目指すステージ

八丈太鼓や、三宅島神着木遣太鼓の達人の方が、太鼓屋さんから楽器をレンタルするのに念入りに音のチェックをしている光景を度々見たことがある。

楽器を演奏する者としては当然の行為であるが、太鼓の世界ではあまり「当たり前」の光景とも言えなかったりする。

先に述べた芸能の方たちが念入りに音選びをするのは、一つの太鼓だけを用いて、その音色と自分達の技のみで勝負するパフォーマンスだからだ。どんなに技が冴えていても音が悪くては受け手に届かないし、なにより音が悪いと打ち手の気分も乗らない。要素が少ない分、音にも技にもよりシビアなものを求めるのだ。とてもよく分かる。

 

ソロ演奏の良さというのは、集団では際立ちにくい、一つ一つの楽器の音色が味わえること、そして奏者のテクニックだけでなく、立ち姿や表情、息づかいまでひっくるめて奏者その「ひと」を感じられることだと思う。(翻って演じ手としては、そこがとても怖いところでもあるのだが)

 

 

話が飛ぶが、昨年末の「紅白歌合戦」を見ていて、「歌(音楽)がまるきり入ってこない」現象があまりに多くて閉口した。

大所帯のアイドルグループのダンスはカワイイが、画面がちゃかちゃかとスイッチしすぎて全く曲が響いてこない。ベテラン演歌歌手も、ダンスとの意味不明なコラボで音楽に集中できない(単体で味わえば歌・ダンスどちらも素晴らしいはずなのに)。個人的にはMISIAの歌唱力と、星野源の楽曲の世界がストレートに伝わってくるパフォーマンスが素晴らしかったと思う。

 

「派手さ」「わかりやすさ」に過剰なウエイトを置いた演奏・ステージパフォーマンスでは、音楽そのものの深みや演奏からにじみ出る奏者の「ひと」というものはどんどん感じにくくなってきているように思う。同様の風潮が「太鼓」「和楽器」の世界でも広がってきているが、特に「一音に魂を込める」ところにその素晴らしさを求めてきた日本の楽器の場合、上述のような表現だけではその魅力を届けるには片手落ちなのではないか、と思う。

 

 

3月1日の私のコンサートは、必要最低限の装飾と照明、音響の効果とともに、音で、我が身で、様々な幻想風景に挑みます。

映像もないし豪奢な舞台セットもないが、ここでしか味わえない感動や発見が、きっとあるはず。

 

みなさまのご来場を、心よりお待ちしております。

 


2019意気込み表明

新年明けてすでに久しく。。。

みなさま、本年も温かいご声援のほど、どうぞ宜しくお願い申し上げます。

 

今年はブログに、活動報告や旅レポート、公演告知以外に日々考えていることや太鼓界のあれこれなども盛り込んでいきたいな、なんて考えてはいるのだが、考えているうちにはや半月経過。

とりあえず、活動報告と公演告知から始めます(笑)。

 

新年の幕開きは、恒例の元旦サントムーン、そして3日の英哲大阪公演でスタート。

 

元旦は盟友・小泉謙一氏とのデュオ。ここ2年くらいのデュオや四人囃子ユニットでのライブを通して2人でやれる曲も増え、呼ばれればいつでも駆けつけられる機動力の高いユニットとなっております。イベント出演、学校公演などどしどしご用命下さいますよう。

 

3日の大阪、今年こそ英哲師匠と山下洋輔さんのデュオを期待されていた方には申し訳ないことになりましたが、師匠と風雲の5名で昨年のフランスプログラムをフルバージョンで演奏。毎年決まった日に決まった場所で公演があるというのは、お客様にとっても出演者にとっても馴染み感が年毎に増してきて、とても良い雰囲気になる。制作のキョードー大阪さんには本当に感謝である。

 

こうして今年も幸先の良いスターを切ることができ、次なる大きな公演はこちらも恒例化しつつある(とても異例なケース)、フランスナントの「ラ・フォル・ジュルネ」。今年は英哲チーム単独のプログラムに加えて、演劇的なパフォーマンスを加えた異色のコーラスグループ「ミクロコスモス」との共演もある。楽しみ。

