭の登場シーンの歩みから、ソロの演奏内容、音楽的要素、演劇的要素、センターとして周りを引っ張っていく指揮者的要素…あらゆる面で、これでもかとダメ出しの嵐。

全体通して力みすぎで体力ばかり消耗し、表現の幅が狭くストーリーや情景が浮かんでこない、というのが総評。

カンペキ、撃沈であった。

 

わたくし、思い上がってました。

任されたんじゃない、試されたんだ。

上っ面だけなぞって「なんとかできるかも」と思ってた自分が恥ずかしい。

 

でも、落ち込んでないわけではないが、

それを何倍も上回るモチベーションの種を、師匠は与えてくれた。

 

一つ一つのダメに対して、アドバイスをくれ、ヒントをくれ、「俺はこうやってる」と実演して見せてくれた。

なるほど、本当に細かい一つ一つの動き、発する音にまで意味があり、計算があり、ものがたりが込められていた。

作品世界が生まれ、そこに聴衆を引き込んでいく魔法は、この「一つ一つ」の積み重ねにあったのだ。

超濃密な、万金に値する貴重な稽古だった。

今日の稽古内容は、厳に門外不出だ。いやそもそも、これらを人に語れる十分な言葉を、技を、俺は持ってない。

まずは繰り返し稽古して、試行錯誤して、体得していくのだ。一つ一つ。

 

我が師匠、偉大なり。感謝。

 

 

しかし、体がボロボロだ(苦笑)。明日明後日あたりまでは使いものにならんかも。

29日の本番までに、どこまで持っていけるか。

 

 

という、風雲の会による「澪の蓮」。

師匠の演ずるそれとはいろいろ違ってるとは思いますが…それでも「観たい」という方、ぜひともエコルマホールまで、足をお運びください。どうぞよろしくお願いします。

 

 

 

 


創作に没頭。今月末、6月に向けて

 

どうやら「花粉症」のようで。。。

早稲オケヨーロッパツアーから戻ってこのかた、鼻がグズグズ目が痒く、くしゃみ連発とまさしくの症状が日増しにひどくなり、7日の英哲沼津公演を終えた翌日からは鼻で呼吸することもままならず夜もまともに寝られなくなってしまった。

こりゃあまりにひどいなと耳鼻科へ。

ベテランの風格がかっこいい女医さんがテキパキと検査、症状の説明をしてくれる。ひどめのアレルギー反応が出ていて、副鼻腔炎もしっかり併発しているそう。治療は次々にいろんなものを鼻に突っ込んで吸ったり塗ったり。痛いのなんのと言ってる間もなく、しばらくすると嘘のように鼻が通り、楽になった。なんだか世界がパーッと明るくさわやかになった気分(笑)。

初診だったので散々待たされたのだが、「待たせてごめんね〜!」の一言から始まり、ちゃんと患者と向き合ってこちらの知りたいことを的確に説明し適切な処置を施してくれた先生の人柄と腕にまさに「救われた」。

やっぱり「人」ですな。感謝感謝。

 

そんなわけで鼻も心もすっきりしたところで、ようやくおよそ一月ぶりのブログ更新でございます。

 

 

ここ最近は、創作活動に打ち込む日々を過ごしている。

主に4月30日・小泉謙一氏とのデュオライブと、6月2日のコンサート「風の章」の内容作りの二本立てだ。

 

ズミ氏とのライブは約2年ぶり。今回は互いの新演目も加え、二部構成とし半分は小泉演目を小泉ディレクション、半分ははせ演目をはせディレクションで、との計画。それぞれの曲調や世界観?カラー?のコントラストを味わってもらいたいと思っている。「英哲青雲の会」からの付き合いはかれこれ18年。苦楽を共にし、切磋琢磨してきた盟友との本気のガチンコは、非常に楽しみだ。

 

 はせみきた×小泉謙一ライブ「青雲なる二人のガチンコvol.2」

 4月30日(月・祝) サラヴァ東京

 13:00open / 13:30start

 全席自由 ご予約3500円 / 当日4000円(1ドリンク付)

 詳細・ご予約は はせみきたHP

 

 

そして、6月のコンサート。

実は沼津でのソロコンサートは、今回が初めて。

2011年に初めて東京で行ったコンサートのタイトルが「幻想風景曲集」。詩や絵やいつか目にした映像など脳裏に浮かぶ風景を、太鼓で奏で描いてみようと取り組んだ舞台だ。

