強烈なインスピレーション

寒さが身にしみる季節となってきた。気がつけば今年もあとひと月あまり。早いものだ。

20日の静岡AOI「チャリティコンサート Smile! Smile!! Smile!!!」は、前半太鼓の独奏、後半は琵琶と語りの独奏というシブーい公演だったが、それぞれの楽器の音色、奏者の世界観をストレートに味わっていただけ、評判も上々だったようだ。

琵琶奏者の坂田美子さんは、とても物腰柔らかく上品な方で「太鼓が先で琵琶が後なんて、順番が逆の方が…」と遠慮がちにおっしゃっていたが、そのパフォーマンスは誠に重厚で繊細で、かっこよくそして美しかった。あの1音と1声で一気に時を超え古の世界にタイムスリップする感じ…機会があれば是非今度は、共演したい!

 

さて今月は、坂田さんの他にも素晴らしい音楽との出会いがあった。

 

◆11月10日「360°マリンバ」

沼津の「よしもと劇場」があるラクーンビルの6階。1フロア丸ごと、あらゆる装飾を取り払ったフリースペースの中央に、六芒星のように並べられたマリンバ。沼津市出身で現在はベルギーを拠点に活動している鈴木彩さん率いる6名のマリンバ奏者が闇から現れ、彩さんが構成した楽曲群を奏でながら現行世界とパラレルワールドとを行き来する。既存の楽曲で構成されていたそうだが、そこで生まれた世界は完全に彩さん独自のものとなっていた。声とマリンバ。動きと息づかい。たったこれだけの要素で、いくつもの景色、感情が走馬灯のように現れ、消えていった。1時間ほどのステージだが、本当に素晴らしかった!空間も、非常にシンプルな照明演出も、とても良かった。鈴木彩さん。共演したい人がまた一人増えた。しかしあの空間に太鼓が轟いたらどうなるだろうか…(よしもとさんから苦情くるだろうな 笑)

 

◆11月23日 上妻宏光「STANDARD SONGS feat.佐藤竹善」

上妻さんが隣町の函南町に来られると知り駆けつけた。2010-11年とそれぞれ丸1月づつ、アメリカ中西部の小都市でワークショップと公演をして回るという、恐ろしく濃厚でハードな旅をご一緒させていただいた。その時のピアニスト・野崎陽一さんもいらしてて、開演前にお邪魔した楽屋で同窓会のようなノリで話に花が咲いた。

竹善さんを生で聴いたのは初めてだったが、なんと幅の広い、そして奥深いプレイをなさる方か!語りかけるような歌声から見事なスキャット、そして迫力・音圧とも違うのだが圧倒的に空間を埋め尽くしてしまうようなロングトーンまで、上妻さんの言葉を借りるれば「縦軸と横軸がどこまでも伸びている」表現だった。

コンサートの内容はあくまで「お客さんを楽しませる」ことに徹していて、ポップスからジャズ、津軽民謡のソロ、レゲエまで皆が一度は耳にしたことがあるナンバーをこの3人ならではのサウンドにして届けられていた。1曲の中でほんの数フレーズしか弾かないとしても、そこにあるのはゆるぎなく「上妻サウンド」であり、余計な主張はしない、でもその存在感は明確であるところが、上妻さんの凄さ、かっこよさだ。トークも素晴らしく、客席は終始「よろこび」に満ちていた。終演後のCDの売れること!コンサートの出来の良さそのままだ。

静岡まで移動し打ち上げにも参加させていただいた。楽しく貴重なミュージシャントークに酔い、なぜか筑前さんのマネージャーNさんと意気投合してひさびさに明け方まで「痛飲」してしまった。

 

◆11月25日 石坂亥士「螺旋のグルーブ」

本郷の東大にほど近い「求道会館」。前々から気になっていた空間だ。

ガイシさんと出会ったのははるか前、俺がこの世界に飛び込もうかどうしようか迷っていた頃だ。

ガイシさんは神楽太鼓を中心に、世界中の新旧さまざまな打楽器を操る。ガイシさんと俺は楽器は同じでもその演奏内容は「真逆」なくらい違う。俺の打つ音が「直線」的なのに対し、ガイシさんは「うねる」。

この日のライブはタイトル通り、言ってみれば「怒涛の倍音シャワー」だ。

前半はさまざまな金属楽器たち、後半は神楽太鼓一つ。音がうねりうねる。ひたすら繰り返されるリズムの中で潮の満ち引きのような、どこからともなく吹く風のような「ゆらぎ」が生まれる。前半が終わった時点で耳を丸洗いされたような感覚になりトイレのおしっこの音まで美しく聴こえた(笑)。誤解を恐れずに言うと非常にマニアックな音楽だが、好きな人にはたまらなく贅沢なひと時だったに違いない。求道会館のスペースが絶妙にちょうど良かった。

飛び入りでピアノ演奏をしてくれたエドゥアルド・デルガード氏がまた素晴らしかった。

ガイシさんとはきっと近いうちに、音を重ねることになるだろうとなんの根拠もない確信を持った。イコール、そういう場を作ることになるだろう。

 

どの公演も出会いも本当に素晴らしすぎて、一切写真がない。しかしこの濃厚な四つの公演は、来年以降の俺の活動、表現にとって大きな刺激となるだろうことは間違いない。

お楽しみに。

 


燃えた!四人囃子ライブ

先週の「四人囃子ライブ」は熱かった!