 

そして、3月1日はワタクシのコンサート、「風の章@深川江戸資料館」だ。

こちらの公演、我ながらなかなか良い構成になっております。さらにはコンサート当日には、昨年6月の「風の章」沼津公演のライブ音源をCD化して同時発売します!再演はするわCDは作るわですから、内容にはそこそこに自信あります(笑)。

公演チケットは絶賛販売中。CDは絶賛製作作業中。

公演へのみなさまのお越しと、会場でのCDご購入を心より、心よりお待ちしておりますぞ。

 

 

ということで、これまでにも増してセルフ宣伝にも熱を込めて情報発信していきます(笑)。どうぞ懲りずにお付き合い下さいますよう。

 

 

 


2019演奏告知もろもろ

師走に入り、バタバタしていて更新が滞ってしまい…(いつものことか 苦笑)。

 

本年中にもう一回くらいはブログ更新することを目指して、今年一年を振り返る記事はその時に…

ということで、今回は来年の予告をば。

 

元旦は毎年恒例の「サントムーン柿田川」にて開店10時から新春ライブ2ステージ。今年はなんと「小泉謙一」とのデュオ!元旦早々白熱のステージになりそう。お近くの方は是非。

そして3日はこれまた恒例の大阪・森ノ宮ピロティホールでの「林英哲新春コンサート」。

ゲストとして出演予定だった山下洋輔さんが怪我のため出演見送りが決定、師匠と風雲4名で、本年フランスで大好評だった公演と同内容のプログラムをやります。本年の師匠欠場に続きお客様に残念な思いとご心配をおかけして申し訳ありませんが、5名で精一杯舞台を努めますので、どうぞお楽しみに。

 

そしてそして、3月1日は…

コンサート「風の章」東京公演。

 

6月に沼津で行ったコンサートが非常に好評だったので、同内容で東京でも開催しようということになった。

ループマシンを使い、動きを取り入れ、SEほか演出も工夫して…と、これまでにない試みを随所に盛り込んだ内容。

このところ6月の公演の音源を度々聴き込んでいるのだが、我ながら「なかなか良い内容だ」と思う。

静かな驚きあり、ゲスト小濱氏との丁々発止あり、ムーディーな曲あり、太鼓尺八それぞれの音色にどっぷりと浸れるシーンあり…。

でもまだまだブラッシュアップしたい点も多々見つかった。

もっともっとお客さんに「伝わる」演奏が、流れの組み立てができるはず。

年をまたいで「幻想風景曲集・風の章」の練り直しが進行してます。3月、深川江戸資料館への皆様のお越しをお待ちしてます!

 

 

春以降のライブ計画も、ぼちぼち練っております。

来年もディープで充実した1年にしたいな、と思っております。

変わらぬご声援を、心よりお願い申し上げる次第。なにとぞ。


強烈なインスピレーション

寒さが身にしみる季節となってきた。気がつけば今年もあとひと月あまり。早いものだ。

20日の静岡AOI「チャリティコンサート Smile! Smile!! Smile!!!」は、前半太鼓の独奏、後半は琵琶と語りの独奏というシブーい公演だったが、それぞれの楽器の音色、奏者の世界観をストレートに味わっていただけ、評判も上々だったようだ。

琵琶奏者の坂田美子さんは、とても物腰柔らかく上品な方で「太鼓が先で琵琶が後なんて、順番が逆の方が…」と遠慮がちにおっしゃっていたが、そのパフォーマンスは誠に重厚で繊細で、かっこよくそして美しかった。あの1音と1声で一気に時を超え古の世界にタイムスリップする感じ…機会があれば是非今度は、共演したい!