で、今度のコンサートは自分の中では「幻想風景曲集・第2弾」という位置付けで、特に「風」に的を絞り、風にまつわるいろいろな情景・場面を描いてみようと思っている。

新曲、初めて導入するキカイや楽器、これまでになかった演出も加え…と、構想上は冒険いっぱいの、盛りだくさんの予定。だが問題はこれをきちんと「プロの仕事」として形にできるか、だ。

テクニカルサイドと相談し、当日スタッフの人員や会場の都合、現場に入ってからの時間制限などもかんがみて、「やりたいこと」と「できること」の選別をしていかなくてはならない。稽古以外にもやるべきことは山のようにある。

6月なんて先のことのようだが、今のうちに考えて考えて、苦しんでおくことが大事。これまでの経験を活かそう。

とか言いながら、思い通りにははかどらないのが常なんですがね。。。

 

とにかくこの「産みの苦しみ」の期間を地道に、楽しみながら乗り越えていこうと、山篭りの日々を過ごしている。当日を、お楽しみに。

 

 はせみきたコンサート2018「風の章」

 6月2日(土) 沼津市民文化センター 小ホール

 14:30開場 15:00開演

 全席指定 4000円(大学生以下1000円)

 チケットはプレイガイドにてお求めください。

 【お問い合わせ】イーストン http://easttone.jp

 

 


早稲オケワールドツアーレポート3

一月に及ぶ早稲オケワールドツアー、全公演日程を無事終了。

昨日の最終公演は、皆の気合いがぐっと集中し高まった演奏内容だった。

団員さんたちは演奏はもちろん、立て続けの公演と円滑な旅の運営のため様々な係の仕事をこなし苦労も多かっただろう。さらに4年生はこれで卒団(数日後の日本での定期演奏会が最後)、社会へと旅立っていくことになる。いろいろな思いが交錯して、終演後はあちこちで、充実感からの笑顔と、涙と、感激のハイタッチが交わされていた。本当に、お疲れ様。

 

というわけで帰国の途に着くフランクフルト空港より、最後のレポート。

 

ニュルンベルク

旧市街地は城壁に囲まれた古い街並みが美しかった。

公演翌日の午前中、バス移動まで時間があったので、ホテルで自転車を借りて旧市街地散策。

自転車という移動ツールを十分考慮された道路整備がされていて、外国人でも比較的わかりやすく、安全で快適なサイクリングができた。これはおそらく、ドイツ全土にわたって言えることなのだと思う。

「おもちゃ博物館」というのがあり、見学。年代や「人形」「外遊び」「列車」などカテゴリに分かれていて、なかなか面白かった。

博物館のあった一角はアンティークの店や手作りおもちゃの店が点在してあって、ショーウィンドウを眺めてるだけでも楽しかった。

 

ミュンヘン

300km近く移動して、ホテルに荷物を置きすぐさま会場へ。駆け足でリハを済ませ、すぐさま本番。旅の後半、なかなかハードな行程が続く。。。

終演後、25絃筝奏者の「かりん」さんと5年ぶりくらいの再会。

最後に共演したのは多分2011年、震災の後の東北ツアーだったと思う。それ以後、彼女は活動の拠点をヨーロッパに移し、様々なユニットやプロジェクトに参加しながら、昨年、世界中の多くのジャズミュージシャンらが熱望する、かの「ECM」レーベルからのCDリリースを果たしている。

1時間ちょっとの短い再会だったが、異国の地で楽器を担いでいろんな場所に出向き音を奏で、生活していく大変さを垣間見、そこに身を置く彼女のタフさに感服。今年中に2度の帰国、ライブも計画中とのことなので、皆様お楽しみに。

 

フライブルク

コンパクトな市街地の中に大学が数多く、学生たち若者のエネルギーをそこかしこで感じた。学生街だけあって文房具屋が充実。万年筆、消しゴム、蛍光ペン…日曜消耗品のこれらが、一味日本と違っていてワクワクする。

石畳のモザイクが細く美しい。

自転車がたくさん(奥は大学)。

無駄に飾りっ気はなく落ち着いた雰囲気の街中に、いろんなお店が充実している感じて街歩きが楽しい。フライブルク、また訪れたい街だ。

 

最終地・ウィースバーデン

フランクフルトからほど近いこの街は昔から温泉が湧き出て、保養地として栄えているようだ。

大きなアンペルマンの背後、源泉から湯気が出ている。飲めるそうです(俺は怖くて飲まなかった)。

最後の会場・クアハウスは20世紀初頭に建てたれた立派なつくりで、建物内はかたや音楽ホール、かたやカジノというすごい組み合わせ!