 

「笛が二人、太鼓が二人」という、ありそうでなかなかない編成のこのライブ。

 

ズミ氏もブログで言っているが「お互いのことをちゃんと理解し合えている」4人だからこそ、うまくいったと言えよう。

同じ楽器が二人ステージに並ぶ場合、互いに「俺が俺が」で単なる競り合いとなって音楽的にぐちゃぐちゃになってしまうか、反対に互いに遠慮しすぎて綺麗にまとめることに終始してしまいツマランものになるかのどちらかに陥りやすい。

 

太鼓に関して言えば、勝手に自己分析すると俺とズミ氏は似たところがあって「全体のまとまりを大事に」するプレイが得意というか多い(と思っている)のだが、今回「ここは俺イクよ!」とグッと前に出たときに、その場に応じてスッと引いてくれたり、敢えてカブせてきたり、別のシーンで大暴れしたりと自在にその場で言葉を交わすことなくプレイを変化させ、互いに刺激し合いながらライブ全体という大きな括りでの「まとまり」を自然と作ることができた。

 

俺が思うに笛の二人に関しては得意とするプレイスタイルは異なっているが、おそらく同じような『会話』が、ライブを通して二人の間で交わされていたことと思う。

 

だから多分、誰か特定のプレイヤーのファンの方も「今日〇〇さんおとなしかったね」とか思わなかっただろうし、逆に「あの人あんなプレイするんだ〜」と新鮮な発見があったかもしれない。

4人それぞれ、作る楽曲のカラーがはっきり違っているのも、面白かった。

 

ライブ後、お客様の帰りがけの反響を受けて4人ともに口にしたのは、

「年イチでやりたいね」。

 

やりましょう!!

毎年必ず決まった日にやるってのもいいかもな…。

 

 

さて、みんなでワイワイの熱いライブのお次は、明日の40分独奏。

静岡AOIの超響くホールにて、アイワ不動産HDさん主催のチャリティコンサート。

前半はワタクシ、後半は琵琶・語りの坂田美子さんの独奏という、非常にシブい公演です。

それぞれ趣の違う「和の世界」に、どっぷり浸っていただきましょう〜。

 

 チャリティコンサート「Smile! Smile!! Smile!!!」

 11月20日(火) 18:30開演

 静岡AOIコンサートホール

 出演:はせみきた(太鼓)、坂田美子(琵琶・語り)

 詳細は こちら

 

 

それにしても最近、人の曲を料理(アレンジ)する面白さにハマっている。

曲によっては「イジリ倒す」に近いこともしてるかもな。共演者の皆さん、ゴメンナサイ。。。

翻ってオリジナル曲(特にメロディもの)をずっと作ってない。今後の4人囃子やBOK・SUIのためにも、作らなくちゃだな。

そして、自分の曲を信頼おける人に「イジリ倒」してもらいたいという願望もあります…。

これまでイジリ倒してくれたのは、土井啓輔さんと師匠だけかな。

どなたか、よろしくお願いします!

 

 


充実

今週 月・火・水と小田原市内の小学校3校で学校公演をしてきた。

自分と田代・辻の3名「風雲Aチーム」での公演だ。別にBチームCチームがあるわけではなく、数年前にアフリカで公演をしてきたメンバーなので「Aチーム」と、事務所の社長が名付けた(笑)。

 

小田原市のアウトリーチ事業という名目で昨年から幾つかの学校にお邪魔して演奏・レクチャー・体験を盛り込んだプログラムを展開している。おかげさまで地元も含め学校公演はかなりの回数を経験しているので、師匠のレクチャーコンサートの流れに即しつつも独自の解説も加え、全体の進行役を務めさせていただいている。「国立大教育学部卒・教員免許持ち」というメンバー紹介がネタになっていた時期もあったがそれはさておき、学校公演にはちょいと自信があります。風雲Aチームでも個人的にも、呼ばれればどこへでも出かけていきます!ご用命いつでも大歓迎ですぞ。

 

(写真は松田町に近い御殿場線沿線の小学校。うちの近所と風景があまり変わらん 笑)

 

3日連チャンだったが、各学校の規模・校風などで少しずつ反応も違って面白かった。

平素から親しくおつきあいさせていただいている「小田原北條太鼓の会」の方たちがサポートしてくださり、準備片付けに加えパンの差し入れなど、大変ありがたかった。パンはメンバーさんの親戚筋の「BunBun」というお店のパンで、「もちべえ」というドーナツ?が絶品!生地はモチモチ、胡麻たっぷり、そして何というか、鮮烈な甘さ(しっかり甘いが、しつこくない)で、めちゃくちゃ美味しかった。食い意地が勝り写真はなし。。みなさん小田原にお立ち寄りの折は、ぜひお試しあれ!