 

さて今月は、坂田さんの他にも素晴らしい音楽との出会いがあった。

 

◆11月10日「360°マリンバ」

沼津の「よしもと劇場」があるラクーンビルの6階。1フロア丸ごと、あらゆる装飾を取り払ったフリースペースの中央に、六芒星のように並べられたマリンバ。沼津市出身で現在はベルギーを拠点に活動している鈴木彩さん率いる6名のマリンバ奏者が闇から現れ、彩さんが構成した楽曲群を奏でながら現行世界とパラレルワールドとを行き来する。既存の楽曲で構成されていたそうだが、そこで生まれた世界は完全に彩さん独自のものとなっていた。声とマリンバ。動きと息づかい。たったこれだけの要素で、いくつもの景色、感情が走馬灯のように現れ、消えていった。1時間ほどのステージだが、本当に素晴らしかった!空間も、非常にシンプルな照明演出も、とても良かった。鈴木彩さん。共演したい人がまた一人増えた。しかしあの空間に太鼓が轟いたらどうなるだろうか…(よしもとさんから苦情くるだろうな 笑)

 

◆11月23日 上妻宏光「STANDARD SONGS feat.佐藤竹善」

上妻さんが隣町の函南町に来られると知り駆けつけた。2010-11年とそれぞれ丸1月づつ、アメリカ中西部の小都市でワークショップと公演をして回るという、恐ろしく濃厚でハードな旅をご一緒させていただいた。その時のピアニスト・野崎陽一さんもいらしてて、開演前にお邪魔した楽屋で同窓会のようなノリで話に花が咲いた。

竹善さんを生で聴いたのは初めてだったが、なんと幅の広い、そして奥深いプレイをなさる方か!語りかけるような歌声から見事なスキャット、そして迫力・音圧とも違うのだが圧倒的に空間を埋め尽くしてしまうようなロングトーンまで、上妻さんの言葉を借りるれば「縦軸と横軸がどこまでも伸びている」表現だった。

コンサートの内容はあくまで「お客さんを楽しませる」ことに徹していて、ポップスからジャズ、津軽民謡のソロ、レゲエまで皆が一度は耳にしたことがあるナンバーをこの3人ならではのサウンドにして届けられていた。1曲の中でほんの数フレーズしか弾かないとしても、そこにあるのはゆるぎなく「上妻サウンド」であり、余計な主張はしない、でもその存在感は明確であるところが、上妻さんの凄さ、かっこよさだ。トークも素晴らしく、客席は終始「よろこび」に満ちていた。終演後のCDの売れること!コンサートの出来の良さそのままだ。

静岡まで移動し打ち上げにも参加させていただいた。楽しく貴重なミュージシャントークに酔い、なぜか筑前さんのマネージャーNさんと意気投合してひさびさに明け方まで「痛飲」してしまった。

 

◆11月25日 石坂亥士「螺旋のグルーブ」

本郷の東大にほど近い「求道会館」。前々から気になっていた空間だ。

ガイシさんと出会ったのははるか前、俺がこの世界に飛び込もうかどうしようか迷っていた頃だ。

ガイシさんは神楽太鼓を中心に、世界中の新旧さまざまな打楽器を操る。ガイシさんと俺は楽器は同じでもその演奏内容は「真逆」なくらい違う。俺の打つ音が「直線」的なのに対し、ガイシさんは「うねる」。

この日のライブはタイトル通り、言ってみれば「怒涛の倍音シャワー」だ。

前半はさまざまな金属楽器たち、後半は神楽太鼓一つ。音がうねりうねる。ひたすら繰り返されるリズムの中で潮の満ち引きのような、どこからともなく吹く風のような「ゆらぎ」が生まれる。前半が終わった時点で耳を丸洗いされたような感覚になりトイレのおしっこの音まで美しく聴こえた(笑)。誤解を恐れずに言うと非常にマニアックな音楽だが、好きな人にはたまらなく贅沢なひと時だったに違いない。求道会館のスペースが絶妙にちょうど良かった。

飛び入りでピアノ演奏をしてくれたエドゥアルド・デルガード氏がまた素晴らしかった。

ガイシさんとはきっと近いうちに、音を重ねることになるだろうとなんの根拠もない確信を持った。イコール、そういう場を作ることになるだろう。

 

どの公演も出会いも本当に素晴らしすぎて、一切写真がない。しかしこの濃厚な四つの公演は、来年以降の俺の活動、表現にとって大きな刺激となるだろうことは間違いない。

お楽しみに。

 


燃えた!四人囃子ライブ

先週の「四人囃子ライブ」は熱かった!