 

 

短期間に「モノプリズム」を、様々な名だたる音楽ホールで10回も演奏できるというまたとない機会であったのと同時に、オーケストラ・指揮者とのコミュニケーションの取り方についても理解が深まったし、集団で一つの目標に向かって力を合わせて取り組むということを若い学生たちの奮闘を見ながら、あらためて学んだように思う。収穫の多い旅だった。

このような機会に恵まれたことに、心から感謝。

 

充実した旅を共に過ごせた若き精鋭たちの前途洋々たることを、そして早稲田大学交響楽団の今後ますますの発展を!

 

ありがとうございました。

 


早稲オケワールドツアーレポート2

旅も半ばを過ぎ、後半に突入。

団員の学生さんたちとも少しずつ打ち解けてきて、楽しい旅を送っている。

 

このツアーには2〜4年生が参加。ほぼ全員が海外ツアーは初めてで、今回のためにパスポートを取ったという学生も少なくないそうなのだが、全く物怖じせず役割分担しながら皆で協力してワイワイとこの大所帯の旅を動かしているのが凄い。

 

コンサートの際には「運搬班」が搬入・搬出をやってくれ、「ステージ班」が楽器の組み立てのサポート&本番の転換を受け持ってくれる。移動や旅の日常では「付き人」さんが見事なアテンド&あれこれ痒いところに全て手が届く如くに世話を焼いてくれる。我々ゲストにとってはまさに「大名ツアー」だ。

先輩たちから脈々と受け継がれているノウハウやエピソードが生きている賜物だろうか。さすが早稲田、一人一人のポテンシャルが高い。演奏のクオリティも素晴らしい。

各会場とも満席に近いお客さんが入っていることにも本当に驚く。このツアーを長年先頭に立って率いてこられている永久名誉顧問の田中先生の人脈とご尽力には心から感服。

 

さて、前回の続き。

ウィーン。極寒でした。。。

楽友協会ホール。歴史の重みが響きにも現れるような空間だった。これでもかってくらい大変な搬入出、運搬班がよく頑張ってくれた!

どこを切り取っても絵になる街並み、たくさん歩いてみたかったが寒さに負け…それでも師匠と二人でレオポルド美術館に行きエゴンシーレの作品展を堪能。シーレ天才ですな、いやぁハマった!

 

再びドイツに戻り、ハンブルグ。

歴史を感じる倉庫街(写真へたくそで伝わらないね 苦笑)。そのなかにひときわ大きくそびえ立つかっこいい現代建築が(写真には写ってない)、エルブフィルハーモニー。2年前にオープンしたばかりのコンサートホールで、日本のオーケストラがここで演奏するのは今回が初めてだという。中心にステージがありそれを囲むように複雑に入り組みながら上へ上へと連なる客席。どこで聴いても、楽器が発するあらゆる音が埋もれることなくしっかり聴こえる。極上の「クリアな音場空間」だった。

早稲オケの演奏も我々が加わっての「モノプリズム」もありがたいことに各地で大好評、熱烈なスタンディングの拍手をいただいた。

 

そしていよいよ、ある意味今回の山場であるベルリンへ。

とうとうやってきました、ベルリンフィルハーモニー‼

ハンブルグのエルブフィルを「クリア」と例えるならベルリンフィルは「豊か」「円熟」だと感じた。

箱鳴りというのか、ホール自体が持つ独特の響きが、本当に心地よい。エルブフィルもそうだが、こういう素晴らしいホールで聴くと、思わずステージの上を見上げて、そこに浮かぶ見えない「音像」を眺めてしまう。

 

公演前夜、ベルリンフィルのコンサートを鑑賞した。

クラシック音楽にはまったく疎い自分であるが、モーレツに感動した!