 

 

今年は海外公演も多くかなりあちこち出かけていたので、割と忙しかった気がしているが、自主企画のライブは意外と本数が少なめだったようだ。地元でも関東でも「次はいつ?」としばしば尋ねられた。

静岡では自主企画ではないが、11月20日のチャリティコンサート「Smile! Smile!! Smile!!!」が年内としては最後になる。琵琶・坂田美子さんとの共演。

東京では11月13日「笛と太鼓の四人囃子Live」が迫っている。これ、めちゃくちゃオススメですぞ。近年和楽器アンサンブルは多々現れているが、こんなにシンプルで、こんなに濃厚なサウンドと音楽を生み出す組み合わせはなかなかないかも。10日後の公演です。ご予約はお早めに。

<ライブスケジュールの詳細は こちら

 

 

さてさて、年の瀬に向けて「旧稽古場」の解体作業に勤しんでおります。

稽古場付近は冬になるとかなり激しい空っ風が頻繁に吹くので、倒壊してしまわないよう冬が来る前に終わらせなければと、このところせっせと作業に当たっている。

まずは天井・内壁を可能な限りバラし、半分はそのまま残して解体した資材をしまっておけるように仕切り板を立てた。ようやくここ数日で外壁のトタンを剥がし、屋根の解体に取り掛かっている。

たった10坪のハコとはいえ、一人でバラすのはなかなかの重労働だ。あちこちが筋肉痛。

でも好きな音楽を聴きながらトンカチトンカチ、没頭している時間は楽しい。ここ数日の好天続きのうちにキリのいいところまで終えなければ。さあもうひと頑張り!

 

 

やりがいのある仕事をし、良い仲間と良い音楽を奏で、美味しいものを食べ、好きな作業に没頭する。

なんと幸せな日々か! 感謝。

 

 

 


フランス「ジャポニズム」レポートと、その後

秋晴れの陽気が大変心地よいここ数日。

今年に入ってからボチボチと進めてきた旧稽古場の解体作業、そろそろ本腰を入れて急がねばと、ここ数日がんばっている。

ありきたりの表現だが、17年分の汗と音の染み込んだ小屋、せめて自分の手でばらしたい(あわよくば材料を再利用したい 笑)という思いから、極力丁寧に分解している。もともとこういう作業は得意ではないが好きなので、道具片手にはしごに登り、ぼつぼつやっております。内側はあらかた終わったので、いよいよ外壁と屋根の解体に取り掛かるところまで来たぞ。

 

 

さて11日から1週間、日仏友好160周年に合わせて「日本政府として類を見ない規模で日本文化を発信する一大事業」として国を挙げて取り組まれているイベント『ジャポニズム2018:響きあう魂』に「林英哲&英哲風雲の会」として参加のため、フランスへ旅してきた。自由時間はほぼほぼナシのガッツリ詰め込み濃密な1週間でありました。

 

 

最初の公演はパリ中心にある「プティ・パレ」美術館内にて、「伊藤若冲展」に合わせて師匠の美術家シリーズから『若冲の翼』1日2公演。

(写真はリハ風景)

プティ・パレ=小さな宮殿だけあって超豪奢な造りの館内は恐ろしく残響が長く、締太鼓を一発打つと5秒以上「トーーーーーーーーーン」。そういえばハンガリー・ブタペストのリスト音楽院で「ようそろ」として演奏した時も残響すごかったっけ。

日中の開館時間中の美術館での演奏という、なかなかできない経験であった。

 

続いては世界屈指の音響と称されている「フィルハーモニー・ド・パリ」での本公演。

一部は「三ツ舞」「天請来雨」「天真北斗」のレパートリー演奏、二部はフランスで生涯を閉じた画家・藤田嗣治の生涯と作品を描いた、美術家シリーズより『レオナール、われに羽賜べ』。

今回は風雲・服部博之がひさびさ参戦。すごくキンチョーしてた。

コンサートは1曲終わるごとに割れんばかりの拍手喝采で、最後は大スタンディングオベーション。ジャポニズム企画の公演の中でも真っ先にSOLD OUTになったほどの前評判だったそうだが、期待を裏切ることなく喜んでいただけたようだ。