 

「笛が二人、太鼓が二人」という、ありそうでなかなかない編成のこのライブ。

 

ズミ氏もブログで言っているが「お互いのことをちゃんと理解し合えている」4人だからこそ、うまくいったと言えよう。

同じ楽器が二人ステージに並ぶ場合、互いに「俺が俺が」で単なる競り合いとなって音楽的にぐちゃぐちゃになってしまうか、反対に互いに遠慮しすぎて綺麗にまとめることに終始してしまいツマランものになるかのどちらかに陥りやすい。

 

太鼓に関して言えば、勝手に自己分析すると俺とズミ氏は似たところがあって「全体のまとまりを大事に」するプレイが得意というか多い(と思っている)のだが、今回「ここは俺イクよ!」とグッと前に出たときに、その場に応じてスッと引いてくれたり、敢えてカブせてきたり、別のシーンで大暴れしたりと自在にその場で言葉を交わすことなくプレイを変化させ、互いに刺激し合いながらライブ全体という大きな括りでの「まとまり」を自然と作ることができた。

 

俺が思うに笛の二人に関しては得意とするプレイスタイルは異なっているが、おそらく同じような『会話』が、ライブを通して二人の間で交わされていたことと思う。

 

だから多分、誰か特定のプレイヤーのファンの方も「今日〇〇さんおとなしかったね」とか思わなかっただろうし、逆に「あの人あんなプレイするんだ〜」と新鮮な発見があったかもしれない。

4人それぞれ、作る楽曲のカラーがはっきり違っているのも、面白かった。

 

ライブ後、お客様の帰りがけの反響を受けて4人ともに口にしたのは、

「年イチでやりたいね」。

 

やりましょう!!

毎年必ず決まった日にやるってのもいいかもな…。

 

 

さて、みんなでワイワイの熱いライブのお次は、明日の40分独奏。

静岡AOIの超響くホールにて、アイワ不動産HDさん主催のチャリティコンサート。

前半はワタクシ、後半は琵琶・語りの坂田美子さんの独奏という、非常にシブい公演です。

それぞれ趣の違う「和の世界」に、どっぷり浸っていただきましょう〜。

 

 チャリティコンサート「Smile! Smile!! Smile!!!」

 11月20日(火) 18:30開演

 静岡AOIコンサートホール

 出演:はせみきた(太鼓)、坂田美子(琵琶・語り)

 詳細は こちら

 

 

それにしても最近、人の曲を料理(アレンジ)する面白さにハマっている。

曲によっては「イジリ倒す」に近いこともしてるかもな。共演者の皆さん、ゴメンナサイ。。。

翻ってオリジナル曲(特にメロディもの)をずっと作ってない。今後の4人囃子やBOK・SUIのためにも、作らなくちゃだな。

そして、自分の曲を信頼おける人に「イジリ倒」してもらいたいという願望もあります…。

これまでイジリ倒してくれたのは、土井啓輔さんと師匠だけかな。

どなたか、よろしくお願いします!

 

 


充実

今週 月・火・水と小田原市内の小学校3校で学校公演をしてきた。

自分と田代・辻の3名「風雲Aチーム」での公演だ。別にBチームCチームがあるわけではなく、数年前にアフリカで公演をしてきたメンバーなので「Aチーム」と、事務所の社長が名付けた(笑)。

 

小田原市のアウトリーチ事業という名目で昨年から幾つかの学校にお邪魔して演奏・レクチャー・体験を盛り込んだプログラムを展開している。おかげさまで地元も含め学校公演はかなりの回数を経験しているので、師匠のレクチャーコンサートの流れに即しつつも独自の解説も加え、全体の進行役を務めさせていただいている。「国立大教育学部卒・教員免許持ち」というメンバー紹介がネタになっていた時期もあったがそれはさておき、学校公演にはちょいと自信があります。風雲Aチームでも個人的にも、呼ばれればどこへでも出かけていきます!ご用命いつでも大歓迎ですぞ。

 

(写真は松田町に近い御殿場線沿線の小学校。うちの近所と風景があまり変わらん 笑)

 

3日連チャンだったが、各学校の規模・校風などで少しずつ反応も違って面白かった。

平素から親しくおつきあいさせていただいている「小田原北條太鼓の会」の方たちがサポートしてくださり、準備片付けに加えパンの差し入れなど、大変ありがたかった。パンはメンバーさんの親戚筋の「BunBun」というお店のパンで、「もちべえ」というドーナツ?が絶品!生地はモチモチ、胡麻たっぷり、そして何というか、鮮烈な甘さ(しっかり甘いが、しつこくない)で、めちゃくちゃ美味しかった。食い意地が勝り写真はなし。。みなさん小田原にお立ち寄りの折は、ぜひお試しあれ!