オケという「いきもの」が歌い叫び息を詰めそして吐き出す、その躍動に圧倒され、息を呑み、心躍る2時間だった。ベルリンフィルはまず第一に迫力がすごい。maxで弾き込んだ時の音のデカさ!その直後に張りつめた一本の糸のような細い細いロングトーン。さざ波一つ立たない水面に一滴の雫が落ち、二滴三滴と徐々に増えていくそのざわつきがいつの間にか怒涛のごとく押し寄せてくる。プレイヤーは一人一人自分のスタイルで心のままにに演奏しているようでいて、気後れすることも浮き足立つことも一瞬たりとてなく完璧なアンサンブルを展開していく。だから音に濁りが無い。でもただ「完成品」を披露されてる感じでなく、その場でものすごい音楽が生まれている瞬間を目の当たりにしていることを実感でき、すこぶる興奮した。

 

一夜明けて、早稲オケ公演。

昨夜のあのものすごいコンサートと同じステージで演奏するというだけでも本当にすごいことなのに、なんと全世界テレビ中継つき。そして永久名誉顧問の田中先生自ら指揮台に立つ。幾つものスペシャルが重なり、ステージ上もバックヤードも緊張や不安が漂いつつも、一生に二度はおそらく無いであろうこの貴重な経験を目一杯味わおうと、みんな集中していた。モノプリズム、静寂の中から5つの締め太鼓の微かな刻みが重なっていくシーンは、これまでで最もいい表現ができたのではないかと思う。公演の様子はインターネットでアーカイブを視聴できるそうですので是非チェックを(詳細は改めてお知らせします)。

 


早稲オケワールドツアーレポート1

2/18から、早稲田大学交響楽団とともにツアー中である。

3年に一度ワールドツアーを行なっているという早稲オケ、今回は前回2015年に引き続き英哲師匠と風雲の会をゲストに招いてくれた(俺は今回初参加)。

ドイツ〜オーストリア12都市をツアー、我々はそのうち10公演で石井眞木作曲「モノプリズム」で彼らと共演する。

 

現状4公演が終了。写真とともに駆け足で旅のレポートをば。

今回ツアー上のルールから会場内の写真や学生さんとの写真など掲載に制約があるのであしからず。

↓↓↓↓↓

 

ドイツ到着。

200名に迫る一行が集団で動く様子は、なかなかの壮観である。

最初の都市・オーバーハウゼンは過去製鉄で栄えたが今は文化都市に姿を変えているそうで、そのせいか街中に幾つかメタリックなオブジェを見かけた。

この旅を通して楽器を運ぶトランポ車。早稲オケステッカー貼ってある!

 

ツアー初日公演はスタンディングの拍手を浴び無事終了。旧西ドイツの首都・ボンでの2公演目には我々は出演せず、ベートーベンの生家を見学(ベルギーの小便小僧並みに危うく通り過ぎてしまうほどひっそりとした佇まい 笑。内部はなかなか面白かった)したのちフランクフルトへ。

 

ヨーロッパの空の玄関口とも言えるフランクフルトだが、市街を訪れたのは今回初めて。

 

この旅、朝食はホテルで、昼食&夕食は基本的に個々でということになっており、少人数で食べに行ったりスーパーで食材買ってホテルで済ませたりしている。

チーム英哲でドイツ料理を堪能。

広場の屋台でスープを啜る。

シュニッツェルというよりはかなりしっかりしたカツサンドだった。美味しいのだけれど、口の中傷だらけになるかと思うくらいパンが硬い。。。

 

3公演目はこちらの旧オペラ劇場で。内部は非常に近代的でかっこいい作り(これまで訪れた中でNo.1かも)。音響も素晴らしかった!

 

4都市目、オーストリア・ザルツブルグへは、列車で陸路移動。

 

はじめは土色だった景色が、いつの間にか銀世界に。

まずは伝説の指揮者・カラヤンのお墓参りへ。

このツアーが始まったエピソードを墓前で、団の永久名誉顧問田中先生が語ってくれた。途中お昼の鐘やらサイレンやらがこれでもかと鳴り響いてお話が聴き取れず。。。(苦笑)

 

街の中心に川が流れ、

丘の上にはお城が。

そしてトンネルを抜け旧市街地に入ると、絵本の世界のような街並み。

 

公演の方は…

モノプリズム3回目にして、終演後マエストロ・山下一史さんが「カンペキ!」と上気して太鼓奏者一人一人に握手を求めて下さった。実感としても、キュッとタイトにまとまった手応えがあり、観衆の反応もすこぶる良かった。ツアーの醍醐味は、作品の精度を上げつつ会場や客席の空気に合わせて演奏に変化を加えていく楽しみがあること。まだまだ続く今後の公演が、楽しみだ。