 

翌日すぐにTGVに乗り込んでドイツ/スイス国境にほど近い地方都市・ミュルーズに移動。

その日のうちにコンサートの仕込みとワークショップをこなし、翌日再び本公演。10万人くらいの街に不相応と思えるほどの大きな大ホールも、ほぼ満席だった。フランス人の文化意識の高さなのか。こちらも大盛り上がりで、全行程を終えた。

 

というわけで休む間も無く帰国の途についた弾丸ツアーであったが、さすがフランス、食べ物は出てくるものどれをとっても本当に美味しかった。ツジタスクもこの表情(彼はなぜかこの後体調を崩し、帰国時にはゾンビのような顔してた 苦笑)。

 

 

さーて、次なる大仕事はいよいよ、「笛2、太鼓2」の四人囃子ライブ。

朱鷺たたら、山田路子、小泉謙一というよく知ったメンバー同士。楽器は2種だが、濃厚で分厚いサウンドになること間違いなし!

いよいよ今週リハに臨む。楽しみだ。

ライブの詳細は こちら

 

 

(↓ミュルーズの街中にあったブリキのオブジェ)

 


亜紀と秋の「ちゃっきり」プチツアー

今月はなかなかに忙しい〜。

 

先週末は「女子シングル自由形ピヤノ弾き語り」の鈴木亜紀さんと、プチツアー。

甲府の大好きなライブハウス「桜座」でのライブと、磐田市のお寺「新豊院」さんでの秋彼岸会ミニライブの2本立て。

ここのところ雨続きで楽器の搬入出は大変だし、気分もなんとなく盛り上がらない日々が続いたが、この2日間嘘のように好天に恵まれ、とても気分の良い小旅行となった。

 

21日に亜紀さんと合流して三島の稽古場にてリハ、翌22日に甲府に向け出発。

山を越え山中湖〜河口湖を抜けて甲府に向かう道中、亜紀さんはマイナスイオン吸収しまくって上機嫌、俺は富士吉田の「よしだうどん」食べたくてウキウキ。たっぷり英気を養って甲府入り。

 

今回の桜座ライブは、「ライブ前にぶどう狩り」と「ライブ後にワインで乾杯」の2つのオプションを用意した。甲府のお客様だけでは集客がしんどく、なんとか遠方からもお客様に足を運んでもらおうということでの苦肉の策だったのだが…

 

これが大好評!

 

ぶどう狩りは市内「善光寺」駅から徒歩3分ほどの「早川園」をチョイス。園のスタッフのおっちゃんが我々11名を引率して園内で栽培している数十種類のぶどうから今食べ頃のぶどう10種類ほどを選んで、簡単な説明付きで参加者に採らせてくれる。摘んだぶどうは後ほどぶどう棚の下でテーブルを囲んで、食べ比べ大会。ブラジルのぶどう、レバノンのぶどう、今大人気のシャインマスカット、紅茶の香りのするぶどう、アキ[安芸]クイーン(スズキアキ舞い上がる!)…皆でワイワイと、たらふくぶどうを食べて800円ちょっと。「○○狩り」は美女も含めイチゴしか経験がなかったが、いやー楽しかった!

 

ぶどう狩りで顔も見知ったお客様たちの前で、ぶどうにちなんだ楽曲も含め10曲を熱演。あっという間の2時間だった。遠くは北海道、石川県からも駆けつけてくれ、音につられて飛び込みで参加してくれたお客様もいてくれて、ライブ後の打ち上げも和気藹々と盛り上がった。

たまにはこういう企画もいいね、またやって!という声も多数いただいたので、来年…かどうかはわかりませんがそのうちまた企画します。

 

 

翌朝甲府を発ち、一路磐田へ。

曹洞宗のお寺「新豊院」さんは、はじめ二胡の鈴木裕子さんにお誘いいただき、次に太鼓 小泉謙一とお邪魔し、今回で3度目。

今年は御本尊の「能満所願虚空蔵大菩薩」の修復記念で、「胎内仏像」の400年ぶりのご開帳という大変有難い場に立ち会わせていただいた。

400年ぶりに外の空気を吸った仏様が、女であるために祭りに参加できなくてグレかけた歌や「トビウオ」や歌えや踊れやの「ちゃっきり節」をお聴きになってどうだったかは置いといて(笑)、会場の皆さんはとても楽しんでくれたようだ。もと相方・岡田にも久々に再会でき、超豪華弁当やお土産までいただいて、身も心も幸せいっぱいで、ツアー解散。

 

やっぱり旅は良いですな。

呼んでくださった方、参加してくださった方、協力してくださった方皆様に、心から感謝。

 

 

さて、今日はこれから小泉謙一と合流、明日は地元の小学校でズミ氏と学校公演。

太鼓の面白さ、奥深さを伝えてくるぜ!