 

 

今年は海外公演も多くかなりあちこち出かけていたので、割と忙しかった気がしているが、自主企画のライブは意外と本数が少なめだったようだ。地元でも関東でも「次はいつ?」としばしば尋ねられた。

静岡では自主企画ではないが、11月20日のチャリティコンサート「Smile! Smile!! Smile!!!」が年内としては最後になる。琵琶・坂田美子さんとの共演。

東京では11月13日「笛と太鼓の四人囃子Live」が迫っている。これ、めちゃくちゃオススメですぞ。近年和楽器アンサンブルは多々現れているが、こんなにシンプルで、こんなに濃厚なサウンドと音楽を生み出す組み合わせはなかなかないかも。10日後の公演です。ご予約はお早めに。

<ライブスケジュールの詳細は こちら

 

 

さてさて、年の瀬に向けて「旧稽古場」の解体作業に勤しんでおります。

稽古場付近は冬になるとかなり激しい空っ風が頻繁に吹くので、倒壊してしまわないよう冬が来る前に終わらせなければと、このところせっせと作業に当たっている。

まずは天井・内壁を可能な限りバラし、半分はそのまま残して解体した資材をしまっておけるように仕切り板を立てた。ようやくここ数日で外壁のトタンを剥がし、屋根の解体に取り掛かっている。

たった10坪のハコとはいえ、一人でバラすのはなかなかの重労働だ。あちこちが筋肉痛。

でも好きな音楽を聴きながらトンカチトンカチ、没頭している時間は楽しい。ここ数日の好天続きのうちにキリのいいところまで終えなければ。さあもうひと頑張り!

 

 

やりがいのある仕事をし、良い仲間と良い音楽を奏で、美味しいものを食べ、好きな作業に没頭する。

なんと幸せな日々か! 感謝。

 

 

 


フランス「ジャポニズム」レポートと、その後

秋晴れの陽気が大変心地よいここ数日。

今年に入ってからボチボチと進めてきた旧稽古場の解体作業、そろそろ本腰を入れて急がねばと、ここ数日がんばっている。

ありきたりの表現だが、17年分の汗と音の染み込んだ小屋、せめて自分の手でばらしたい(あわよくば材料を再利用したい 笑)という思いから、極力丁寧に分解している。もともとこういう作業は得意ではないが好きなので、道具片手にはしごに登り、ぼつぼつやっております。内側はあらかた終わったので、いよいよ外壁と屋根の解体に取り掛かるところまで来たぞ。

 

 

さて11日から1週間、日仏友好160周年に合わせて「日本政府として類を見ない規模で日本文化を発信する一大事業」として国を挙げて取り組まれているイベント『ジャポニズム2018:響きあう魂』に「林英哲&英哲風雲の会」として参加のため、フランスへ旅してきた。自由時間はほぼほぼナシのガッツリ詰め込み濃密な1週間でありました。

 

 

最初の公演はパリ中心にある「プティ・パレ」美術館内にて、「伊藤若冲展」に合わせて師匠の美術家シリーズから『若冲の翼』1日2公演。

(写真はリハ風景)

プティ・パレ=小さな宮殿だけあって超豪奢な造りの館内は恐ろしく残響が長く、締太鼓を一発打つと5秒以上「トーーーーーーーーーン」。そういえばハンガリー・ブタペストのリスト音楽院で「ようそろ」として演奏した時も残響すごかったっけ。

日中の開館時間中の美術館での演奏という、なかなかできない経験であった。

 

続いては世界屈指の音響と称されている「フィルハーモニー・ド・パリ」での本公演。

一部は「三ツ舞」「天請来雨」「天真北斗」のレパートリー演奏、二部はフランスで生涯を閉じた画家・藤田嗣治の生涯と作品を描いた、美術家シリーズより『レオナール、われに羽賜べ』。