山下さんが我々を食事に誘ってくれ、貴重な興味深い話を色々伺うことができた。濃密な一夜だった。

 

というわけで、5都市目、ウィーンに向け、バス移動の車内にて、駆け足レポートでございました。

 

隣で田代氏、マレット手作り中。

 

 


ナントで「我に羽賜べ」

先週6日に、フランス・ナントより帰国。

 

3度目の「ラ・フォル・ジュルネ」。

いわゆる民族楽器の奏者が、「クラシック音楽」の祭典に、しかも3年連続で呼ばれるというのは、よほど異例なことなのではないか。それだけ[Eitestu Hayashi]の芸術性を、プロデューサーのルネ氏もそして聴衆も、非常に高く評価してくれているということだろう。自分の師匠の演奏と作品をそのように認めてもらえているのは素直に嬉しいし、その一端を担っていられることはとても誇らしくもあると同時に、「今年はどうなの」という期待に応えなければというプレッシャーも感じる。

今年のテーマは「New World」。漂泊、亡命、新天地などのキーワードから、美術家シリーズ第5作目の「レオナール、我に羽賜べ(2004年初演)」で臨んだ。

 

オリジナルバージョンはパーカッションとマリンバで「クリス&祥子」さんたちがゲストプレイで参加してくれていたものを、今回は英哲&風雲だけで挑戦してみようということになった。細かい部分で修正を加えより劇的な演出を盛り込んだりというチャレンジもあったが、加えて田代・辻の活躍は目覚ましく、本当によくがんばった!

辻は持ち前の「動ける体」を生かし、おどけて振る舞いながらも時代に翻弄され苦悩する藤田嗣治をソロで演じた。師匠のイメージを汲み取り、自分のものにするのは本当に大変だったと思う。田代は2つのシーンでマリンバを担当。各楽器の一流のプロフェッショナルの演奏が見られる場でマリンバを演奏するというプレッシャーは、相当なものだっただろう。「マリンバの演奏を聴かせるんじゃない、空気を作って欲しい」という師匠の難しい要求に、最後の最後まで演奏内容を変えながら取り組んでいた。3日間で4回の公演。回を重ねるごとに二人のパフォーマンスがどんどん良くなっていき、同時に作品全体のクオリティも高まっていったと思う。それぞれ田代・辻だからこそできたことであり、それを見事につとめきった二人は本当に立派だった。

 

ナント版「我に羽賜べ」について、非常に嬉しいレビューが、ラ・フォル・ジュルネTokyo公式Facebookページに載っている。ぜひご一読いただきたい。

https://www.facebook.com/mikita.hase/posts/1404284396348053

(これで皆さんご覧いただけるのかな…)

 

英哲作品の芸術性の高さと深さ。演るたびに痛感する。この貴重な経験を、自分の舞台にどう活かしていけるのか…。

6月に、コンサートします。

情報公開は、また後日。

 

 


メデタシ復帰、メデタシ30万

さる週末は尾道へ。

久びさのこの景色、なんか落ち着く〜。

 

我らがエイテツ師匠、手指の剥離骨折からの復帰コンサートでありました。

三週間の休養期間を経て、「しまなみ交流館」満場のお客様に見守られての完全復活‼

尾道は遡ること15年前、「海の豊饒」指導のために何度となく通った土地。その後もご縁があり、幾度となくお邪魔していることもあって、お客さんとの距離が近く感じる。演奏にも師匠のトークにも反応がいい。普段のコンサートではない箇所で幾度も拍手がわき起こった。その拍手と声援に背中を押され師匠、またしてもというかいつも通りというか、限界まで追い込んだ見事な大太鼓ソロだった…。改めて感服。

 

さてそんな師匠の復帰メデタシメデタシに加えて、もう一つ、メデタシことが。

 

我が愛車「ブルーバス君」が、ついに先週「走行30万km」達成‼

12年前新車で購入、以後北から南へ東へ西へ、雨の日も嵐の日も自分と太鼓を運び続けて地球を7周半。

本当にご苦労様、である。

もう何日も前から周囲の人に「そろそろ30万だよ〜」と、相手には全く興味のない情報をふれ回っていたのだが、

あろうことか、その瞬間を見逃した。

先週の月曜、清水での指導の戻り、このドライブ中に確実に到達だとわかってたのに…気がつけば

こうなったら、なにがなんでも333333kmまで乗ってやろうと、心に誓った。

ブルーバス君、まだまだよろしく!