 

 


音楽祭をつくる、ライブをつくる

 

参議院議員・平山佐知子さんの主催する「平山佐知子と創る音楽祭」に、参加した。

 

幼少期から音楽が好きで一度は楽器メーカーに就職、その後NHKアナウンサーとなり静岡県内の隅々まで訪れ、多くの県内出身の音楽家・静岡に根を下ろし活動する演奏家と出会う中で、静岡全域を選挙区とする参議院議員となった今、静岡にゆかりのある音楽家とともに新しい地元発信の文化活動のムーブメントを起こそうと、音楽祭の開催を思いつかれたとのこと。

 

平山さんとはフリーで活動されている時に何度か現場でご一緒させていただいたご縁から、記念すべき第一回目の出演者としてオファーをいただいた。しかも出演だけでなく、コンサート全体の構成・演出の大役まで仰せつかってしまった。

 

音楽祭は県内東・中・西の3か所(三島/静岡/浜松)、各1000人規模のホールを会場とし、本年の出演者はピアノ独奏の入川舜さん、声楽の村上達哉(テノール)さん有賀美聡(ソプラノ)さん、そして太鼓はせみきたの3組。「大役」とはいえ、それぞれみなプロフェッショナルの演奏家だし、司会進行のプロまでいるわけで、俺は各コーナーの内容を把握し全体の流れを組み立て、進行役の平山さん、舞台スタッフと細々とした打ち合わせをし、あとは最後の「共演シーン」を船頭役となって作り上げるくらいで、それほど大したことはしておりません(笑)。

 

ピアノの入川さんは30ちょい越え。7年間パリで修業を積み帰ってきたばかりとのこと。堂々とした見事な演奏と、大真面目な、でもたどたどしいトークのギャップが大いに好感を誘った。3会場回を重ねるごとに演奏内容に磨きがかかり、ぐっと良くなっていくのが素人目にも良くわかった。

 

声楽の村上さん有賀さんは実はご夫婦。村上さんの圧倒的な声量と有賀さんの見事な超高音の発声にはまさに「魂を揺さぶられる」感じがした。ベテラン村上さんの気の利いたトークに会場は一気に温まり、最後は「ブラボー!」喝采の嵐。

 

「はせみきた」はトップバッター。浜松のアクトシティは音楽ホール、他2会場も反響板仕様としたため、なるべく弱音〜中音までを特に丁寧に、繊細な音・豊かな響きを印象的に出そうと心掛けた。「響きを聴かせる」演奏、以前よりは多少できるようにはなったが、師匠の演奏にいつも間近で触れてるだけに、まだまだ道のりの遠さを感じる。が、まあ割といいセンはいったかな、と思う。

 

良い共演者と、いつもの我が最強スタッフのおかげで、クオリティの高い催しとなったと思う。

平山さんの人柄とさすがのナビゲーションが随所に光り、支援者の皆さんにもお喜びいただけたのでは?

正直、大したことはしてないとはいえ、慣れないことをするのはやはり大変だった。でもとてもいい勉強になった。

 

 

そして今日は、大切な戦友の応援に。

これまた慣れない「舞台監督代理」なる役を仰せつかり、てんやわんや。

仕込みもリハもバラシもひたすらタイトな時間だったが、みんなで力を合わせてなんとかやり切った!

それもこれも、演奏内容が良くて、お客様が喜んで帰ってくれれば報われるってもの。いいライブだった。

今日のヤツの背中は、今までで一番キレてて、美しかった!

公演の成功、心から おめでとう。

 

 

 


英哲カナダツアーレポート その3

無事日本に帰国しました!

8月も終わりということで、暑さはだいぶ和らいできてるようだが、カナダから比べるとやはり蒸し暑い!ざるそば食べたい!

 

 

さて最終レポートとして、トロントでの公演とワークショップのことをば。

 

コンサート会場は日系文化会館(JCCC)。

会館内の道場では柔道剣道合気道に加え居合の稽古まで開かれていた。売店では道着や書籍・CDに加え見慣れた日本のドリンクが。

これまで開催された数々のコンサートや舞台、映画のポスターがずらり。伝統ものからアニメなど最新のトレンドまで、多岐にわたる「日本文化」を熱心に紹介されているようだ。

多目的に使えるホールに大きな仮設の舞台を組み、日本から同行している舞台・照明スタッフの手で我々のいつものステージが組み上がっていく。

 

ジャパンスタイルのお弁当に、インスタントの味噌汁。嬉しい。

 