今回は風雲・服部博之がひさびさ参戦。すごくキンチョーしてた。

コンサートは1曲終わるごとに割れんばかりの拍手喝采で、最後は大スタンディングオベーション。ジャポニズム企画の公演の中でも真っ先にSOLD OUTになったほどの前評判だったそうだが、期待を裏切ることなく喜んでいただけたようだ。

 

翌日すぐにTGVに乗り込んでドイツ/スイス国境にほど近い地方都市・ミュルーズに移動。

その日のうちにコンサートの仕込みとワークショップをこなし、翌日再び本公演。10万人くらいの街に不相応と思えるほどの大きな大ホールも、ほぼ満席だった。フランス人の文化意識の高さなのか。こちらも大盛り上がりで、全行程を終えた。

 

というわけで休む間も無く帰国の途についた弾丸ツアーであったが、さすがフランス、食べ物は出てくるものどれをとっても本当に美味しかった。ツジタスクもこの表情(彼はなぜかこの後体調を崩し、帰国時にはゾンビのような顔してた 苦笑)。

 

 

さーて、次なる大仕事はいよいよ、「笛2、太鼓2」の四人囃子ライブ。

朱鷺たたら、山田路子、小泉謙一というよく知ったメンバー同士。楽器は2種だが、濃厚で分厚いサウンドになること間違いなし!

いよいよ今週リハに臨む。楽しみだ。

ライブの詳細は こちら

 

 

(↓ミュルーズの街中にあったブリキのオブジェ)

 


亜紀と秋の「ちゃっきり」プチツアー

今月はなかなかに忙しい〜。

 

先週末は「女子シングル自由形ピヤノ弾き語り」の鈴木亜紀さんと、プチツアー。

甲府の大好きなライブハウス「桜座」でのライブと、磐田市のお寺「新豊院」さんでの秋彼岸会ミニライブの2本立て。

ここのところ雨続きで楽器の搬入出は大変だし、気分もなんとなく盛り上がらない日々が続いたが、この2日間嘘のように好天に恵まれ、とても気分の良い小旅行となった。

 

21日に亜紀さんと合流して三島の稽古場にてリハ、翌22日に甲府に向け出発。

山を越え山中湖〜河口湖を抜けて甲府に向かう道中、亜紀さんはマイナスイオン吸収しまくって上機嫌、俺は富士吉田の「よしだうどん」食べたくてウキウキ。たっぷり英気を養って甲府入り。

 

今回の桜座ライブは、「ライブ前にぶどう狩り」と「ライブ後にワインで乾杯」の2つのオプションを用意した。甲府のお客様だけでは集客がしんどく、なんとか遠方からもお客様に足を運んでもらおうということでの苦肉の策だったのだが…

 

これが大好評!

 

ぶどう狩りは市内「善光寺」駅から徒歩3分ほどの「早川園」をチョイス。園のスタッフのおっちゃんが我々11名を引率して園内で栽培している数十種類のぶどうから今食べ頃のぶどう10種類ほどを選んで、簡単な説明付きで参加者に採らせてくれる。摘んだぶどうは後ほどぶどう棚の下でテーブルを囲んで、食べ比べ大会。ブラジルのぶどう、レバノンのぶどう、今大人気のシャインマスカット、紅茶の香りのするぶどう、アキ[安芸]クイーン(スズキアキ舞い上がる!)…皆でワイワイと、たらふくぶどうを食べて800円ちょっと。「○○狩り」は美女も含めイチゴしか経験がなかったが、いやー楽しかった!