 

 


充実しすぎの松ノ内でした

遅ればせながら、

あけましておめでとうございます。

本年も、ズボラ前回のブログ「タイコ担いでどこへ行く」に、辛抱強くお付き合いいただけますように。

演奏は、充実させますので。。。

 

 

充実度ハンパない、松の内の7日間でありました。

元旦は恒例のサントムーン「新春ライブ」。

もう8・9回目くらいになるだろうか。回を重ねるごとに「演奏を見るために来ました」と声をかけてくれるお客様が増え、嬉しい限り。朝8時に現場入り、大急ぎで仕込んで10時開店と同時に演奏開始、午前中に2ステージという、いわゆる「営業お仕事」としては超ハードな現場だが、この一言をもらえただけで報われる。例年、太鼓のデュオ演奏をやってきたが、今年は尺八・小濱氏とのデュオで。久々の小濱氏との共演は刺激的で、熱く楽しい時間だった。

盟友(と勝手に思ってます)小濱氏とのワークが、今年は増えそうな予感。

 

翌2日に大阪移動、3日「林英哲新春コンサート」。

多くの方ご存知の通り、師匠の手指剥離骨折のためバチが握れず、急遽風雲の会と、スペシャルゲスト山下洋輔さんとでステージを務めることとなった。山下さんと風雲4名とのバトル的演出でやることになった「ボレロ」は、アクシデントから生まれたまたとない好機ととらえ一同大奮闘。我々のシャカリキな熱演は、山下さんの大海のごとく大きなピアノに受け入れられ、というか飲み込まれていった(苦笑)。貴重な機会を、ありがとうございました!

 

4日は唯一の休み(といっても一人稽古と楽器積み替えで終わった)。

5日に上京、たたらさん新澤さんとのリハを経て、6日「和っしょい」本番。

 

毎年この時期に開かれている日本の楽器・唄そして話芸で構成されるコンサート「和っしょい」

。今年は我ら[BOK・SUI]と、津軽三味線木乃下真市さん松橋礼香さん、そして神田京子さんの講談というラインナップ。

木乃下さんの津軽三味線夫婦デュオは、まさに一糸乱れぬユニゾンと、ため息が出るほどの繊細さ、超絶な技術と美しいハーモニーに、打ちのめされた。ただただ「凄い」の一言。舞台袖から、お二人の隙のない、磨き上げられた芸に釘付けだった。

一方我ら[BOK・SUI]は、デュオ演奏に加えゲストに新澤さんを迎え、40分の持ち時間の中に「タタールの砂」「きざし」とヘヴィな2曲を盛り込んだディープな内容で勝負。だいぶ力の入った硬い演奏になってしまったが、BOK・SUIらしいカラーは提示できたかなと思う。裏方メンバーに顔見知りが多くみんなタイトなスケジュールの中とても親身に取り組んでくれ、安心して舞台に上がれたことにも救われた。

BOK・SUIはまだまだ結成1年目、今年もいろいろ挑戦を重ね、熟成を深めていきたい。

 

打ち上げもそこそこにとんぼ返り、翌日朝イチから劇場に入り英哲・沼津公演の演奏風雲のみバージョン(苦笑)。

奮闘したよ(笑)。

こちらは4月に、師匠完全復帰で振替公演を行います。今回ご迷惑をおかけしましたことに深くお詫び申し上げますとともに、4月の公演を、どうぞお楽しみに!

 

…でようやっと通常営業に戻り教室もスタート。なかなかブログを書く手が進まぬうちに半月が経過。

先週末は、大好きな空間・甲府の桜座で40分ソロ演奏。

どソロ40分はなかなかハードな内容だったが、空間の素晴らしさに加え楽器のコンディションも良く、それほど疲れず気持ち良く演奏することができた。そう、完全ソロの公演も、今年はやりたいなぁ。

 

というわけで今週末は広島尾道で英哲公演、月末から3月中旬までは海外公演と続く。ボーッとしてるとあっという間に時が過ぎてしまいそうなので、春以降のライブ計画等をバタバタと進めております。あらためまして、本年も変わらぬご声援を、どうぞよろしくお願い申し上げます〜。

 



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太鼓奏者・はせ みきた

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