JCCC内には、19世紀終わり頃からの一世移民から始まるカナダにおいての日系社会の歴史が時系列に沿って、それぞれの世代の人へのインタビューとともに展示されていた。製材所などでのきつい肉体労働に始まり漁業や新しい事業を起こして行った人々。戦時下に家族バラバラにされ、極寒の内陸の強制収容キャンプでの生活。そんな苦しい時代の話に口を閉ざす両親のもとでカナダ人として育てられ、自身のアイデンティティをなかなか見いだせず苦しんだ世代…。とても当たり前のことだが、その時どきの時勢や状況のなかで人それぞれの思いとともに積み重ねられた営みの連鎖が「歴史」なのだなとリアルに感じた。多分自分と歳の近い方の「混ざり合った遺伝子を持っているということは、不思議で素晴らしいことなのです」という言葉は、とても印象深く心に残った。

 

師匠は鬼太鼓座時代にここを訪れており(当時の建物も少し離れたところに現存)、42年ぶりに再び弟子を連れて演奏することにことさら感慨深いものがあったようだ。公演中のMCも、生声で英語の原稿を読み自身の思いを伝えておられた。

公式には日加修好90年の今年、その歴史と人々の想いの詰まった場所で、国と国・文化と文化を人がつないでいくことを象徴した作品「澪の蓮」や、友好の印としてバンクーバーに植えられた桜の木から生まれたバチで奏でた「太鼓打つ子ら」は、多くの人の心に響いたようだった。

 

 

最後のワークショップ。

本ツアーのワークショップでは、師匠が確立した「大太鼓の正対構え」の基礎の稽古と曲「千の海響」の習得に加え、約50年前から現在に至るまでの日本・海外における「和太鼓」の歴史と変遷を知ってもらう講義を盛り込んだ。非常に中身の濃い、3時間越えのワークショップだった。自身の経験と複雑な感情を含んだ師匠の言葉を的確に、余すところなく英語に変換して伝えるジョー・スモール。プレイヤーとして通訳者として、彼はこのツアーのMVP間違いなし!本当にお疲れ様。

 

 

というわけで、カナダツアーは無事終了。師匠と田代・辻・ジョーは引き続きアメリカに渡り9月12日までのワークショップツアーへ。俺は一足先に戻り、来週からの静岡でのとある大仕事の準備をしつつ、英哲チームのツアーの安全と成功を祈っております。

 

本ツアーを企画運営してくださったカナダ大使館・国際交流基金をはじめ、各都市の領事館、現地スタッフさん、協力企業さん、ほか多くの皆様のお力添えに、心より御礼申し上げます。

ありがとうございました!


英哲カナダツアーレポート その2

英哲カナダツアーレポートその2。

といっても現在既に帰国の途に着く飛行機を待つ空港ロビー。昨夜から書き始めて、やっとなんとかまとめましたぜぃ。

 

旅の後半は体調も通常に戻り、元気いっぱい2本のコンサートに3本のワークショップ、「Japan Festival」の出演をバッチリこなすことができた。

 

さて、前回の続きからとなると、オタワですな。

着いて早々、大使館の医務室にご厄介になり、日本人の医務官の先生に診ていただいた。すでに復調の兆しが見えてきていたのだが、やはり日本語で的確に症状を伝え、それに日本語で丁寧に所見をうかがえるというのは、大きな安心につながった。薬も処方してもらい、それを飲みつつみるみるうちに回復。ありがとうございました!

 

ようやっと付近を散策したりする気力も湧いてきて、ホテルからほど近い国会議事堂へ。

夏の間、週末にはこの議事堂の背後の川から花火が打ち上げられる(花火のコンペティション?)そうで、夜になると多くの人が花火見物に来ていた。

 

郵便ポスト。カラフルでかわいい。

 

今回のツアーは、カナダの各都市で公演と、現地の太鼓愛好家の方たちを対象にしたワークショップをおこなった。

アメリカのTAIKOシーンの熱さはかねてより知っていたが、元我が教室生のKさん率いるKingsDonTaikoを除いてはカナダの太鼓チームとの交流はこれまでなく、これまたやはりたくさんのチームがカナダ国内にあることを今回知り、驚いた。太鼓が広まった経緯もアメリカとは若干異なっていて、その「芸風」にも違いがあって面白い。

オタワの音和(OTOWA)太鼓はかなり歴史が深く、80オーバーの男性がチームを長年引っ張ってこられている。御諏訪太鼓系の演奏スタイルをきちんと丁寧に守ってこられている演奏ぶりは、とても素敵だった。良くも悪くも、「声の限り、力の限り」エネルギー大爆発の絶叫パフォーマンスが日本でも海外でも全盛になりつつあるいま、彼らの演奏はむしろ新鮮で心地よかった。

ちなみに音和太鼓さんの練習場は体育施設の中にあり、稽古場の窓からアイスホッケーを楽しむ人々の姿が見えた。

 

そして最終地・トロント。

 