 

ぶどう狩りで顔も見知ったお客様たちの前で、ぶどうにちなんだ楽曲も含め10曲を熱演。あっという間の2時間だった。遠くは北海道、石川県からも駆けつけてくれ、音につられて飛び込みで参加してくれたお客様もいてくれて、ライブ後の打ち上げも和気藹々と盛り上がった。

たまにはこういう企画もいいね、またやって!という声も多数いただいたので、来年…かどうかはわかりませんがそのうちまた企画します。

 

 

翌朝甲府を発ち、一路磐田へ。

曹洞宗のお寺「新豊院」さんは、はじめ二胡の鈴木裕子さんにお誘いいただき、次に太鼓 小泉謙一とお邪魔し、今回で3度目。

今年は御本尊の「能満所願虚空蔵大菩薩」の修復記念で、「胎内仏像」の400年ぶりのご開帳という大変有難い場に立ち会わせていただいた。

400年ぶりに外の空気を吸った仏様が、女であるために祭りに参加できなくてグレかけた歌や「トビウオ」や歌えや踊れやの「ちゃっきり節」をお聴きになってどうだったかは置いといて(笑)、会場の皆さんはとても楽しんでくれたようだ。もと相方・岡田にも久々に再会でき、超豪華弁当やお土産までいただいて、身も心も幸せいっぱいで、ツアー解散。

 

やっぱり旅は良いですな。

呼んでくださった方、参加してくださった方、協力してくださった方皆様に、心から感謝。

 

 

さて、今日はこれから小泉謙一と合流、明日は地元の小学校でズミ氏と学校公演。

太鼓の面白さ、奥深さを伝えてくるぜ!

 

 


音楽祭をつくる、ライブをつくる

 

参議院議員・平山佐知子さんの主催する「平山佐知子と創る音楽祭」に、参加した。

 

幼少期から音楽が好きで一度は楽器メーカーに就職、その後NHKアナウンサーとなり静岡県内の隅々まで訪れ、多くの県内出身の音楽家・静岡に根を下ろし活動する演奏家と出会う中で、静岡全域を選挙区とする参議院議員となった今、静岡にゆかりのある音楽家とともに新しい地元発信の文化活動のムーブメントを起こそうと、音楽祭の開催を思いつかれたとのこと。

 

平山さんとはフリーで活動されている時に何度か現場でご一緒させていただいたご縁から、記念すべき第一回目の出演者としてオファーをいただいた。しかも出演だけでなく、コンサート全体の構成・演出の大役まで仰せつかってしまった。

 

音楽祭は県内東・中・西の3か所(三島/静岡/浜松)、各1000人規模のホールを会場とし、本年の出演者はピアノ独奏の入川舜さん、声楽の村上達哉(テノール)さん有賀美聡(ソプラノ)さん、そして太鼓はせみきたの3組。「大役」とはいえ、それぞれみなプロフェッショナルの演奏家だし、司会進行のプロまでいるわけで、俺は各コーナーの内容を把握し全体の流れを組み立て、進行役の平山さん、舞台スタッフと細々とした打ち合わせをし、あとは最後の「共演シーン」を船頭役となって作り上げるくらいで、それほど大したことはしておりません(笑)。

 

ピアノの入川さんは30ちょい越え。7年間パリで修業を積み帰ってきたばかりとのこと。堂々とした見事な演奏と、大真面目な、でもたどたどしいトークのギャップが大いに好感を誘った。3会場回を重ねるごとに演奏内容に磨きがかかり、ぐっと良くなっていくのが素人目にも良くわかった。

 

声楽の村上さん有賀さんは実はご夫婦。村上さんの圧倒的な声量と有賀さんの見事な超高音の発声にはまさに「魂を揺さぶられる」感じがした。ベテラン村上さんの気の利いたトークに会場は一気に温まり、最後は「ブラボー!」喝采の嵐。

 

「はせみきた」はトップバッター。浜松のアクトシティは音楽ホール、他2会場も反響板仕様としたため、なるべく弱音〜中音までを特に丁寧に、繊細な音・豊かな響きを印象的に出そうと心掛けた。「響きを聴かせる」演奏、以前よりは多少できるようにはなったが、師匠の演奏にいつも間近で触れてるだけに、まだまだ道のりの遠さを感じる。が、まあ割といいセンはいったかな、と思う。

 

良い共演者と、いつもの我が最強スタッフのおかげで、クオリティの高い催しとなったと思う。

平山さんの人柄とさすがのナビゲーションが随所に光り、支援者の皆さんにもお喜びいただけたのでは?