トロントには1週間近い滞在となり、空き時間もそこそこあったので、バスや地下鉄にも乗って市内散策を楽しんだ(ほぼほぼ観光ガイド通りのスポット巡りだけど)。

ディスティラリー地区。昔のウイスキー醸造所などの建物を再開発したお洒落なお買い物エリア。

カナダは昨年が建国150周年だったそうだが、煉瓦造りの建物が多いので、家でも商店でもビルでも、築100年越えはざらに現役で使用されている。

ジャズの殿堂とも言われているらしい「MASSEY HALL」。現在は改築中。

トロント市庁舎。師匠は42年前、出来たばかりのこの市庁舎前で演奏したそうだ。

カナダはモザイク文化と言われるが、トロント市内でも「チャイナタウン」「コリアンタウン」「リトルイタリー」などエリアごと個性がはっきりしていて、そのエリアに入ると道路標識まで変わったりする。

コリアタウン。

チャイナタウン。(写真中央辺りの「基本髪」という看板が気になる)

 

特に気に入ったのが「ケンジントンマーケット」。

古着屋、雑貨屋、各国料理のレストランなどがひしめき合い、所々でストリートミュージシャンが演奏してたりダラダラしてたり。雑多な感じがすごくいい。

金箔アイス⁉

 

 

ツアー最後の演奏仕事は、トロントの隣の市・ミシサガで行われた「Japan Festival」出演。

2日間で数万人の動員を誇る、北米でも有数の「日本イベント」だそうだ。

数日前から天気予報があまり芳しくなく、当日夕方から雨の予報。午後1時からイベントが始まり、まずはトロントの老舗チーム「永田社中」のパフォーマンス。だんだんと空が暗くなり、ポツポツと冷たいものが。

いよいよ我々のステージ。1曲目「三ツ舞」の冒頭、師匠がドラを打ち出した途端、一気に雨脚が強まり、その後はほぼ「土砂降り」。ステージ上に屋根はあるが、割と風が強めで上手側の俺と田代は完全にビショ濡れ。太鼓を打つたびに皮面から飛沫が上がる始末。

それでも屋根のないオープンスペースでお客さんたちが我々の演奏を見守っている。こちらもやめるわけにいかず2曲目「海の豊饒」まで予定通りバッチリやりきりました。締めは「千の海響」を「永田社中」と共演。悪天候の中客席もステージ上も、大いに盛り上がりましたぜ。

日本に戻すための楽器のパッキングを半分はトラックの中で行う。ドライバーのユーリさんが陽気なオッサンで、妙なテンションで梱包作業が進んだ。そして全ての楽器を完パケしトラックへの積み込みを完成させた頃には、キレイに雨も止み青空も見え始めた、とさ。メデタシメデタシ。

 

 

日系文化会館(JCCC)にて行われた最終コンサートとワークショップについてのレポートは、回を改めて次回に。


英哲カナダツアー1

なんとひと月以上もブランクが空きましたが…

8日より、英哲ツアーでカナダに来ております。

 

海外に来ると大概ちょっとした空き時間が多く、ネタにも困らないので、普段よりブログ更新頻度が上がるのだが、今回は無理でした。。。

酷暑の日本からの渡加で、こちらの気候に身体を慣らすのが難しかったのか(というか行きの飛行機内がいつもに増して寒かったのが最大要因か?)、着いて2日目あたりから普段皆無に等しい頭痛(かなり強めの)に襲われ、徐々に微熱も出始め、公演とワークショップをこなすのに精一杯だった。周りの皆さんに迷惑かけ、助けていただきながら、なんとかカルガリー〜バンクーバーの公演はやりきり、現在オタワ。ようやく体調が戻ってきて、明日の公演は通常モードで臨めそうだ。

バンクーバーではワークショップを一つと公式の食事会をお休みさせてもらった。申し訳ありませんでした…。

 

というわけで、ここまでは観光も、街をぶらつくこともゼロ。

ネタも写真も乏しい中での、プチレポート。

 

 

カルガリーではちょうど「Nihon-Matsuri」が開催されていて、我々のショートパフォーマンスに加えワークショップ参加者の一部の面々と共演した。

会場となっているアイスホッケー競技場の中には手作りの神輿やたくさんの提灯が飾られ、着物に足袋ソックス、駄菓子、日本刀、漫画などいろんな「Nihon」グッズが所狭しと展示され売られていた。我が静岡の誇る「お茶」のブースも、多くの人で賑わっていた。

 

公演にも祭りにも足を運んでおられた総領事が、お招きくださった食事会の席で、食事に臨まれる前にこのブログをご覧になられていたとのお話を聞き、師匠の情報のみならず我々メンバーのことも気にかけていてくださったことに感激。でも(こんなテキトーな雑文を…)と、嬉しいやら恥ずかしいやら。この総領事、以前の赴任地で2度も師匠と接点があった上に、3年前の風雲アフリカツアーで訪れたマラウイでもニアミスだったことがわかり、話に花が咲いた。とても気さくで、素敵な方だった。