正直、大したことはしてないとはいえ、慣れないことをするのはやはり大変だった。でもとてもいい勉強になった。

 

 

そして今日は、大切な戦友の応援に。

これまた慣れない「舞台監督代理」なる役を仰せつかり、てんやわんや。

仕込みもリハもバラシもひたすらタイトな時間だったが、みんなで力を合わせてなんとかやり切った!

それもこれも、演奏内容が良くて、お客様が喜んで帰ってくれれば報われるってもの。いいライブだった。

今日のヤツの背中は、今までで一番キレてて、美しかった!

公演の成功、心から おめでとう。

 

 

 


英哲カナダツアーレポート その3

無事日本に帰国しました!

8月も終わりということで、暑さはだいぶ和らいできてるようだが、カナダから比べるとやはり蒸し暑い!ざるそば食べたい!

 

 

さて最終レポートとして、トロントでの公演とワークショップのことをば。

 

コンサート会場は日系文化会館(JCCC)。

会館内の道場では柔道剣道合気道に加え居合の稽古まで開かれていた。売店では道着や書籍・CDに加え見慣れた日本のドリンクが。

これまで開催された数々のコンサートや舞台、映画のポスターがずらり。伝統ものからアニメなど最新のトレンドまで、多岐にわたる「日本文化」を熱心に紹介されているようだ。

多目的に使えるホールに大きな仮設の舞台を組み、日本から同行している舞台・照明スタッフの手で我々のいつものステージが組み上がっていく。

 

ジャパンスタイルのお弁当に、インスタントの味噌汁。嬉しい。

 

JCCC内には、19世紀終わり頃からの一世移民から始まるカナダにおいての日系社会の歴史が時系列に沿って、それぞれの世代の人へのインタビューとともに展示されていた。製材所などでのきつい肉体労働に始まり漁業や新しい事業を起こして行った人々。戦時下に家族バラバラにされ、極寒の内陸の強制収容キャンプでの生活。そんな苦しい時代の話に口を閉ざす両親のもとでカナダ人として育てられ、自身のアイデンティティをなかなか見いだせず苦しんだ世代…。とても当たり前のことだが、その時どきの時勢や状況のなかで人それぞれの思いとともに積み重ねられた営みの連鎖が「歴史」なのだなとリアルに感じた。多分自分と歳の近い方の「混ざり合った遺伝子を持っているということは、不思議で素晴らしいことなのです」という言葉は、とても印象深く心に残った。

 

師匠は鬼太鼓座時代にここを訪れており(当時の建物も少し離れたところに現存)、42年ぶりに再び弟子を連れて演奏することにことさら感慨深いものがあったようだ。公演中のMCも、生声で英語の原稿を読み自身の思いを伝えておられた。

公式には日加修好90年の今年、その歴史と人々の想いの詰まった場所で、国と国・文化と文化を人がつないでいくことを象徴した作品「澪の蓮」や、友好の印としてバンクーバーに植えられた桜の木から生まれたバチで奏でた「太鼓打つ子ら」は、多くの人の心に響いたようだった。

 

 

最後のワークショップ。

本ツアーのワークショップでは、師匠が確立した「大太鼓の正対構え」の基礎の稽古と曲「千の海響」の習得に加え、約50年前から現在に至るまでの日本・海外における「和太鼓」の歴史と変遷を知ってもらう講義を盛り込んだ。非常に中身の濃い、3時間越えのワークショップだった。自身の経験と複雑な感情を含んだ師匠の言葉を的確に、余すところなく英語に変換して伝えるジョー・スモール。プレイヤーとして通訳者として、彼はこのツアーのMVP間違いなし!本当にお疲れ様。

 

 

というわけで、カナダツアーは無事終了。師匠と田代・辻・ジョーは引き続きアメリカに渡り9月12日までのワークショップツアーへ。俺は一足先に戻り、来週からの静岡でのとある大仕事の準備をしつつ、英哲チームのツアーの安全と成功を祈っております。

 

本ツアーを企画運営してくださったカナダ大使館・国際交流基金をはじめ、各都市の領事館、現地スタッフさん、協力企業さん、ほか多くの皆様のお力添えに、心より御礼申し上げます。

ありがとうございました!



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太鼓奏者・はせ みきた

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