 

 

師匠の公演は日本でもそうだが、特に海外ではカーテンコールで客席からの「熱気」を感じる。今回も御多分に洩れず、熱い拍手と声援を浴びることができた。圧倒的な芸術的クオリティの高さと、それを演じきるための真に「身を削る演奏」のなせる業だと思うが、それを支えるスタッフも、ともに舞台上で演じる我々風雲メンバーも、ガリガリと身を削っておるわけで…

今回体調が厳しかった自分は、終演後「あしたのジョー」よろしくハイ、じゃない灰となっておりました。。。

会場のロビーで帰りの車を待つ俺の向こうで、展示されてる中国製のデザインピアノを爪弾く師匠。

 

 

バンクーバー。

 

UBC大学内にあるコンサートの会場は変わった造りの劇場で、いつもは横に幅広くスペースを使うところを、縦長に客席深くまで演奏エリアとして使おうということになり、楽器配置や動きに大きな変更を加え演奏。

師匠の演出変更が大いに功を奏し、コンサートは舞台と客席が一体となったような熱気が生まれ大いに盛り上がった。(アドレナリン全開で終わった瞬間的爽快感と、その日の夜の体調の落差はすごかった 苦笑)

 

公演前日のワークショップはお休みさせてもらい、大学内の救急医療センター?で診察を受けた。

受付終えて診察ベッドに通されるまで1時間、そこから検査着に着替え、おしっこ検査やレントゲン検査をし結果が出るまで2時間以上、検査着のまま待機。現地の常識なのか室温は22℃設定。具合絶不調、凍え死ぬかと思ったその時医師から下された診断は「ひたすら水を飲みなさい」。

診察に疑いは持たないが、あれだけ待たされ1000ドル払って一切の薬の処方もなくひたすら水飲めとは、んな殺生な〜。。。(診察台は保険で帰ってくるけど…ネ)

てな貴重な経験を経て、飲み続けてた市販の薬が効き始めたのか、やっと体調が上向きになり始めた…

 

 

…というわけで、オタワのレポートは次回に。

 

 


ひさびさ、ちゃっきりTrioが熱い! その2

前回のつづき、今週末の715ライブでカバーする、佐藤正治さん曲「Kai-Kou」について。

そうです、超カッコイイのです。

 

深町さんのソリッドなピアノ、KONTAさんの強烈なファルセットと魂むき出しのサックスソロ、そしてそれを「ひたひた」から「ぐいぐい」まで一気に上り詰める正治さんのリズムのドライブ感!

曲調は全く異なるが、今回トリオで初挑戦する亜紀さんのオリジナル曲「波打つ彼方(あなた)」と同様、摩訶不思議な世界観で非常に官能的でもある(と思う)。

 

メンバーのオリジナルでもないこの曲を、「和のおと」が特徴的なこのトリオでカバーする訳は?

という問いに対して、珍しく俺は答えを持ち合わせていない。

ただただ「この3人でやったらきっとカッコイイだろう」と思うから。

この曲に関しては、「和楽器の特徴を生かして」とか、一切考えない。はせみきたを、小濱明人を、鈴木亜紀をぶつけ、受け止め、絡め合わせるのみ。

リハーサルで下書きは描いた。あとは本番、どのような色が現れ、混ざりあうか…乞うご期待!

 

 

最近、またひとつ「音楽的表現」に心を砕くことが面白く感じている。

以前よりはいろんな意味で視野が広くなり、イメージできるサウンドや情景のバリエーションと深さも、少しずつ増しているかも。

「にほんの太鼓」というおっそろしくパワフルで、強烈なキャラクターと影響力を持った荒馬を乗りこなし、そこにある音楽に寄り添ってゆっくりひたひたと走らせたり、軽やかに飛び石を渡らせたり、重い荷を静かに引いたり、一気に手綱を解放して暴れまわったり…

得意ではないこともあるが、訓練を重ねればできるようになる。あとは「乗り手」の腕次第。

腕はまだまだですがね(苦笑)。

 

ミュージシャン・はせみきたの技量が量られるライブだ。楽しみと同時に、ドキドキ。。。

気合い入れていきます。

 

 

「自由形ピヤノ弾き語り×尺八×和太鼓」

出演:鈴木亜紀、小濱明人、はせみきた

7月15日(土) 17:00open / 17:30start

サラヴァ東京

ご予約3500円/当日4000円(+1ドリンク代)

 

はせみきたHP でもご予約承ります。

 

 



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太鼓奏者・はせ みきた

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